「なるたる」「ぼくらの」の“鬼頭莫広”少年サンデー・デビュー作「残暑」

デビュー作を紹介するシリーズ、今回は「なるたる」「ぼくらの」等で知られる鬼頭莫広氏です。
鬼頭先生のデビューは８７年の第２０回小学館新人コミック大賞での入選作で、当時はまだ知弘という名前で描いている頃です。
（「ともひろ」から「と」を取って「もひろ」になっていますが、やはり字画とか考えての変更なのでしょうか？）

『受賞のことば』
「初めまして、鬼頭知弘です。まさか受賞できるなんて思ってもいなかったので、驚いています。今でもなんだか、信じられないような気持ちです。まだまだ、稚拙なぼくですが、力の及ぶかぎり、がんばりたいと思います。感想でもなんでも、お便り下さい。よろしく。」

では簡単ながらレビューしたいと思います。

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夏が行く前に逝ってしまった妹のあきこ（あー坊）。
大学生の無謀運転で…。

そんなある日。

妹が幽霊になってやって来た。
思い残す事があるらしい。

兄の机にある「田島先輩」の写真を何気に話題にするあー坊…。
「田島先輩に乗り移ってあげようか？」
そんな妹の問いかけに、動揺する兄。

しかしながら、ふたりの時間は淡々と過ぎていく。
ただの「仲のいい兄妹」の姿がそこにはあった。

明日は日曜だから二人でデートをする事に…。

そんな状態ではあったが、兄は色々考えていた。

原因は分からない。
深く考えても無意味だ。
「まあ、いいや。どうにかなるだろう。」

あきこは兄に買ってもらった服を着て現れた。

ゲームセンターで遊び、ローラースケートで遊ぶふたり。
公園のブランコに乗り、昔話をするあー坊…。

そして…再び「田島先輩」の話を切り出して来た。
「やっぱりいいよ。そんな事までするのまずいと思うんだ。」

それが妹の未練だった様だ。
「もし、兄ちゃんが断らなかったら、出さないつもりだったんだ。」
ちょっと意地悪な事を言うあー坊。

田島先輩が将来産む子供…。

何気ない言葉の掛け合い。
それを最後にあー坊は消えた。

最後までイタズラだけど可愛いままで行ってしまったあー坊。
僕の胸に、消えない思いを残して…。

といった内容なのですが、青春の１ページというか、詩的な印象が残る珠玉作ですね。
登場人物はたった２人なのも、ドラマを高める一因になっているってトコでしょうか？

『選考委員のことば』
◎赤塚不二夫先生より～絵もストーリーもバランスよく、クールに描けている。個性的でデッサンのしっかりした絵がよい。テーマが少女マンガ的なのがややマイナスだが、人物の性格も微妙なところまで表現できていて、かつセリフが抑え気味なのも評価する。テーマに伴い勝ちな暗さのない点もよい。
◎藤子不二雄先生より～絵は自分の線で統一されており、なかなかよい。だが、妹が霊になって訪ねてくるという設定が、やさしいかわいい絵にしては、やや重い。細かい背景までていねいによく描かれているし、兄妹が遊ぶ所などもよいので、設定ミスが残念。描写力はあるので、次作に期待。
◎斉藤次郎先生より～登場人物がたった二人というのが、ものたりませんが、逆にいえば、二人の会話だけでドラマをまとめあげている構成力は、大したものです。さりげないタイトルもよい。ただ、この小さなまとまりに充足することなく、次の機会には、冒険作に挑む事を期待します。
◎松本零士先生より～画風には味があるが、少年マンガに求められる絵柄という意味では、少々寂しすぎるのではないか。ストーリーは、コンパクトにまとまってはいるが、セリフを努力して追っていかなければ、話の運びの分かりづらい点が、少年マンガとしては若干苦しい感じがする。

さすがに巨匠たちは、簡単には合格点は出してはくれませんが、それでも評価はされている様です。
そういえば、８７年ですからまだ藤子先生はご存命なんですよね。

その後の鬼頭氏の活躍は、皆さんの知るところですが、デビュー作ですでにその前兆はあった様です。

追記：作者名の表記を誤変換していましたので修正しました。つーか、あのミスは一番やってはいけないよね、やっぱ（苦笑）。
最近ミスが多いけど、疲れてるのかな…。

＞ブログタイトルでちょっとわろうたです。
もっともです（笑）。

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残暑―鬼頭莫宏短編集 鬼頭 莫宏

青春ストーリーの旗手・原秀則デビュー作「春よ恋」

さて、デビュー作シリーズも今回は原秀則先生です。
原先生といえば、現在も週刊ヤングサンデーで連載を持っている人気作家で、特に青春ものを得意とする作家さんです。
昭和５５年という事は、前に紹介した細野不二彦さんと同じ年のデビューですね。

昔、これを読んだ際、別の意味でちょっとショックを受けてしまいました。

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空き地で草野球をしている進・青年と子供達ち。
土手で読書をしていたひとみさんにフライを追って行った進と激突してしまいます。
気を失ったひとみをおぶって家まで送っていこうとしますが、途中で気がつき、進は挨拶も半端なまま逃げてしまいます。

銭湯の帰り道、足をくじいた彼女の姿を見つける進。
うまく歩けない彼女をおぶってアパートまで送るのでした。
そんな彼に、どうやら好感を抱いた様子のひとみさん。
草野球をする子供達に聞くと、進は日曜にしか一緒に野球をしないのだそうです。

かくして、日曜に再び彼に会う為にやって来たひとみさん。
小雨が降る中、ふたりの雰囲気を察した子供達は、あるイタズラをします。

毛虫に驚いたひとみは、大方の予想通り進に抱きついて来たのです。
「大成功！！」
「いつまでくっついてんの？おふたりさん！！」
「オレたちオジャマみたいねー！！」

かくして、ゆるい時間は過ぎて行くのでした…。

といった作品です。
シンプルな中に、青春の一ページとでもいう様なミニストーリーといった印象の作品で、現在の作風の原点の様なものが垣間見えます。
しかし、それ以上に驚きなのが、スクリーントーン等を一切使わず、全てを手書きの点描等ですませている点です。
故に、当時思ったのは、「マンガは道具じゃない！」という事でした。

高校の時に投稿したのがキッカケで編集の人に「上京しないか」と誘われ、はしもとみつお先生のアシスタントになったそうなのですが、そこで初めてマンガの本当の描き方を知り驚いたのだそうです。
スクリーントーンなんて全く知らず、応募作は必死に点描したとか。
画用紙の表裏があるのも知らず、Ｇペンなんてのもアシになって初めて知ったそうです。
切り張りなんてのも初めて知り、定規の使い方にしてもそれまでじわ～～っと定規の下でインクが流れてしまったそうです。

そんな状態でアシスタントを始めたというのも驚きですが、そんな原石を見出した編集の人もすごいと思いますね。
デビュー作は、アシスタントをしばらくしてから描いたそうなのですが、やっぱりスクリーントーン等は使っていない様ですし、その辺りはどうなっているのか気になります。

さて、次は誰のデビュー作を引っ張り出してみますかね？（苦笑）

ウィキペディア：原秀則

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超ヒット作ながら闇に葬り去られた「キャンディキャンディ」

「キャンディキャンディ」を憶えている者は幸せである…。

１９７５年、「なかよし４月号」から連載がスタートしたある少女マンガが全世界的な大ヒットを飛ばしました。
そのタイトルの名は「キャンディキャンディ」。
いがらしゆみこ（原作：水木杏子）の代表作でもあります。
７６年から始まったＴＶアニメは全１１５話に及び、恐らくあの年代の人で知らない人はない作品だったのですが…。

実は知っている人は知っていると思いますが、現在あらゆるメディアにおいて、「キャンディキャンディ」はその存在が封印されています。
その理由はウィキペディアに詳しく掲載されていますが、そういった理由により、原作コミックスは絶版状態。
アニメの方もＤＶＤ化はおろかＴＶの再放送も出来ない状態でして、作品の知名度からいってもかなり残念な状況であるといわざるを得ません。

自分の持つコミックスは当時買ったものでして、再販される可能性がない事もあり、かなり貴重なものになっている様です。
（Amazonでも高額になっている様子です。）
アニメの方も８０年代に友人から録画したビデオを譲ってもらった為見る事は可能なのですが、状態はあまり良くなくやはり何とかＤＶＤ化して欲しいと強く願っているのですが…。
（ウィキによると、丁度ＮＥＴテレビがＴＶ朝日に名前を変えた時期の様です。「我が家の友達１０チャンネル～ＴＶあ・さ・ひ」のフレーズが懐かしい…（苦笑）。）

という事で、簡単に紹介などをしてみたいと思いますが、著作権で問題を起こしている作品だけに画像の取り扱いに関して実際どうなのか良く分かりません。
もし何か問題がありましたら対処したいと思いますので、その際には是非御連絡下さい。

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キャンディ（キャンディス・ホワイト）はミシガン湖に近い孤児院「ポニーの家」で明るく元気に暮らす女の子。
おとなしくて優しいアニーは同い年の親友である。
しかし、６歳になったアニーは富豪の家に養女として引き取られて行った。

アニーを失った寂しさからポニーの丘で泣いていたキャンディの前に王子様の様な少年が姿を現した。
キャンディは以後「丘の上の王子様」と呼称し、その出会いを心の支えとするのだった。

１２歳になったキャンディの元に、ラガン家から誘いの手が伸びる。
しかし、それは養女などではなく、長女イライザの話し相手として呼ばれたのだった。

ラガン家のニールとイライザは何かにつけキャンディをいじめる。
（そのせいもあってか、子供の頃「イライザ」という名前にすごくネガティブなイメージがありました。）
悪さをしてはみんなキャンディのせいにしてしまい、キャンディは馬小屋で寝る生活にまで落ちてしまうのだった。

そんなキャンディを支えたのがこの３人。
左からアーチーボルト・コーンウェル（アーチー）、アンソニー・ブラウン、アリステア・コーンウェル（ステア）。
彼らと遊んでいる時だけは、つらい生活を忘れるキャンディなのだが…。

謎の人物として登場したアルバート。
スカンクのプッペと共に放浪の旅を続けている。
が、実は彼こそこの物語のキーになる存在だったとは…！

メキシコの農場で重労働に出される寸前、キャンディはウイリアム・アードレーの養女になるという大逆転の展開！
それまで一族の長は「エルロイ大おばさま」だったのだが、正体不明の「ウイリアム大おじさま」がキャンディの足長おじさんになる事で、イライザたちと対等の立場を手に入れる。

が、幸せはやはり長くは続かない！

突然のアンソニーの死はキャンディを失意に沈める…。

そしてキャンディはロンドンへ。

王立聖ポール学院での生活でキャンディはテリュース・Ｇ・グランチェスターに出会う！
テリュースこそ、キャンディが本気で愛した男だったのだが…。

学院で再会したアニー。
しかし、孤児院出身である事を知られるのを恐れ、アニーはキャンディを避ける。

学院での生活でもイライザの罠が待っていた。
キャンディを守る為、学院を去るテリュース…。

そしてキャンディも医療の道へ進んでいく。

始めて担当したウイリアム・マクレガーだったが、その看護の甲斐なく死んでしまう。
とにかく、キャンディは不幸が不幸を呼ぶ展開が続くのだ！

戦争が始まり、友人になった看護生のフラニーも戦場へ…。
そして、ステアも戦地に赴いていく…！

再び再会したテリュースとキャンディだったが、彼を思うスザナの存在がキャンディに別れを決意させてしまう！
この辺りは泣ける展開ですね。

ステアの戦死を彼女であるパティは受け入れる事が出来ない！
兄弟を失い、ひとりになってしまったアーチーのバグパイプが哀しく鳴り響く…。

突然出てきたニールとキャンディの結婚話。
何とか阻止すべく、ウイリアム大おじさまについに接見する！
その驚愕の正体とは…！？

原作のラストシーンはかなり印象的で、一生忘れられないワンシーンになりました。
子供心に、「えっまさか！」といった印象で、かなりガツンとやられましたよ、当時は。

やっぱり、何とかコミックスの再販とか出来ないものでしょうか？
さすがに自分の持っているものも痛んでいますし、アニメＤＶＤとかも出たら１００％買ってしまうんですけどねえ？（苦笑）

ウィキペディア：キャンディキャンディ

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「ピアノの森」一色まことが８６年にジャンプで連載した「はなったれＢｏｏｇｉｅ」

人に歴史ありと言いますが、マンガ家の場合そのサクセスストーリーを語る際、過去に描き続けてきた作品を見れば一目瞭然なのは言うまでもないでしょう。
ただし、肝心の「過去の作品」が中々見られないのが現状です。
例えばこの一色まこと先生。
現在「ピアノの森」の大ヒットで知られる作家さんですが、当然ながらここに至るまでの過程にも歴史はあります。
ですが、実はあの週刊少年ジャンプで連載をしていた事があるのはご存知でしょうか？
掲載が８６年２３号～３１号という事で、９週打ち切り作品ではあるのですが、今見ても現在の一色作品の面影を感じる事が出来ます。

ウチの戸棚（ほとんどカオス）に当時のジャンプに掲載された一色まこと「はなったれＢｏｏｇｉｅ」が残っていましたので、今回は簡単に語ってみたいと思います。

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主人公は元気一杯な幼稚園児・石井ともこ（５歳）。
女の子ではあるものの、鼻水をたらしながら走り回るその姿は小さい子供そのもの。
当時のジャンプといえば「キン肉マン」「北斗の拳」など、友情・努力・勝利の３原則に則った作品が中心であり、この新連載はかなり異質であったと思います。
（表紙に書かれたタイトルの何と豪華な事か！）

冒頭から始まるのが石井家の朝のトイレ騒動。
子供視点という事からなのか、とにかく「しっこ」「んーこ」といった表現が多く、アクション的にも「アラレちゃん」を思わせるところがあります。
「アラレちゃん」と違うのは、舞台が現実的な下町だという事ですね。

連載は全１０話ですが、実は初回に２本同時掲載している為、実際の連載は９週。
２話目では相棒の犬のギンシローが登場しました。
動物との心のふれあいなど、とにかく心暖まる話が氏の持ち味であるのは今でも変わらないですね。

幼稚園では、ともこのお腹が食べすぎで膨らんだ為「子供が産まれる」と大騒ぎ。
家に帰れば、いきなり下ネタになって大騒ぎ（笑）。
ん～もしかすると、本当に「ポスト・アラレちゃん」だったのかも知れませんね。
表現的に近いものを感じます。

短期で終わってしまったのはもしかすると主人公が美人でなかったからなのでしょうか？
とはいえ、こんな可愛い女の子も描いているんですよね。
連載の最終エピソードは、犬のギンシローが人間の女の子に恋をするという、これまた可愛らしいお話でした。

この連載を終えた後、スピリッツで「出直しといで」が始まったのを見た時はすごく驚きました。
２度目のチャンスもなく、他誌に移ってしまった訳ですからね。
しかも、「出直しといで」が青年誌という土壌にあっていたのか、６巻に及ぶヒット作になったのです。
その後は、多くのファンが知っている様にアニメになった「花田少年史」、そして「ピアノの森」と続くのですが、今の大成功の影にこの様な作品もあった事はちょっと憶えておくといいかも？（笑）

出来れば、一度手にして読んでみてはどうでしょう？
自分のまわりでは、最近古本とかでも全然見かけなくなったのが難点ではあるのですが（苦笑）。

はなったれＢｏｏｇｉｅウィキ

ピアノの森―The perfect world of KAI (1) 一色 まこと

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安永航一郎・伝説の「県立地球防衛軍」とは！？

先日、島本和彦作品を紹介したので今回は安永航一郎の最初のコミックスである「県立地球防衛軍」を紹介します。
当時、同時期に出てきた島本氏と安永氏を同列に見る向きが確かにありました。
しかし現在、ふたりの立ち位置はかなり違ってしまった感じがします。
少年サンデー増刊号で連載された「県立地球防衛軍」は、氏の代表作のひとつであり、一時はアニメにもなった傑作でした。
ギャグのキレひとつとっても、他者にはマネ出来ないものも多く（倫理的な意味も含む）、「何かスゴイ人が出てきた」と当時自分は注目して読んでいたのです。

という事で、２日がかりで記事にしてみましたのでどうぞ御覧下さい（苦笑）。
（尚、画像はそれぞれクリックで拡大します。）

コミックスは上の画像の全４巻で完結していますが、その後「番外編」がサンデー増刊号に掲載されました。
この話はコミックス未収録になっています。
さらに同人誌の形で「県立地球防衛軍」の続編が発表されています。
自分はたまたま見つけて当時買いました。

漫画情報誌ぱふでは１９８６年７月号で安永航一郎スペシャルという１４ページの特集を掲載しています。
この号では、当時「燃えるＶ」を連載していた島本和彦氏もインタビューを受けています。
当時の島本氏のテニス談義は貴重かな？

当時は色々グッズも出ていたのですが、これはアニメイトで買った下敷きの画像です。
デザインはコミックス２巻を使った様です。
当時は下敷き関係は意味もなく集めてました（笑）。

ＯＶＡが作られた際、一部の映画館で劇場公開されました。
その時のパンフがこれです。
同時上映の「炎トリッパー」「ザ・ヒューマノイド」が一緒記載されています。
これって結構貴重な気がするのですが、どうでしょう？

それでは、以上の材料を使ってレビューしたいと思います。

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「県立地球防衛軍」とは？
悪の秘密結社・電柱組が世界制覇の第１歩として、九州の某県を制服しようと攻撃を開始！
思いもよらぬ事態を受けた県知事は県立今津留高校に「県立地球防衛軍」を設立し、これに対抗する！
かくしてローカルで間抜けな戦いが日夜繰り広げられるのであった！！

【参考】
安永航一郎ウィキ
県立地球防衛軍ウィキ

防衛軍の面々がコレ。
影のうすい主人公の盛田と友人・武井。
紅一点の伊福部あき子は筋肉フェチ。
インド人留学生カーミ・サンチンは改造人間だ。

人気はあき子よりもこっちのバラダギ大佐。
つーか、彼女の存在がなければこの作品は成立しないと言っていいツッコミ役だ（笑）。
電柱組の怪人はこの他にもスコープ鶴崎や食通などがいる。

が、何といってもコイツの存在を忘れる訳にはいかない！！

その存在全てが毒！
まっする日本は一度見たら忘れられない強烈なキャラでした。

その双璧ともいえる正月仮面は１年全てを正月にする野望を持つ。
このふたりの激突が、結局、本作のクライマックスになりました。

鼻水のついたちり紙を相手に見せてロールシャッハ検査をするという、はた迷惑な行為を行うまっする日本。
しかし、鼻水が出なくて大ピンチ！（笑）

終盤に出てきた強烈なキャラのひとりグリコーゲンＸ。
鉄の肝臓を持ち、桜の咲く場所を移動しながらマイクを持つ宴会男はどんどん北上して、結局、北方領土に消えて行きました（苦笑）。

怪人見習い・怪奇トロロ男。
この「見習い」という言い方は、島本和彦「風の戦士ダン」からきていると当時は思ったけど、本当のところはどうだったのかな？

主人公・盛田の妹が登場するエピソードはちょっと注目の一本。
妹に対して「彼女の２、３人くらい」と見栄を張ってしまった為、バラダギに恋人役を頼むことになった。

「本当は恋人じゃないんじゃないの」と疑る妹の前で、バラダギが唐突にキス！
これには当時、本当に驚きました。
何せ、そういう漫画だとは全然思っていませんでしたから。

しかも、この話は最後までムードたっぷりに終わるのです。
どう見ても、他と同じ安永先生の作品には見えません（笑）。
このいい雰囲気をアニメのスタッフも気に入ったのか、アニメのラストシーンに使われています。

さて、原作終了後に描かれた番外編がコレです。
例によって電柱組との戦いがあるのですが、新しい怪人も登場しました。

その名も、ベンツ台村！
縁日のフーセンに毒ガスを仕込むという、何やら怖い怪人です。
が、結局間違えてプロパンガスを入れてしまうのでした。

ミス田植え娘に選ばれるバラダギ。
今夜はスキヤキだ――っ！

さて、続編という事では、こういうのもあります。

同人誌で、グリコーゲンＸ対正月仮面の夢の対決が！！！
はっきり言って、結構レベルの高い話をやっているので商業誌で出して欲しかったですね（苦笑）。

「ぱふ」でのインタビューでは同人誌の話題も出ていましたが、「夕焼けニャンニャン」などアイドルの話題も結構好きなようです。
４ページびっしりのインタビューは、文字を起こすのはかなり大変ですのでおおまか省略の方向で（苦笑）。
まあ、アニメに関する事で少しだけ出してみます。

安永「そーいえば『防衛軍』のビデオが出ると聞いて、みんな二言目には『正月仮面出るの？』と聞くんです。『出ません』と言うと『なんだ、つまらん』と言われました。そうなんですよ、何で出ないんだろうな。そう『防衛軍』の実写プランというのがありまして、これがすごい！まず、グリコーゲンＸが山崎努。そして正月仮面が中村敦夫、かっこいい。トロロ男が中井貴一（笑）。」
――まっする日本は？
安永「アーノルド・シュワルツネガーかな。それから、食通が芦屋雁之介（笑）。これは豪華！」
――スコープ鶴崎は？
安永「おっと、ヤバイ。スコープは決まっているけれどヒ・ミ・ツ。バラダギさんは、福永恵規。勝手に決めてますけど（笑）。何億円かかるかわからん。どっかの成金が田畑売って映画にしてくれんかなー。」
このインタビュー自体が２０年前ですので、人物もそれなりのキャスティングになってます（苦笑）。

また、島本和彦氏のコメントも一緒に掲載されていますので、これも紹介します。
【安永航一郎という男】
「ぼくには彼の言っていることはわからない。担当が（彼とぼくの担当は長い間同じなのだが）彼の言葉をわかりやすく解読して教えてくれると、すごいことを言っているのである。
すごい男だ。
絶対にしてはならぬこと。
それは彼を敵にまわすことである。
彼の脳にはあらゆる攻撃のパターンがインプットされていて、思いもよらぬ空間から攻撃をしかけてくるという。
特に、彼に部屋をかしている大家さんなどは毎日彼の部屋にお茶をもっていくぐらいの努力が必要だ。」
分かるようでいて分からない不思議なコメントです（笑）。
（←記事の方向←）

（←記事の方向←）


以前アニメになった際の少年サンデーでの紹介記事がこれです。
（クリックで拡大します。）
自分は当時、ビデオソフトもＬＤソフトも買ったのですよ！
出来ればＤＶＤソフトも出て欲しいと思っているのですが、難しいのでしょうか？

さて、安永氏を語る上でもうひとつ言っておきたい言があります。
それは他ならぬコミックスの事です。
何故コミックスの刊行がいつも遅れるのでしょうか？
「陸軍中野予備校」の時からおかしくなっていて、最近の作品でも「火星人刑事」は５巻でストップしたまんま。
７巻まで出ていいはずなんですが…。
もしかすると、商業誌以外でこんな事をやったりしていたのがまずかったのでしょうか？
別の名前を使ってファンロードに投稿とかしてますけど、ファンの間では有名な話になってしまいました。
氏の昔のコミックス自体がだんだんと古本屋で探すのが難しくなって来ている状態ですし、ここは何とか文庫とかで復活して欲しいところです。
しかし、通常のコミックスの刊行にすら恵まれていないのに、文庫やワイド版なんて夢のまた夢。
現状では、安永作品は全部「幻の」と文字がつく作品ばかりになってしまいそうです。
最近、月刊コミックリュウで連載を始めた安永氏ですが、ここで何とか地位を固めて、過去の、特に大量の読みきり作品をコミックスにして欲しいと切に願います。
ほとんどスクラップしているのですが、肝心のデビュー作がどっかにいってしまってレビュー出来ないので（笑）。

５／２１：追記
＞しいたけヨーグルトはどうなったの！（コメントより）

という事で、これが「しいたけヨーグルト」だッ！！

県の特産物しいたけと健康食品ヨーグルトの夢のコラボ商品。
腸が弱い人にはひどく危険な気がするのは気のせいだろうか（笑）。

是非この商品は「鼻」で食べてもらいたい！
この後あき子さんも鼻で食べてるぞ！（笑）

【関連記事】
◎我らが安永航一郎先生が帰って来たっ！！

火星人刑事 1 (1) 安永 航一郎

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人気マンガ家北崎拓・弱冠１７歳のデビュー作「英雄行進曲」

昔の、特に８０年代のマンガ関係はよくスクラップとかしていた為、意外な読みきりとかが眠っているのがウチの押入れなのですが、本箱を整理していたら北崎拓の新人の頃の作品が色々出てきました。
しかし、２作目以降が結構揃っていたのに肝心のデビュー作が見つからない！
そこで当家の知恵袋である弟に聞いてみたところ（笑）、「別の部屋の戸棚の中で見た気がする」との事で、探してみたら出てきたのですよ、コレが！！
（他にも魔少年ビーティーのジャンプ掲載版とかレアなのがゾロゾロ出てきました。）

北崎拓氏のデビュー作は今は亡き少年ビッグコミックで８４年に掲載されたのですが、この時なんと１７歳！！
久々に読んでみて、当時軽く嫉妬したのを思い出しましたよ。
高校生でデビューか～ハァ～と（笑）。

この時の作者コメントはこうです。
「え～～っ！！まだ高校生のボクがマンガ家の仲間入りできるなんて、ホント、夢みたい！！第３期のコミ・ゼミで期待賞をいただいてから、勉強の合い間をぬって（？）描きあげたこの作品、いかがでした？ぜひぜひ、感想を聞かせてください！！これからも若さでがんばるゾ！！」

このデビュー作ですが、内容は以下の通りです。
今でこそ恋愛ものの代表のひとりとして挙げられる作者ですが、当時はヒーローアクション的なものもよく描いていた様です。

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映研でヒーローものを撮影している主人公の１年生・橘英雄たち。
予算がない為、古い気ぐるみを直しながら撮影していた。
そんな彼等の周りをウロチョロしていた臨時教師と話をしているうちに、何故か彼女を映画に出演させる事になってしまう。

色々考えた結果、ひとつのアイデアがでる。

まあ、これは読者サービスといった感じですね（笑）。
ノリノリの先生に加え、ふらりと現れたＯＢも加わり順調に撮影が続いたのですが、肝心の予算がなくなってしまう。
そんな彼らを見かねて、早野先生の初めての給料を投入する。
が、宴会で消えてしまうのだった。

何気に出ていますが、マクロスのバルキリーが見えます。
先生の名前が早野文というのもうる星やつらのヒロイン「ラム」の声優・平野文からきていると思われますし、高校生らしいというか当時のはやっているものが反映されている様です。

早野先生は臨時教師の為近くやめる事が決定しており、橘も撮影に必死の様子。
橋から川に飛び込むシーンを撮ろうとするが、残念ながら撮影は失敗する。
その事もあってか、橘は上映会の最中も浮かない様子。

そして早野先生は去っていった。
その去り際の表情に橘の心は…。

今はただ、フィルムに刻まれたメモリーを見続けるだけ…。

全３１ページの作品ですが、１７歳にしては完成度は高い感じです。
数年もまたずに「空色みーな」の連載も始まりますし、若きホープとして編集部も大きな期待をしていたんじゃないでしょうか？
最近では大人向けの作品を描く様になりましたが、恋愛の機微を描くという意味ではデビューの頃から変わっていないと言えるかも知れませんね。

さくらんぼシンドローム 3―クピドの悪戯2 (3) 北崎 拓

コミックス完結後に描かれた「ジャスティ特別編」

先週書いた「鉄腕バーディー」の記事内でも言いましたが、８０年代の少年サンデー増刊号ではコミックス未収録の話が頻繁に存在していました。
今回は「ジャスティ」です。
作品は少年サンデーコミックス全５巻で８４年に完結しましたが、その後アニメになる事になり、ジャスティ特別編という５０ページの作品が８５年の７月号に掲載されたのです。
「ジャスティ」という作品は宇宙を舞台にした超能力アクションものなのですが、よく「超人ロック」と比較される事が多いようです。
作者の岡崎つぐお氏の美麗なタッチと相まって、人気も高い作品でした。

その後、コミックスはスコラからも出版されているのですが、こちらは自分では読んでいないので今回の「特別編」が収録されているかは不明です。
また、ウィキによるとさらに未収録作品が存在するみたいです。

という事で８５年のアニメ化記念で描かれた「ジャスティ特別編」５０ページを簡単に紹介します。

銀河系最強の超人ジャスティ・カイザード。
彼は常に犯罪超人（クリミナルエスパー）に狙われていた。
今回の彼等のターゲットはジャスティの義妹アスタリスだ！！

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アスタリスはジャスティがかつて殺した犯罪者の娘で、現在は彼の妹として預かっている少女。
今では幼い性格に強力な超能力を持つ彼女は、姉ジェルナと共に大切な家族である。
そんなアスタリスに犯罪超人の手が伸びる！

コズモポリスのレクター司令からジャスティに指令が出る。
アスタリスを守れるのはジャスティしかいない！

犯罪超人のテレパシーの影響で苦しむアスタリス。
そしてとうとう、ジャスティに対して牙をむく！！

強大なアスタリスのパワーは、まともにはじく事は出来ない。
強大なパワーを全て受け止めるのみ！

ジャスティは不死身だ！
かくして、犯罪者を追い詰めるのであった。

ボスキャラに対して文字通り「頭をつぶした」ジャスティ。
一件落着。

かくして彼の家族は守られたのだった。

っという事で、実はアニメになった話を使った作品なのです。
元々の話はコミックス１巻の「アスタリスの涙」なのですが、アニメとして見やすい様に態勢を整えた様です。
現在、コミックスもアニメになったビデオも中々見る機会はないかもしれませんが、もし見かけたらチェックしてみて下さい。

ちなみに、掲載された号にはこんなプレゼント告知がありました。

うおおお――ッ！！
県立地球防衛軍のＴシャツ欲しい―――ッ！！

って、自分応募してないじゃん（苦笑）。
（応募券ついたままだよ…）

【関連記事】
◎ジャスティは以前劇場公開されていた

ジャスティ [少年向け：コミックセット]
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師匠・水木しげるが描いた弟子・池上遼一伝

ゲゲゲの鬼太郎が４月からＴＶアニメとして復活しました。
それを祝しまして、ちょっと水木しげるネタを出しておきます。

当サイトではずっと野中英次先生を持ち上げて来ましたが、そもそものなーのギャグは池上遼一先生の絵柄でやっているところがポイントになっています。
では、池上先生の師匠は誰だったのでしょうか？
それが水木しげる先生だった様なのです。

それが何故分かるのかと言うと、水木先生自身による「池上遼一伝」なるマンガが存在するからです。
この３２ページのマンガは昭和５０年の少年サンデー増刊号に掲載されたそうで、昭和５６年に発売された「水木しげる幻想と怪奇」第７巻「落第王」に収録されています。
とはいえ、現在どこかで読めるのかどうか、全く分かりません。
自分が見た限りでは、この本でしか確認出来ませんでした。

という事で、このレアなマンガを簡単にレビューしてみます。

タイトルは「漫画狂の詩－池上遼一伝－」。
そもそも、幻想でも怪奇でもないのに、このシリーズに収録されている理由がよく分からないんですよね（苦笑）。
伝記ものは、よく本人もしくはアシをやっていた作家が持ち上げる為に描く事が多い気がするのですが、師匠が弟子について描くというのは珍しい気がします。

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池上氏は、当初山本と猫田という人物と漫画を描く為に田舎から出てきた様です。
山猫プロという名前でスタートした様ですが、お金がなくて質屋に入り浸りだったみたいです。

仕事がろくにない為、池上氏の持っていたギターを質屋に入れ、それでも空腹に耐えられずはいていた靴まで質屋に入れてしまったとか。
相当厳しい生活をしていたみたいですね。

結局、家賃も３ヶ月滞納して追い出される事に。
あえなく山猫プロは解散してしまいました。

その後、看板屋に戻ったものの、六畳に７～８人で寝る生活に四苦八苦。
夜トイレに起きると、もう寝る場所がなかったとか。

電気をつけていると怒られる為、時間を制限される状況ながら、何とか投稿作品は描いていた様です。

そして、

それが水木先生の目に止まりました。
かくして１ヶ月の後、池上遼一は上京して来たのです。

当時の水木プロの面子は色々と楽しいものがあった様です。

いきなりインキンの話を持ち出す森山君。
人にタバコの煙を吹き付ける豊川君もスゴイですが、

牛乳配達をしていて、一日中牛乳を飲んで生活しているという五郎君はスゴイ。
何でもアシでも何でもなくて、勝手に住み着いているそうです。
かくして、みんなの協力で追い出される事に（苦笑）。

半年がたち、映画を見にいった池上氏は「座頭市」にはまったとか。
その他では、大阪の看板屋の話をよくしていたそうです。

ビルの６階から転落した人がいたそうなのですが、「根性で生き返りおった」そうです。
スゴイ話だよな～（苦笑）。

インキンの森山君が首を吊った？
この話は続きがない為、本当に首を吊ったかどうかは不明です。

そして、池上氏にも春が（笑）。
しかし、浮かれてばかりではいられませんでした。
田舎から電報が届いたのです。

この作品の中で２回帰省していますが、この時期、父親の容態はあまりよくなかった様です。

森山君に続いて茂毛君が自殺？
みんなで京王線の線路や多摩川あたりを探す事に。
（この結果は不明。）

そして唐突にその時は訪れました。

編集長と会う事に。
かくして、池上氏のデビューが決まりました。

唐突にお姉さん（電報）が登場。
かくして、巨匠・池上遼一は誕生したのでした。

とまあ、こんな感じの作品です。
最近、島本和彦先生が「マンガ界は甘い」とか言ってたりしましたが（笑）、恐ろしく厳しい時代があった様です。
そんな厳しい時代を生き抜いてきたからこそ、水木先生や池上先生といったベテランの作家たちは、巨匠と呼ばれる存在になったのかも知れませんね。

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◎Ｓ４１年版「べとべとさん」～夢も希望も萌えもなし！？
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池上遼一ウィキ
水木しげるウィキ

ゲゲゲの鬼太郎 1 少年マガジン/オリジナル版 (1) 水木 しげる

コミックス未収録の「鉄腕バーディー特別編」とは！？

週刊ヤングサンデーで好評連載中の「鉄腕バーディー／ゆうきまさみ」のアニメ化が進行しているそうです。
過去に全４巻でＯＶＡ化された経緯があり、今回のアニメ化の話も“満を持して”といった印象を受けます。
当時はパトレイバー、アッセンブルインサート、究極超人あ～ると次々にアニメ化された関係もあって、ゆうきまさみ氏とアニメ業界は良好な関係にある様です。

そんな鉄腕バーディーですが、当然ながら現在連載されているものが初めて描かれている作品ではなく、ＯＶＡになった時期には週刊少年サンデー増刊号にて連載が行われていました。
その内容はコミックスが出ているので今でも古本屋等で見る事が出来るのですが、見ると分かる様に第１巻と表記されています。
では第２巻はどうしたのか？
実は出ていないのですよ。

という訳で、旧作の鉄腕バーディーにはコミックス未収録話が存在します。
検索すると分かるのですが、特別編として全４話が未収録となっており、現在も何処のコミックスにも収録はされていない様です。
自分は当時週刊少年サンデー増刊号を購読しており、こういった作品はスクラップ等で保有していまして、今回ちょっと紹介してみようかと思った次第です。

とりあえず、パッと見つかったのが３話分です。
たぶん４話目もあると思うのですが、すぐには見つからないかと思うので（苦笑）とりあえずこれだけでも紹介してみます。

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鉄腕バーディー特別編「千年の鼓動」
週刊少年サンデー８６年２月増刊号掲載

千年ほど前に鬼が現れ、常陸介惟家によって退治されたといういわくのある地にスキーにやって来た千川つとむと母と姉の３人。
しかし、来てそうそう何やら騒がしい様子。

巨大な鬼のミイラが出現したのだという。
ホテル経営者の息子・惟光はＴＶクルーの依頼で、代々伝わる「宝珠」を持ち出していた。
そしてそれを鬼の胸にあった穴に入れると、スッポリと収まってしまった。
「見たまえ！胸の穴は宝珠のサイズとぴったりだ。」

しかし、同時に不気味な鼓動が聞こえて来るのだった…。

一方、バーディーたちは入浴タイム。
わざわざ女の姿になって、風呂に入ります（笑）。
その風呂には先につとむの姉のはずみが入ってたのですが…。

突然の鬼の襲来！！
バーディーは戦闘モードにチェンジして戦います。
そこへ駆けつけた惟光君。
「宝珠を抜き取るんだ！」

何とか倒したバーディーたちであったが、発掘現場の人たちは救えなかった様子。
惟光「結局…現代人の浅知恵がせっかくのご先祖の知恵を無駄にしちまったんだ！」

かくして、特別編・第１話が終了です。
続いて第２話。

鉄腕バーディー特別編「幻の潮騒」
週刊少年サンデー８６年９月増刊号掲載

海に行く事になったつとむとその友人たち。
今連載しているバーディーとは面子がかなり違う様子です。
正久保が言うには、泳ぐ穴場があるとの事だったが、行ってみると遊泳禁止区域になっていた。
しかし、何故禁止になっているのかは不明瞭で、どうもヤクザの様な連中が絡んでいる様子。
つとむたちは少し離れたところで泳ぐことになった。

という事で、わざわざバーディーの為に女性水着を買ってやって泳がせてあげる事になりました（苦笑）。
しかし、どうにも解せないバーディーはこっそりヤクザな連中を調べようとする。
その時不思議な少女と出会うのだが…。

バーディーは結局アッサリ見つかって逃げてしまうのだった。

その夜、地元では幽霊が出る話を聞かされるつとむ。
どうしても近づけたくない理由があるとバーディーは考える。

そして深夜の海に入るのだが…。

そこで見たのは、政治家の隠し財産だった。
ヤクザな連中は神代代議士のボディガードの様な者たちで、バーディーはこれを一蹴する！
そこへ昼間の少女が再び登場。

謎の少女「大賀郷子」は闇夜に消えていった…。
少女の正体…それは以前金塊を見つけてしまった事で、口封じで殺されてしまい、思いを伝えようとさまよっていた幽霊だったのだ…。
別れ際に彼女から渡されたブレスレットは、ピカピカだったはずが翌日見るとボロボロに錆びていた。

これで第２話が完了。
続いて第３話。

鉄腕バーディー特別編「オールグリーン」
週刊少年サンデー８７年２月増刊号掲載

今回はバーディーの子供の頃の話です。
実は、現在ヤングサンデーで同内容の話が作られました。
すなわち、この第３話はそれの雛形にあたる訳です。
今回はスケルツォ教官とメギウス警部が登場です。
この二人は現在の連載でも出ていますが、やはりこの頃のデザインは少々印象が異なりますね。

カプセル内で回復を待つバーディーに対して、スケルツォとヴァイオリンの二人。
照れくさいと退散したスケルツォはメギウスと父親談義。

そこへ謎の爆音が響く！！

テロリストであるクリステラ・レビが襲来！！
強力なロボット兵士の様なものを送り込んで来る。
警察本部内でヴァイオリンを探すバーディー。
だが見つけた時、すでに彼女は亡くなっていた…。

メギウスやスケルツォも戦った様子。
結構珍しいかも（苦笑）。

そして、

怒りのバーディーはひとりで倒してしまうのだった…。

この事件がきっかけで、レビを逮捕するにはイクス系アルタ人が望ましいという事になり、バーディーは辺境の星・地球に行く事になったのである…。

という事で、３話分のレビュー完了です。
たぶん何処かに４話目も埋まっているはずですので、もし見つけたら追加レビューしたいと思います。

昔のサンデーの作品にはコミックス未収録が実に多いんですよね。
何故なら、連載が完了してコミックスが全○巻と完結した後で、「特別編」と称してサンデー増刊号に新たに掲載されるケースが非常に多かったのです。
「炎の転校生・怪獣戦闘」（後に文庫等に収録）や、「ちょっとだけ帰って来た県立地球防衛軍」とか、色々あるんですよ。
後で文庫版とか出るとフォローされる事もあるのですが、出ないとそのままだったり…。
個人的に気になっているのが「ジャスティ特別編」。
あれって、後で何かに収録されたのでしょうか？
ウィキによると、さらにリイドコミック版があるそうなんですが…。
色々気になるところです。

まあ、それはともかく早くアニメ「鉄腕バーディー」は見たいですね（苦笑）。

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お色気盛り沢山だった８０年代の月刊少年ジャンプ

昼間、長い事ほったらかしだった倉庫を掃除したところ、記憶にないダンボールを発見しました。
「何だったっけ？」と恐る恐る開けてみたら、何と出てきたのは昔の月刊少年ジャンプ！！
８５年５月号～８７年５月号までそっくり出てきたんですよ！！
これは嬉しい驚きでした。

何せ、今特に話題になっている月刊少年ジャンプです。
しかも売り上げが好調だった時代のものです。
「一体、今のジャンプとどう違うのかな？」と見てみたところ、これまたビックリ！
やたらとお色気盛り沢山の内容だったのです！（苦笑）

懐かしさとあわせて、今回は８５年５月号～１２月号についてちょっと語ってみたいと思います。

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この時期の人気作のひとつが、この「ボクの婚約者／弓月光」です。
現在、ビジネスジャンプで「甘い生活」を長期連載している同作者ですが、この頃はまだ少女マンガから青年誌に出てきた頃の作品で、少年誌でも連載を始めました。
この５枚のカラー原稿を見ると分かりますが、何と５ヶ月連続カラーをやっていました。

とにかく、お色気作品の代表と言える作品で、現在の月刊少年ジャンプでは考えられない感じがします。
この作品のみならず、女性の裸体がやたらと目に付く印象で、乳首もモロに描かれている状態です。
青年誌と大差ないと思いません？（苦笑）

みやすのんきの「やるっきゃ騎士」もやたらとエロエロ。
毎回、出て来る女性の全裸率はかなり高いです。
どうやって脱がせるか？というのが作品の主題だったのかな？

男性の欲望に忠実とでも言うべき展開がやたらと出て来る作品で、この作品の存在は月刊少年ジャンプの読者年齢を上げていたのではないでしょうか？

あろひろしの「優＆魅衣」も基本はギャグでありながら、女性はやたらと脱げていた印象です。
今にして思えば、Ｈ系の作品に行ってしまったのも無理からぬ事だったのかも知れません。

やたらと色っぽい仕草をする女性達。
乳首もやたらとしっかり描かれています。
でも彼の基本は不条理なギャグですので、多少やりすぎな感はありますね（苦笑）。
丁度５月号で小谷憲一が読みきりの続編を描いていました。
最近ではスーパージャンプ「ＤＥＳＩＲＥ」でエロ系の作品を描いていますが、この頃の作品にもそれが読み取れます。

子供が見るにはちょっとイケナイ感じが好奇心をそそります。
中心となる連載陣だけでなく、こういった読みきり作品も色気のある作品が多々ありました。

８月号では今西まさおによる読みきり「どっきりマイクローン」が掲載されています。
この作品は８６年１月号から本格連載がスタートしました。
この作品も、「いかにして女の子にＨな事をするか？」というのが主題になっている感じで、お色気作品の一翼を担っていました。

と、まあそんな事ばかり言っているとＨな話題しかないのかと思われてしまいますが、ちゃんと少年誌の王道とも言うべき作品も多数あります。
サッカーマンガとして長期連載された「イレブン」８５年５月号から連載がスタートしています。
この作品はかなり好きだったのですが、９０年代に入ってＪリーグが出来てからＪリーガーのニセ者みたいのがゾロゾロ出てきて笑って読んでいましたよ（笑）。
高橋よしひろといえば「銀牙」が有名ですが、月刊少年ジャンプの「ヤマト」も代表作のひとつです。
「銀牙」がアニメになったせいで、こっちの作品は忘れられてしまった感がありますね。
手塚先生も勿論この頃はご存命です（苦笑）。
７月号では読みきりを発表しています。
確か、コミックスが出ていたはずです。

現在も続いている長編サッカーマンガ「一斗」も９月号から連載がスタート。
これだけ長く続いている作品だけに、月刊少年ジャンプが休刊になった際の今後が心配です。
同作者の打ち切りマンガ「アルバトロス飛んだ」ってみんな知ってます？（苦笑）
１２月号では秋本治「ミスタークリス」が初登場しています。
最近、続きが描かれていないのが気になりますが…また新作が読みたいですね～。

８５年５月号の目次がこれです。
懐かしいラインナップについ頬が緩みます。
みやたけしとか、メチャ好きだったんだよなあ～（笑）。
やたらバイオレンスな「マンモス」とか、もう一度読んでみたい気がしますね。

確かこれ以前の月刊少年ジャンプもあったはずなのですが、これだけでも出てきたのが奇跡なので（笑）難しいかな？
広告によると、ビジネスジャンプもこの頃に創刊されていた様です。

思うに、売れていた頃というのは年齢層が高かったと思うのですが、何故今の様に下がってしまったのか？
色々気にはなりますが、すでに休刊が間近の月刊少年ジャンプ…今後の動向も含めて見守って行きたいと思う所存です。

【関連記事】
◎さらば月刊少年ジャンプ！～休刊雑誌の記憶

月刊 少年ジャンプ 2007年 05月号 [雑誌]

ボクの婚約者(フィアンセ) (1) 弓月 光

優&魅衣 [文庫版：コミックセット] あろひろし

どっきりマイクローン [少年向け：コミックセット] 今西まさお

やるっきゃ騎士 [少年向け：コミックセット] みやすのんき

松本めぐむ（現・尾瀬あきら）が描いたコミック版「鋼鉄ジーグ」のスゴイ中身

３０年前に放送された「鋼鉄ジーグ」が「鋼鉄神ジーグ」としてこの春より復活する事になりました。
以前の作品の５０年後となるそうですが、昔のアニメを知っている身としましては、色々と心配でもあります。
まあ、以前のアニメを知らなくても大丈夫な展開にするとは思いますけどね（苦笑）。

永井豪の代表作のひとつである「鋼鉄ジーグ」は、当時いくつかのコミカライズもされていた様です。
そのひとつが松本めぐむ（現・尾瀬あきら）によるものですが、実はコレが結構スゴイんですよ！（笑）

今回は、この松本版「鋼鉄ジーグ」の一部を紹介してみます。

邪魔大王国のイキマの銃撃を受け、ひん死の司馬宙（ひろし）は改造手術を受ける。
確かＴＶでは最初から人間ではなかった気がするのですが、松本版では改めてサイボーグになる展開でスタートしています。

戦うために生まれたと言っていますが、ついさっき改造された時からの間違いですよね？（苦笑）

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ジーグの合体シーン。
有名なマグネットでの合体です。
当時はコレにワクワクしました。
しかし、松本版では何故か定番のセリフ「ジーグ・パーツ・シュート！！」が一度も書かれていませんでした。
ダイナミックプロによるコミカライズ版では、安田達矢という作家が描いているのですが、さすがに本家本元らしく、そういった点ではアニメに忠実に描かれています。

合体シーンではこの様にセリフもバッチリです。

一方、松本版のマッハドリル。
ジーグは体のパーツを取り替えて戦うロボットなので、これを見た瞬間違和感がありましたね。

安田版ではこの様に腕ごと付け替えられています。

さて、松本版のコミカライズでは、実はスゴイ展開が待っていました。

敵の浮遊要塞を倒す為、自衛隊が提案したのは「アメリカに核爆弾を日本に落としてもらう」という、開いた口がふさがらないとんでもないもの。
さすがにこの案は見送られ、提案した野々宮一佐は謹慎３ヶ月となるのですが…。

何と、とんでもない行動に出ました。
国際社会的にも日本の危機です！！（苦笑）

結局、ジーグは野々宮機を撃墜するのですが…。

さっさと頭を切り替えて、自分のした事を棚に上げる主人公なのでした（苦笑）。
相手のせいにしてるけど、それだと「核を使おうとした彼の勇気は見事だった」って事になるんじゃないの？
何か、色々マズイ気がするんですが（苦笑）。

敵のボスキャラである女王ヒミカに双子の赤ん坊がいる事が発覚！！

すると…。

主人公、殺る気まんまん！（苦笑）

一時は躊躇するものの、結局無抵抗な赤ん坊にスピンストーム！！

罪を憎んで人を憎まずではないらしい…（苦笑）。

さすがにヒミカは怒ります。
がんばれヒミカ！

って違っ！（笑）

倒された後は、竜魔帝王に後をたくすのでした。

この設定もアニメと違うんだよなあ。

竜魔帝王の攻撃に日本政府は降伏してしまいました。
ジーグはガマン出来ずに単独で竜魔帝王に挑み、倒すのですが…。
ラストは急転直下といった印象で、アッサリ決着がついた印象ですね。

さて、一方安田版はどうなったかと言うと…。

人間爆弾作戦とかやっています。
あの名作「無敵超人ザンボット３」で有名な作戦ですが、それよりずっと以前に描かれていました。

さらに宇宙から「神」を名乗る強敵が襲来！！
これなんかはもうデビルマンの世界に近いですね。

新たな敵リュウマ帝王は、アニメ同様ヒミカの敵として登場しています。
絵的にも永井豪を強く感じさせてくれるシーンです。

さて、いよいよ放送もせまって来た「鋼鉄神ジーグ」。
これからどんな姿を見せてくれるのか注目しましょう！！

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◎８０年代の惑星探査計画が反映された尾瀬あきらＳＦ続編「とべ！人類Ⅱ」
◎「とべ！人類」が残したもの～尾瀬あきら氏小学館漫画賞受賞

鋼鉄ジーグ
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さらば月刊少年ジャンプ！～休刊雑誌の記憶

発表されたニュースによると、あの「月刊少年ジャンプ」が休刊する事になったそうです。
自分はと言うと、あの「ガッツ乱平」や「白い戦士ヤマト」の頃から買い続けている訳で、かれこれ２０年以上の付き合いになりますから、今回の発表に動揺せざるを得ません。
伝え聞くニュースによると、一時は１５０万部もあった部数が４０万部を切るまでに落ち込んでしまったとか。
実際の話、それ以下の部数の雑誌がいくらでもありそうなのに休刊の決断をしてしまうのは少々気が早い様な気もしなくはありません。
ですが、集英社としては恐らくジャンプブランドのイメージ低下を恐れたのかも知れません。

ここで気になるのが、秋に出る新雑誌です。
「基本的に全連載の終了を予定」しているそうなのですが、さすがにそれはないんじゃないでしょうか？
休載している「冒険王ビィト」やアニメになる「クレイモア」、「ギャグまんが日和」、「一斗」、「テガミバチ」、「黒姫」、「ロザリオとバンパイア」など、人気作も決して少なくなく、新雑誌をスタートするにしても、この中からいくつかは引き継いだ方が販売に有利に働くと思うのです。
過去に休刊になった雑誌はそれこそ沢山ありますが、大抵は「優良コンテンツの移籍」が行われました。
果たして新雑誌に移籍して連載を再開する作品はあるのか？
自分の所有する過去の休刊雑誌をいくつか見て、検証してみたいと思います。

ＥＮＤ－１　『月刊少年ブラッド』
（０６年１１月号で休刊）
まだ記憶に新しい「月刊少年ブラッド」です。
結局１年ともたずに休刊してしまいました。
休刊後の措置として、「続きはwebｗで」というのは正に新時代のやり方かも知れませんが、雑誌創刊時にそんな事を考えているはずもなく、ヤフーで再スタートする事になったのも「結果としてそうなった」感は否めません。
ただとりあえず、連載作品は守られたので良かったとは思います。
後は「web連載」という形が、どれだけの成功を収めるかですね。

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休刊号で巻頭カラーになったのは連載３回目の「デルタサーガ」でした。
当然コミックスになるだけのページ数に至ってはいない訳で、まだ何も始まらないウチの休載になった格好です。
今後に期待しましょう。

月刊少年ブラッド5月号+表紙テレカセット

ＥＮＤ－２　『コミック電撃帝王』
（１１号で休刊）
月刊コミック電撃大王の増刊号という形でリリースされていた、「コミック電撃帝王」です。
当初は結構厚い雑誌たせったのですが、どんどん薄くなっていったのが印象深いですね（苦笑）。
本誌連載の「かしまし」の番外編などを掲載する事もありましたが、部数が伸びなかったのか休刊する事に。
連載陣の中では、「シャイナダルク」が本誌「コミック電撃大王」に移籍、「こはるびより」は「電撃萌王」でも連載、「戦え萌えファイト」は他の電撃系への移籍を示唆していました。
それ以外の作品は全て終了しています。

「それいけ！ポストちゃん」より。
休刊をネタにするのはこういう時くらいなので、貴重だとは思います（苦笑）。

電撃帝王 2007年 01月号 [雑誌]

ＥＮＤ－３　『ヤングマガジンアッパーズ』
（０４年２１号で休刊）
隔週刊の雑誌「アッパーズ」です。結構気に入っていたので休刊の時はショックでしたね。
優良コンテンツも多く、いくつかの作品が移籍しています。
「ＲＥＤ」「Ｒ－１６」「ＳＵＧＡＲ」が「週刊ヤングマガジン」に、「餓狼伝」が「イブニング」に移籍しました。
この最終号の特集は面白く、「各作家が別の作者の作品を描く」という企画をやっていました。
そもそも表紙が池上遼一先生の「大市民」ですし、はっとりみつる先生の「バジリスク」や、堂高しげる先生の「Ｒ－１６」など、見所も多い企画でした。

アッパーズは好きな作品も多かったのですが、特にネタ漫画「全日本妹選手権」は好きでしたね（苦笑）。

で、終了間際で一番好きだったのは「ジョバレ」でした。
バレーボールのスーパースターの彼氏が死に、その足の筋肉を移植された少女が女子バレーで輝き始める…というところでの連載終了はさすがにガッカリしました。
現在、月刊少年シリウスで「西遊記」を連載していますが、主人公が三蔵法師の妹という設定に心躍っています（笑）。

ジョバレ 1 (1) 白井 三二朗

危ないものでもネタにする「全日本妹選手権」。
最終回の「男坂ネタ」は知っている人なら爆笑必至です（笑）。

全日本妹選手権　Vol.1 アッパーズKC 堂高 しげる

ＥＮＤ－４　『月刊コミックＧＡＴＴＡ』
（０１年７月号で休刊）
結局１年半しか続かなかった「コミックＧＡＴＴＡ」です。
一番の目玉作品は「新宇宙戦艦ヤマト」。
スタート当初はアニメ化の話もありましたが、いつの間にか何処かに行ってしまいました（苦笑）。
最終号の巻頭カラーは麻宮騎亜先生の「えびるクン」。
この後で「焼きたて！！ジャぱん」で有名になる橋口たかし先生の「シザース」の他、西条真二、瀬上あきら、塩崎雄二、ロドリゲス井之介、あおやぎ孝夫先生等、それなりにメンツは揃っていたとは思うのですが、思う通りにはいかなかった様です。
結局、全連載が終了しております。
目玉の「ヤマト」も結局頓挫してしまいました。
古代進の子孫が主人公なのはいいのですが、ヒロインが森雪の子孫って事は結局「初代ヤマト」でふたりは結ばれなかったのでしょうか？（苦笑）

新宇宙戦艦ヤマト (1)
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ＥＮＤ－５　『エース特濃』
（０４年８月号増刊で休刊）
月刊少年エース増刊号として発行されていた「エース特濃」です。
全体的に重い印象の雑誌でしたが、「黒鷺死体宅配便」「探偵儀式」など一部の作品は本誌に移籍しました。
一方で、現在ヤングガンガンで活躍中のくぼたまこと先生の「指輪物語」や、葉月京先生「イヌネコ」など色っぽい作品もあり、結構楽しみにしていたのですが…。
巻末では新雑誌「コミック新現実」が発表になっていました。

comic新現実―大塚英志プロデュース (Vol.1)

ＥＮＤ－６　『ビッグゴールド』
（９９年３月号で休刊）
通向けといったニュアンスのあった「ビッグゴールド」です。
目玉は「銀河鉄道９９９」の新シリーズ。
他にも水島新司、高井研一郎、横山光輝、水木しげる、ジョージ秋山先生など、名前を聞くだけで唸ってしまうラインナップ。
当時、この雑誌が休刊になった時は本当にガッカリしましたね。
水木しげる先生の新作なんて、中々読む機会なんてないですからね。
最終号も当然ながら、「９９９」 が巻頭カラーでした。
この後、インタビュー記事があり、「９９９はインターネット連載へ」と謳っています。
事実、雑誌連載分は２０巻までであり、その後も何冊か発売されています。
ただ…ちきんと完結するのかは少々疑問ではあるのですが（苦笑）。

銀河鉄道999 (20) 松本 零士

ＥＮＤ－７　『ヤングクラブ』
（９１年８月増刊号で休刊）
「まんがくらぶ」の増刊号として発売された「ヤングクラブ」です。
といってもこの雑誌…わずか３号しか出ていません！（苦笑）

何故こんなマイナーな雑誌を買っていたかというと、当時島本和彦先生に夢中になっていた時期でして、現在「サンデーＧＸ」で連載している「吼えろペン」の前作に当たる「燃えよペン」が連載されていたからです。
ですが、１巻が出たばかりなのにいきなり休刊になってしまい、この号に掲載されている話は結局コミックス未掲載になってしまいました。
（後日完全版としてフォロー）
他の連載作家はほりのぶゆき、唐沢なをき、土田世紀、内田春菊、鈴木あつむ先生など。
当然ながら、全作品打ち切りです（苦笑）。
この最終号の目玉が島本和彦先生と高橋留美子先生の対談でした。
何と６ページに及びます。
やるなあ竹書房～！（笑）

燃えよペン 島本 和彦 関連商品 吼えろペン 1 (1) 吼えろペン 2 (2) 吼えろペン 3 (3) 吼えろペン 4 (4) 吼えろペン 5 (5)

ＥＮＤ－８　『ヤングキャプテン』
（８８年３号で休刊）
この「ヤングキャプテン」という雑誌は、「月刊少年キャプテン」の増刊号という位置付けで、隔月刊として発売されました。
が、これもまた３号で休刊する事に。
この雑誌がちょっと普通と違うのは、この号で終わる事を告知していない事です。
「結果として４号目が出なかった」という訳で、全部の連載がまだ途中といった状態のまま終わっています。
この最終号の表紙は島本和彦先生の「仮面ボクサー」。
というよりも３号全てが「仮面ボクサー」です（苦笑）。
コミックスは、連載の３話分に追加する形で発売されています。
尚、他の連載作家はあろひろし、星里もちる、宮原ナオ、唐沢なをき先生など。

この雑誌で連載していたあろひろし先生の「若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味」は、３話以降は本誌少年キャプテンで掲載されたと思いますが、コミックスでは上の様に説明がされていました。
星里もちる先生の「いきばた主夫ランブル」もエピソード追加でコミックスになっていますね。

仮面ボクサー
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ＥＮＤ－９　『ミスターマガジン』
（００年３号で休刊）
創刊号からずっと買っていた「ミスターマガジン」も休刊しました。
この雑誌については色々とありますが、後期になってお色気がやたらとパワーアップしていましたね（笑）。
八神ひろき「Ｇ－ｔａｓｔｅ」と唯登詩樹「ＹＵＩ ＳＨＯＰ」は時々度が過ぎた印象も。
最も、このふたつは他誌で生き残った訳ですけどね（苦笑）。
最終号の巻頭カラーは「野球狂の詩平成編」でした。
一応この回で最終回になってはいるのですが、「新野球狂の詩」として「週刊モーニング」で再スタートしています。
他の連載作家では「ガンダム」の安彦良和、倉上淳士、もとはしまさひで、山口譲司、郷田マモラ先生など。

そして、忘れちゃいけないこのお人です（笑）。
あの野中英次先生の出世作「課長バカ一代」もこの回で最終回になってしまいました。
かなり楽しみにしていただけに、休刊は本当にショックでしたね。
作者のコメント「べつにいいや」って、今と何も変わってませんね（苦笑）。
コミックスではカットされていますが、当然ながら担当のツッコミがハシラ部分に書かれています。
「クロ高」で掲載されて始めてツッコミの重要性に気がついた訳ですが、「未来町内会」ではカットされているあたり、昔に戻ったという事なのでしょうか？（苦笑）

課長バカ一代 1 (1) 野中 英次

さて、次はＥＮＤ－１０…と行きたいところなのですが、すみません…これ以上部屋から見つかりませんでした（苦笑）。
自分の記憶では「ドラゴンジュニア」「コミックバーガー」「少年ビッグコミック」の休刊号は残っているはずなのですが、いかんせん、古すぎて押入れの何処にしまったのか全く分からなくなってしまいました。
逆に創刊号は色々と見つかったのですけどね（苦笑）。
「少年王」「別冊コロコロコミック」「スーパージャンプ」「ヤングサンデー」「ウルトラジャンプ」など、この辺は創刊号がちゃんと残っているのを確認しました。
本当は「コロコロコミック」も創刊号から５０号あたりまで買っていたのですが、中学の頃に全部処分してしまったのですよ…（涙）。
創刊号のドラえもん２００ページというのが印象的でしたね。

さて、そんな創刊号からこれをちょっと紹介します。
「週刊ヤングサンデー」です。
何故これを紹介するかというと、この雑誌はちょっと他の雑誌とは誕生のいきさつが異なるからです。
前身となる雑誌は隔週刊の「少年ビッグコミック」というまぎれもない少年誌。
それが週刊で青年誌に変わるというのですから、連載陣にもかなりの影響があったと見るべきでしょう。
「少年ビッグ」から引き継いだのは、小山ゆう「お～い！竜馬」原秀則「冬物語」六田登「ＴＷＩＮ」野部利雄「ミュウの伝説」細野不二彦「東京探偵団」の５本。
どれもそうそうたる作品です。
これに加わった新連載陣は喜国雅彦、内田春菊、あろひろし、北崎拓先生など、ちょっとＨな作風のある作家さんたちで、明らかに雑誌のカラーが変わりました。

さて、ここまで長く語りましたが、結局のところ集英社の新雑誌がどういうものかである程度移籍漫画が決まる気がしています。
すなわち、あくまで少年誌なのか？それともやや年齢層を上げるのか？

８０年代末の頃は今の月刊少年ジャンプよりも、年齢層が高く感じます。
弓月光先生やみやすのんき先生など、明らかに読者年齢を上げていましたからね。
現在の月刊少年ジャンプはというと、カードゲームであるとか、明らかに低年齢化している気がするのです。

新雑誌がどうなるのかは分かりませんが、出来ればやや年齢層を上げてみたらどうかと思うのですが…まあ、余計なお節介かも知れませんね（苦笑）。
ちょっと思いましたが、新雑誌は「ＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲ」の復活連載とか目玉にしたらいいんじゃないでしょうか？

「ゲゲゲの鬼太郎」またまたまたアニメ化！！

皆さんは「墓場鬼太郎」という作品を知っているでしょうか？
何度もＴＶアニメ化され、今度実写で劇場公開もされる「ゲゲゲの鬼太郎」の前身にあたる作品で、作者である水木しげる氏が昭和３０年代の貸本漫画時代に描いたかなりレアな作品です。
そのレアな漫画が角川文庫から全６巻で発売されました。

自分は原作の、それもオドロオドロしい鬼太郎が大好きでした。
「鬼太郎」の特に初期の原作といえばアニメとは異なり、かなり「悪」の部分が存在しています。
（アニメ（特に第３期以降）ではそういった部分を色々と修正して作られていた感じがしています。）
原作の鬼太郎はタバコも吸いますし、人も殺したりします。
戦後の復興する日本という背景で描かれたという事もありますが、水木先生の必死さが伝わる初期の傑作といっていいでしょう。

その最終巻である第６巻が１／２５に発売され、自分も買ったのですがそのオビの部分にこんな表記がっ！！！

ゲゲゲの鬼太郎またまたまたアニメ化ですっ！！！

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実写映画化の影響なのでしょうか？
ＴＶアニメか劇場アニメかこれだけでは分かりませんが、今後の続報が楽しみです！！
（２月下旬発売の季刊怪にて発表との事）

近年、ＭＯＮＳＴＥＲやデスノートが深夜で放送され、本格派の漫画作品を原作に忠実に作るという傾向がありますが、今回のアニメ化は通算５度目（地獄編を別に数えるなら６度目）ですし、恐らく今までと同様に子供を対象とした作風になるのは間違いないでしょう。
自分としては、一度くらい原作に忠実な、言わばＯＶＡ的な鬼太郎を見たい気もしています。
「ドロロンえん魔くん」のＯＶＡ「鬼公子炎魔」が中々面白かったので不可能ではないかと。

今回「墓場鬼太郎」が出た事ですし、いっそ原点に帰ってみてはどうでしょうか？

ちなみに画像はこんな感じになります。

このふたつを見比べて「アレ？」っと思う事でしょう。
鬼太郎の特徴である「片目」に、左右バージョンがあるのです！
基本的には「右目の鬼太郎」だとは思います。
が、話の途中で左右が逆になる事もあったりするのです。
まあ重箱の隅をつつくようなものなので、これ位にしておきますけどね（苦笑）。

ちなみにネズミ男は最初はこんな顔でした。

正に「ネズミ」男です！！
この顔が段々とゆるくなって、現在に至る様です。

「墓場鬼太郎」は「ゲゲゲの鬼太郎」の原点である事が、ストーリー的にも見受ける事が出来ます。
何度も登場する「鬼太郎誕生シーン」もそうですが、「吸血鬼エリート」の原点である「霧の中のジョニー」など、見比べると色々と楽しい発見があります。
そんな中から、自分の大好きな「鬼太郎夜話」のワンシーンを見比べてみましょうか。

まずこれが「墓場鬼太郎」

そしてこっちが「ゲゲゲの鬼太郎」です。

全く同じシーンなのですが、微妙に変えられています。
鬼太郎の原点を知る意味でも「墓場鬼太郎」は貴重な作品といえそうです。

ちなみに鬼太郎にはこんなレアなものもあります。
画像的にアレなんでサムネイルにしておきますが…。
マガジン・サンデーでの連載後、大人向けといえる「週刊実話」で連載されたシリーズがあるのです。
それは今までの鬼太郎の常識を超えた、やけにアダルトな鬼太郎でした。
（このシーンも全裸女性の姿をした「九尾のキツネ」と裸で取っ組み合いをしています（苦笑）。）
実はまだコレなんかはいい方で、目玉の親父が女性の××に入ってしまう話とか、子供向け（？）しか知らない人が読んだら卒倒ものの内容が目白押しなのです！
（実際レビューなどをしたい気もするのですが、思いっきり猥褻っぽいものもあるので、難しいですね（苦笑）。）

今回のアニメ化がどのような形になるのか分かりませんが、少なくてもこんなアダルトな鬼太郎にはならない事は間違いないでしょうね（苦笑）。

【２／２追記】
東映のサイトをチェックしたら鬼太郎のアニメ化が発表されていました。
ちょっと可愛いすぎない？（苦笑）
◎ゲゲゲの鬼太郎ついに５度目のアニメ化決定！！

ちなみに左が「鬼太郎夜話」が収録されたゲゲゲの鬼太郎サンワイドコミックス７巻で、右が通称「その後のゲゲゲの鬼太郎」と呼ばれる「新鬼太郎」を収録したシリーズです。
（クリックで拡大します。）

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「とべ！人類」が残したもの～尾瀬あきら氏小学館漫画賞受賞

過去、尾瀬あきら氏の「とべ！人類」「とべ！人類Ⅱ」を紹介しましたが、この作品は特別無名な作品という訳ではありません。
ただ、発表から２０年以上経ってしまった事、文庫版等での再発売がない事などから、若い世代にはなじみがないんじゃないかと思い紹介して来ました。

この作品は当時も高い評価を受けています。
それも、小学館漫画賞という結果を伴ってです。
上の画像は、ＣＯＭＩＣ ＢＯＸ’８６年５月号の第３１回小学館漫画賞の紹介記事です。
中央に座っているのが当時の尾瀬氏です。
（画像はクリックで拡大します）

尾瀬氏の他は室山まゆみ・川原由美子・岩重孝という中々の顔ぶれ。
尾瀬氏の受賞が輝いているのは、他の候補者を抑えての受賞だという事。
その当時の候補者は以下の通りです。

キャプ翼や北斗の拳を抑えているのですよ！
小学館関係者が優遇されるのはいつもの事とはいえ、該当者がなければ他社の作家でも受賞させる事があるのが小学館漫画賞です。
それなりに価値は高いはずです。

ちなみに前年の３０回の受賞者は「キン肉マン」ゆでたまご氏、「エリア８８」新谷かおる氏など。
明らかに一時代を作った作家ばかりです。
「とべ！人類」が文庫等で復活しないのが不思議なくらいですよ（苦笑）。

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尾瀬氏のプロフィールは誌上の発表によると以下の通りです。
昭和２２年京都府に生まれる。
石森章太郎・久松文雄氏らのアシスタントを経て、昭和４２年松本めぐむのペンネームで「山ざる大将」（別冊少年キング）でデビュー。
昭和５４年、「くたばれデート」で少女コミック新人賞準入選。
のち、尾瀬あきらと改名。

う～ん、少女マンガの頃の作品って、完全に幻かな～？（苦笑）

「いつまでもドキドキしながら描いていきたい」というコメントを残しており、現在の活躍につながっているのでしょう。
今後の氏の活躍を祈りつつ、「とべ！人類」の紹介を終わります。

尚、次のレア系紹介は、「冥王星コミック」のようなまとめ記事を予定しています。

８０年代の惑星探査計画が反映された尾瀬あきらＳＦ続編「とべ！人類Ⅱ」

前作「とべ!人類」が少年ビッグコミック増刊号に掲載されるや否や、反響を呼び、ついに続編が登場する事になりました。
完全新作として作られた事から、当然ながら絵柄も少し変化が見られましたが、少年ビッグコミック１９８４年８月増刊号より全４回での連載は、自分としてもかなり期待して読んだものです。

８０年代といえば、惑星探査機ボイジャーによる太陽系の解明の時代でもありました。
当時、木星から土星、天王星、海王星と次々に接近しては写真を送ってきたボイジャーにワクワクしたのを憶えています。

当然ながら、ＴＶの特番もビデオに録画しました。
【当時自分で録画した番組リスト】
◎『ボイジャー２号天王星に大接近』～８６ １／２６ ／ＡＮＢ
◎『天王星に大接近・ボイジャー２号宇宙の旅』～８６ １／２７ ／ＮＨＫ
◎『ボイジャー２号海王星へ大接近！』～８９ ８／２６ ／ＡＮＢ
◎『海王星大接近』～８９ ８／２８ ／ＮＨＫ
◎『太陽系ワイドスペシャル・ボイジャー２号宇宙人へのメッセージ』～８９ ８／２９ ／ＡＮＢ
木星の再接近写真を送ってきたボイジャー１号。
天王星や海王星にまで行ったボイジャー２号。
木星や天王星や海王星に輪がある事やら、天王星の地軸が大きく傾いている事など、当時はすごい衝撃でした。（参考：ボイジャー計画）

そんな当時の惑星探査ブームの象徴であるボイジャーが漫画に与えた影響も少なくはありませんでした。
実はこの「とべ！人類Ⅱ」では、このボイジャーが作品に生かされているのです。

今回はそんな「とべ！人類Ⅱ」を紹介して見ます。
【参照】
松本めぐむ（現：尾瀬あきら）が描くＳＦ巨編「とべ！人類」

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時は流れ、ホモ・サピエンス号内では争いが続いていた。
Ａ地区とＢ地区に別れ、食料を求めて互いに殺しあう不毛な世界と化していた。

仲間が殺され、タキは怒りのままにかたきを討とうと、Ｂ地区に突入しようとする。

リーダーに制止され、思いとどまるタキ。
だが、殺されたアヤの為にも、決着はつけなければならない。
タキは宇宙服に着替え、外からＢ地区に潜入を試みる。
そう、邪教・カノウプス教徒が巣くうＢ地区へ…。

Ａ地区は現在２８人。
Ｂ地区はその半分しかいないという。

武器を手に取り、雄たけびを上げるＡ地区の戦士たち。
そんな中、子供がおじいさんに質問をする。

かなりの時間が流れ、そこに何があったのかも分からなくなってしまったのだ。
彼らの言うカノウプス教徒とは何か？
それは、ありもしない楽園を信じ、現実から目を背けた堕落した人間だとＡ地区の者が答える。

反対側から潜入したタキは、見た事もないものを目撃する。

少女の目の前で人を殺すタキ。
だが、後ろから頭を打たれ気絶してしまう。

目を覚ますと、目の前にＢ地区のリーダー・ナギが座っていた。

すでに、船以外の世界が信じられないという事になっていたのである。

そんな中、Ａ地区の総攻撃が始まる。
少女はタキを連れ、最上階に隠れようとする。
そこには、年老いた老人が眠っていた。

そう、彼こそ前作の主人公・タクなのである。
夢の中で地球を思い出し、涙するタク老人…。

だが、周りの状況は、緊迫度を高めていく。

次々と死んでいく仲間達。
少女ミリは、何とか争いを止めさせたいのだが、タキは彼女の前でまたも人を殺してしまう。
やはり無理なのか…？

リーダーに何かあった時には、代わりにリーダーになるように告げられるタキ。
どうしていいか分からなくなったタキは、タク老人をこっそりと訪ねる。

タク老人は語った。
年を取るにつれ、激しい地球への郷愁がおそった事。
絶望感に発狂しそうになり、書庫を灰にしてしまった為、地球の歴史が失われた事。

一方、やられるばかりだったＢ地区の戦士・グンはダイナマイトを発見する。

もはや穏健なＢ地区のリーダー・ナギでも最終決戦の流れを止める事は出来なくなっていた。

そんな中、ミリはこっそりＡ地区にタキを尋ねてくる。
「タキ…私達の子供を生みましょう」
Ａ地区でもＢ地区でもない子供が必要なのだという。

ふたりの時が流れる…。

まわりの状況が悪化していた事も気づかずに…。

ダイナマイトで吹き飛ぶ第２ゲート！！

そんな中、Ａ地区のリーダーが命を落とす。

もはや、タキには逃げる道はなかった…。

感情のままに、ついにＢ地区リーダー・ナギを追い詰めるタキ。
だがその前に、ミリが立ちふさがる！

彼にはミリは殺せない…。

そんな中、パネルに巨大な影が映る。
そこには謎の探査機の姿が…。

タク老人は覚えていた。
回収されたそれは…。

懐かしい地球に触れるタク老人は歓喜の涙を流した。

懐かしい地球の音を聞くタク老人。
海の音…。
鳥の声…。
そして…。

タクは眠りについた…。

だがそこへＢ地区の残党がなだれ込んで来る。
気を失うタキ。

再び目を覚ました彼が見たものは…。

全滅した人類の姿だった。

ふたりで生きていこうと語り合うタキとミリ。
しかし…。

タキも死んでしまう…。

絶望したミリは自殺わ図るが、自分の体に新たな命が生まれつつある事を知る。

彼女は泣いた…。
いつまでも…。

もっともっといろんなことを一生懸命考えながら…。

と、いったストーリーが続編「とべ！人類Ⅱ」です。

手塚治虫の火の鳥を思わせる大きなストーリー展開に、前作とちょっと違うかな～という気もしましたが、これはこれで楽しませて頂きました。

このＳＦ作品が完結後、少年サンデーでリュウを描く事になったようですが、もうこのようなＳＦは描かないんでしょうかねえ？
再販もされていないようですし。

昔の作品をもっと手に取るチャンスを広げるべく、是非文庫化等での復活をお願いしたいものです。

最後に天王星の話題でひとつ。
ボイジャー２号により、天王星に輪があり、地軸がまるっきり寝てしまっている事から、転がるような自転をしている事が分かった訳ですが、それらが作品で生かされたのはあまり見た事がありません。
自分が知っているものでは、あのセーラームーンでセーラーウラヌスが技を使うのですが、

この画像では全く分かりませんが、アニメでは輪のついた天王星が突進していくイメージ画像になっていて、途中で惑星が縦回転になるのです。
「おおっ！反映されている！！」っと、ちょっと感動したのを覚えています。

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松本めぐむ（現：尾瀬あきら）が描くＳＦ巨編「とべ！人類」

名作夏子の酒や、最近では蔵人など、人情派の作風で知られるマンガ家・尾瀬あきら。
そんな氏の作品にもＳＦ作品があるのはご存知でしょうか？

少年サンデーで連載された「リュウ」。
確かにそれもそんな作品のひとつ。
ですが、さらに昔の作品で、今の氏の作風からは考えにくい宇宙を舞台にしたＳＦ巨編があるのです。

それが「とべ!人類」です。

尾瀬あきら氏は１９７８年に松本めぐむというペンネームで、毎日中学生新聞にこの作品を発表しました。
幻だったこの作品にスポットライトがあたったのが１９８４年の少年ビッグコミック１月増刊号で、再構成の後、４月増刊号との２回で２００ページ超の力作として再び発表されたのです。

当時の少年ビッグコミック（現：ヤングサンデー）というと「みゆき」「エリア８８」が全盛の時代で、氏も「初恋スキャンダル」を連載していた頃です。

そんな時代に発表された「とべ!人類」を少し紹介してみます。

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中学２年生の少年・岩崎卓は、卓球部の主将に選ばれごきげんだった。
そんなある日の帰宅途中、謎の男たちに薬をかがされ拉致されてしまう。
気がつくとそこには同じような少年・少女８人が座席に座らされていた。
だが、そんな中でひとり動かない少女がいた。

パニックになる少年少女たち。
ドアを開け、部屋の外へ――。

目前に広がる巨大な月。
すなわち――。

いつの間にか宇宙船に乗せられていたのだ。
しかも、目前に見える地球の色がみるみる変化して行く。
核戦争が起きたのか？

宇宙船を調べて見ると、食料やら衣服やら万全の用意が出来ている事が分かった。
そして、操縦席を発見。
するとそこの壁には――。

何かいわくありげな文字が描かれていた。

この宇宙船の名前はホモ・サピエンス号。
２００年飛び続ける光子力推進宇宙船だ。
理由は不明だが、少年たちはノアの箱舟に選ばれたらしい…。

加速を始める宇宙船に動揺する少年たち。
それをたしなめたのは、行動派の尾形だった。

宇宙船で軽い事故が発生した際、少女・美加が重傷を負ってしまう。
彼女を救う為に、手術を始める少年たち！！

尾形の勇気ある行動に、みんなは彼をリーダーと認める。

火星を過ぎた頃、もうひとつの宇宙船が姿を見せる。
まだ生きている人間がいるんだ！
何とか接触しようと、宇宙服を着て近寄ったのだが…。

何と、全員死亡していたのだ…。

そこで得た資料により人類が戦争で滅んだ事や船の目的地が分かった。

この船は隕石群にぶつかってしまったらしい…。

みんなで手分けしながら、宇宙船の管理を始める少年たちだったが、壊れた部品の交換の為、尾形とかおりのふたりが高いところに登る。
何とか完了した直後、気の抜けたかおりが転落！
すかさず尾形も飛んだ！！

かおりを守って、尾形は頭から落ちてしまう。

かおりに別れのキスをもらい、尾形は逝ってしまうのだった…。

卓は新たなリーダーとして、船外活動も開始。
みんなも責任を持った行動をするようになっていく…。

そしていよいよ木星が見えてきた。

木星を見ながら、美加とデートを楽しむ卓だったが、何と船が木星の重力に引っ張られている事に気がつく。

一番頭のいい誠は船外に出て、直接ジェット噴射を修理するものの…。

哀れ、宇宙の藻屑に…。

そんな中、手術をした美加も弱っていく…。

主人公・卓との夢を見つつ…。

美加死亡…。

そして襲い来る隕石群！
正は壁に空いた穴を防ぐ為、自ら犠牲に！

だがこれは卓の素早い判断で、何とか正は救出されるのだった。
もはや世界でたった４人の仲間なのだ。
もうこれ以上失う訳にはいかないのだ。

これから子孫たちにバトンタッチしながら、２００年の旅を続けて行くのだ。
遥かなる、カノウプス系第３惑星Ｐ３を目指して…。

と、ここで話は完結しています。
これを読んだ当時、中々スゴイ話を描く作家だなあと思いました。

最近すっかりこういう話はご無沙汰ですが、出来ればまたこういう話を読んでみたい気がしますね。

これの続編であるとべ！人類Ⅱもまたすごい話なのですが、またの機会に紹介したいと思います。

ヤフー掲示板でのかつての自分の投稿記事⇒とべ！人類Ⅰ・Ⅱ

Ｓ４１年版「べとべとさん」～夢も希望も萌えもなし！？

歩けば「ピコッピコッ」と可愛い音を立て、同級生にさわってはくっ付いてしまい、一緒に布団に入ったりと、愛らしい萌え系キャラ・ぺとぺとさん。
そのぺとぺとさんの名前の由来は、「べとべとさん」なのだという。
では、「べとべとさん」とはどういった妖怪なのだろうか？

これはweb検索をかけるとすぐに出てきました。
その姿がコレです。
ご存知水木しげる先生の監修によるもののようです。
このデザインを見た限りでは、結構愛嬌があり、可愛らしくも感じます。
さらに検索してみると、もうひとつのデザインもあるようです。

ですが、何かおかしい…。

自分が探している「べとべとさん」が出てこないのです！
検索に引っかかってこないという事は、それだけ知られていないという事なのだと思うのですが、実は水木しげる先生は「べとべとさん」というマンガをちゃんと描いているのです。
昭和４１年の「漫画天国」という雑誌だそうですが、ここでやたらと気色の悪い「べとべとさん」という８ページの漫画を描いています。
これは、現在知られている「べとべとさん」とはどう違うものなのでしょうか？

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山の上の部落へオバケを追い出しに行った八（ハチ）が帰ってこない為、留はヤクザの親分から様子を見てくるように言われる。
近くの炭焼きの男が言う。
「山の上の家に行くのはやめなされ。この前も一人ヤクザの男が入ったがそれっきりだ。」
「おどかすない。その家に一体何がいるのかね？」
「べとべとさんという山の妖怪がおすまいじゃ」

だが中には誰もいない。
色々と探していると、謎の亡霊が出現する！！

恐ろしくなった留は思わず銃の引き金を引いた！

だがそれは変わり果てた八（ハチ）の姿だったのだ！！

ドロドロに溶け出す八（ハチ）。
それはまるで細菌兵器のよう…。

人から人へと移って行く恐怖の病原菌のような妖怪・べとべとさん！！
八の体はべとべとさんに栄養分を全て吸い取られていくのだった…。
と、こんな感じなのですが、とてもじゃないですけど現在知られているものとはまるっきり違います。
何故こんなものが存在するのかは分かりませんが、どちらも水木先生のキャラクターですから、何らかの理由があって今の形になったのでしょう。

ちなみにこれは、昭和５６年刊行の「水木しげる幻想と怪奇」１１巻「巻物の怪」に収録されています。
後に出たサンワイドコミックス版や、ＫＣスペシャル版では未収録の、正にレアな作品です。

水木先生だけではないとは思いますが、製作者側の何らかの理由があってデザインが変わる事は理解できます。
例えば有名なゲゲゲの鬼太郎にかまいたちという妖怪がいるのですが、

ひとつは、昭和４１年の少年マガジン「妖怪城」のデザイン。
そして、

これが昭和６１年の少年マガジン「妖怪万年竹」でのデザインです。

顔は同じなのですが、一方は口で風を起こす妖怪なのに対し、もう一方は手のカマで直接切りつける妖怪になっています。
明らかに別の生き物です（笑）。

自分は別に変更した事を咎めようとかいう訳ではなく、状況に応じて色々な形を模索しているのだと解釈しています。
ただこれだけ違うとなると、もしかしてこの昭和４１年版のべとべとさんの存在は、なかった事になっているのかも知れません。
実際どうなのかは、それこそ作者に聞かないと分からないでしょうね。

さらば、第９惑星！～マンガに出てきた冥王星アレコレ

水金地火木土天海冥～っと長い事親しまれてきた太陽系９惑星でしたが、この度冥王星が仲間から外れる事になってしまいました。
何とも寂しい話です。
一体、どうしてこんな事になってしまったのでしょうか？
数日前までは、１２に増えるという話題で、夢が膨らむ思いだったのに…。

マンガ・アニメの世界では、特にＳＦ関係で冥王星はよく登場していたように思います。
宇宙人が太陽系に攻めてくる際、よく冥王星軌道を最終防衛ラインにしたり、超時空要塞マクロスがフォールド失敗で冥王星のところまで飛ばされたり、バクシンガーでは外宇宙の異星人との交渉の場＜出島＞が冥王星でした。（相手の異星人もメリーカ星人とかエンゲーレス星人とか凄まじいネーミングでした。）
［注；バクシンガーの出島は土星軌道の間違いだったようです。ここに訂正します。］

宇宙を舞台にするアニメの場合、冥王星は重要な惑星だったのです。
なのに、今さらナシってのはどうなんでしょう？
これから作られる作品への影響は計り知れません。

近年、マンガの世界では、宇宙ものというジャンルは少なくなっている気がします。
みなさんは、冥王星と聞いて、どんなマンガを思い浮かべますか？
自分はまず、コレです。

銀河鉄道９９９です。
ＳＦと言えばまず松本零士作品です。
画像は９９９号が停車駅である冥王星に来る際のものです。

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これもまた９９９なのですが、これは９８年に新シリーズとして復活した際の９９９です。
しかし、何故か冥王星の外観が変わってるんですよね（苦笑）。
そして、ＳＦ考証の上でも外せない新事実が描かれました。
カロンの存在です。

最初の９９９の時代にはカロンは描かれていません。
後になって発見された事で、新たにカロンの話が追加されたのです。
しかし、ここでは衛星として描かれています。
最近の発表では、二重惑星という事だそうですから、これもまた夢のある話なんですけど…。

宇宙戦艦ヤマトでも冥王星は有名ですが、松本零士マンガ版ではその惑星の姿は登場しませんでした。
アニメでは、反射衛星砲との壮絶な戦闘が描かれた場所でした。

これが同じ作品でも　ひおあきら版はかなり印象が違いました。
冥王星前線基地との直接対決があり、冥王星もその姿を見せています。
ですが肝心の反射衛生砲が出て来てないんですよ～～～（苦笑）。
何ででしょう？（笑）

９９９に続く松本零士のヒット作品新竹取物語１０００年女王でも遊星ラーメタルが冥王星の近くを通り過ぎて行きました。
ですが、残念ながらコレだけです（笑）。
当時は新聞に毎日１ページだけ掲載されるという連載のスタイルにビックリしましたね。

これも冥王星と地球に接近する惑星がニアミスするのですが、これが実は惑星ロボ・ダンガードＡの画像です。
１０００年女王と似た設定の１０番惑星プロメテ（何か名前も似ている…）への移住が目的の話なのですが、松本零士のコミック版ではラストシーンの１コマしか主役ロボット・ダンガードＡは出ませんでした。
ある意味「男」だな～（苦笑）。

[コメントNO.8 匿名様の紹介]
竹宮恵子の代表的ＳＦ大作地球へ…では、地球の最終防衛ラインとして冥王星軌道での壮絶な戦闘が展開されました。
エリートであるメンバーズに独占された地球と超能力を持って生まれた為にその存在を否定されたミュウたちとのその壮絶な戦闘シーンは、完全に少女マンガの域を逸脱していました。
当時、コレで竹宮恵子ファンになった男性ファンが多いという話を聞いた事があります。
そして、

某ガンダムパイロットとは違って、圧倒的リーダーシップを見せる主人公・シンに当時は燃えましたね～。
インタビュー記事によると、ＳＦ的背景とかは、先のひおあきら氏の協力があったそうです。
それにしても、何故劇場版では、この原作のメカアクションが生かされなかったのかなあ～？（苦笑）
今の時代、新作が作られたりしたら、かなりのものが出来ると思うんだけど…。

２００１夜物語でも太陽系は描かれていますが、むしろ話題は１０番惑星の魔王星の方でした。
昔ＯＶＡが３本出ましたが、冥王星が出ていたかはちょっと憶えてませんね。

伊東岳彦の代表作のひとつ宇宙英雄物語にもこんなセリフがありました。
ですが、結局冥王星には行きませんでしたね（苦笑）。
それに、

この作品も話題になるのは第１０番惑星でした。
その名も占王星（フォーチュナ）！
関係ないけど、この作品には金星文明が出て来るのですが、松本作品にもよく金星文明が出てきます。
結構、多いシチュエーションなのかな…？

［コメントNO.17 えふ様の紹介］
麻宮騎亜の代表作サイレントメビウスにも太陽系を意味する表現が出て来ますが、残念ながら冥王星については確認出来ませんでした。
ですが、そのエピソード０とも言える、メビウスクラインに出ていました。
何か惑星が増えてるんですが（笑）。

[コメントNO.15 ＹＡＮ様の紹介]
木城ゆきとのＳＦ大作銃夢の新シリーズ銃夢ＬａｓｔＯｒｄｅｒにも冥王星が出ていました。
脳を３つ持つアガ・ムバディの壮絶な過去とは、冥王星で愛するラクシュミーとの別れのドラマでした。
ここでもカロンは衛星になっています。

佐々木淳子のＳＦ巨編・那由他でも最終決戦の場は冥王星でした。
太陽系がビッグバンの中でシールドを貼って、何とか耐えているとか言い出したのには驚いたのを憶えています。
アニメ版は短かったのであまりいい印象はなかったなあ～（苦笑）。

その佐々木淳子の代表作と言えばダークグリーンです。
夢の世界を描いた独創的なＳＦですが、その中でこんなシーンがありました。
地球の葬式という不可思議なシチュエーションで、８惑星が参列しています。
まあ、どれが冥王星なのかは断定出来ませんが、確実にどれかが冥王星です。
ちょっと、苦しいかな？（笑）

そして、太陽系と言えば武内直子のセーラームーン。
セーラープルートとウラヌス・ネプチューンの３人は外宇宙から太陽系を守る為、他のセーラー戦士より強力という設定だったと思いますが、プルートに抜けられてしまっては太陽系は守りきれそうにありません（苦笑）。

ゆでたまごのキン肉マンのキャラクター・プラネットマンも冥王星を体に持っています。
技にも使っています。
しかし、実際の惑星のサイズを考えると、左右びっこになりそうです（笑）。

探偵学園Ｑの敵である犯罪者集団の名前も冥王星でした。
マークも正に冥王星の記号でしたから、やはり惑星の意味で付けられた名前でしょう。

月刊少年シリウスで連載中の加藤和恵のロボとうさ吉の主人公・ロビンの相棒うさ吉は冥王星刑務所から脱走して来ました。
作者の加藤氏はまだ新人だそうですが、中々楽しませてくれます。
ロボとうさ吉の世界では水星と金星が存在しません。

何と、冥王星は７番惑星になっているのです。
水星・金星が消失した超未来の世界のようです。
う～ん…宇宙戦士バルディオスを思い出すなあ～（苦笑）。

ホラーの旗手・伊藤潤二の地獄星レミナでは、アッサリと冥王星は食われてしまいました。
このマンガ…マジで怖いです（苦笑）。

藤子Ｆ不二雄の２１エモンも冥王星に行っています。
こんなに気軽に電話が出来ます。
すごいな～２１世紀って（笑）。
今世紀中に人類は太陽系外に進出出来るようです。

しかも、冥王星－東京間の電話代が５，６００円です。
高い？
いや～～リーズナブルな気が（笑）。
タイムラグなしでこの長距離を電話出来るんだったら５０万円でも安いんじゃないかなあ？（笑）
まあ、この作品の初版が昭和４７年なので、その頃の金銭感覚だとこうなるって事なんでしょうか？

しかも下町はこんな感じです。
う～ん、冥王星ですか。
そうですか…。
…………。
ＯＫ。脳内変換しました（笑）。

ますむらひろしのコスモス楽園記 では、３５話に「コペルニクス・ジュース」という話があります。
これだけだと良く分からないのですが…。

続きを読んでも、何だか良く分からなかったりします（苦笑）。
天体観測をやりつつ、ジュースの味覚を追求するってところでもう挫折です（笑）。
ますむら作品には独特の文法があるんですよね。
今秋の劇場版アタゴオルは、実はちょっと気になってます。
後ろのアタゴオルのヒデヨシみたいなドラ猫は、コスモス楽園記では文太という名前になっています。

相原コージのコージ苑でも、実はこんな話がありました。
この作品がスピリッツで発表された当時、楕円軌道の冥王星は海王星の内側に来ていました。
時事ネタは時期が過ぎると、分かりにくくなりますね。

[コメントNO.14 ＴＳＤ様の紹介]
少年ジャンプの不条理ギャグ漫画！
澤井啓夫のボボボーボ・ボーボボに太陽系を使った技が描かれてました。
どうでもいいですけど、冥王星がえらくデカイです（笑）。

[コメントNO.22 こんなのも。様の紹介]
鬼神童子ＺＥＮＫＩなどで知られる黒岩よしひろが週刊少年ジャンプで連載した作品魔神竜バリオンの敵も太陽系の惑星がモチーフになっていました。
良く見ると、海王星が冥王星の外側に位置しています。
連載当時は確かにそうだったのかも知れませんが、今見ると何だか変な感じです。

バリオンシステム奪取の尖兵として、最初に攻めて来たのがズバリ冥王星の戦士・冥王プルートでした。
何てゆーか、ザコです（笑）。
次に攻めて来たのがウラヌスとネプチューンですので、太陽から遠い程下っ端という法則があったのかも知れません。

あさりよしとおのまんがサイエンスでは、ズバリ太陽系を解説しています。
このマンガは実にタメになりますね。

実は、今回話題になった追加の３惑星のひとつセレスも話題にしていました。
こうしてみると、実に色々な惑星がありますね。

そして、実はセーラームーンでもこの小惑星はフォローされています。
この４人はアニメでも出ていますが、セーラー戦士に覚醒する話はすでにアニメが終了間際だった事もあって、アニメに間に合いませんでした。
セーラーちびムーンに仕える４人なんですけどね。
個人的にセーラーレテ・セーラームネモシュネくらいはアニメで見たかった気もします。

他にも、手塚治虫とか、萩尾望都・清水玲子・篠原鳥童とかのＳＦを良く描く作家の作品とか見ると冥王星が出てきそうですが、とりあえずこんなところで。

それにしても、今後作られるＳＦ作品で冥王星がどう描かれるのか、気になるところですね。

◆新たに登場した冥王星ネタ◆

週刊コミックバンチで連載中のいとう耐の時事ネタコミック・週刊いとうタイムズで、とうとう冥王星ネタが登場しました。
４０号の内容からすると、冥王星降格前に描かれているようで、編集部が注釈を入れているようです。

４１号では、前回の修正が入っています。
ネタの速報性を優先すると、こういう事もあるんでしょうね（苦笑）。

ビッグコミックスピリッツ４１号では、ホイチョイプロダクションの気まぐれコンセプトが冥王星をネタにしました。
スピリッツの最古コミックは今年も健在です！

イブニング１９号では中川いさみのサラリーマンブラザーズに冥王星ネタが登場しました。
クマのプー太郎はすごく好きだったんですよね～（笑）。

週刊少年チャンピオン４２号では、沼田純のクンクンカムカに冥王星ネタが登場しました。
時事漫画でない、通常のコミックの中で出たのはこれが初めてかな…？

ヤングアニマル１９号にて、あの若杉公徳の超絶ヘビメタギャグ漫画デトロイト・メタル・シティに冥王星ネタが登場しました。
ＤＭＣファンにとって冥王星とはただの私物のようです（笑）。
相変わらず、スゴイ漫画だ…。

マガジンスペシャル１０月号の島田英次郎のお疲れさんのキャラクター紹介にこんなのがありました。
つーか、気がつかねーって！
弟に言われて気がついたけど、よく見てるな～（笑）。
この説明文も意味不明だし（笑）。

今後もこのような使い方の作品が色々出て来るのかも知れません。


◆追加情報◆
①高橋葉介の夢幻外伝に冥王星の表記があるそうです。
②矢野健太郎の邪神シリーズにあるかも。（コメントNO.21 Z+03様の紹介）
③ウチの弟が言うには、太陽系９惑星をモチーフにした野球チームが出て来るマンガがあったそうです。「ガッツ乱平かな？」と言ってるけど詳しくは分かりません。誰か知りませんかねえ…？
④プロの作品ではないのですが、８９年５月号のファンロードで話題になった「魁！！男塾」のパロディコミック「阿鼻叫喚地獄八大巡り」の中で、冥王星人が男塾１６，３８４戦士の中にいました。（大会を重ねるうちにメンバーが倍に増え続け、ついに１万人を越えてしまったというとんでもない漫画。メカ飛燕とか、合体伊達臣人とか、何でもアリなのが笑える。）
⑤ボンボンに掲載された太陽系をモチーフとしたロボット野球マンガがあるそうです。（コメントNO.26 ハネ太郎様の紹介）
⑥板橋克己画集ＣＯＳＭＯＳの中にフルカラー６Ｐの冥王星が登場するマンガがあるそうです。（コメントNO.28 ハネ太郎様の紹介）

今後何か思い出しましたら、その都度追加したいと思います。
当方が知らない、又は気がつかない様な作品が何かありましたら、是非教えてください！！

＜追記＞　８／２９　コミックス４作品追加しました。

弟に「冥王星漫画と言ったら？」と質問したら、「２１エモン」と即答して来ました。
と、いう訳で、ここ二日ほど探しましたよ。
部屋中（笑）。

で、発見。

何だコレ？（笑）
スゴイ状態だな～これは。
まあ、こんなにした犯人は幼児だった頃の弟以外の誰でもないんですけど（苦笑）。
ウチには、このように弟によってゴミ同然にされたコミックスが１００～１５０冊位あります。
（自分の所有コミックス数としてカウントはしていません。）
例えばドラえもん。
ウチのは全巻初版です。
なのにメチャクチャなんだよな～～～（苦笑）。
泣くに泣けません。
ちなみに、

コレも初版です。
まだてんとう虫コミックスなんてなかった頃のシロモノです。
いわゆる虫コミックスです。
子供の頃に、親戚にもらったものなんですけどね。
綺麗ならもっと価値はあったんだろうなあ（苦笑）。

＜追記２＞　８／３０　コミックスさらに４作品追加しました。

１０００年女王のコミックスを引っ張り出したら、何ともう１０年くらい見失っていたサンコミックス版の「地球へ…」を発見！
半分諦めていたブログ記事化を達成しました！！
いや～久々に興奮しましたね～（笑）。

＜１／２５追加作品＞

先日、古本屋で高橋葉介の「夢幻外伝」を見つけました。
で、これがウワサの冥王星ネタです。

さすがにおどろおどろしい感じです。
冥王星の住人との間に卵を授かるという展開に、思わずゾッとしますね。

＜追記３＞　８／３１　コミックス３作品追加しました。
＜追記４＞　９／２　コミックス２作品追加しました。
＜追記５＞　９／９　画像１点追加しました。
＜追記６＞　９／１２　コミックス１作品追加しました。
＜追記７＞　９／１３　コミックス１作品追加しました。
＜追記８＞　９／１５　コミックス１作品追加しました。
＜追記９＞　９／２３　コミックス１作品追加しました。
＜追記１０＞　９／２６　コミックス２作品追加しました。
＜追記１１＞　１／２５　コミックス１作品追加しました。

皆様、ありがとうございます！