「だぶるじぇい」亜桜まるのデビュー作「夢幻少女」

正月と言う事で、久しぶりにデビュー作シリーズを更新したいと思います。
今回のデビュー作は毎週「だぶるじぇい」をレビューしている亜桜まる先生です。
この「夢幻少女」はヤングアニマル嵐２００１年創刊４号に掲載されました。

近年、マガジンのイメージがある亜桜先生ですが、そのキャリアはヤングアニマルから始まっているのです。
ヤングアニマルまんがチャレンジ準入選受賞作となったこの作品。
今見るとかなり作風が違う事が分かります。

【掲載時の巻末コメント】
◎初めて雑誌に載りました。どうでしょうか？

今回は正月という事で、この「夢幻少女」を少し紹介したいと思います。

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クラスの女子を見て美少女ランキングを作って遊んでいる男子たち。
「アクリョウがとりついています」
その中心になっている人物・源に対していきなり言って来た少女。
名前は竹巴カヅチといい、何でも家は寺なのだという。
彼女の事で仲間にからかわれる源。
思わずキレて友人を叩くのだが…いきなり首が取れてしまった！？

「何だコレ…」
見ると周囲の人間全てが首がなくなっている。
一体、何が起こった！？
次の瞬間、何もなかった様に戻ったのだが…。

その後、屋上でタバコを吸っている時にもいきなり友人の顔が半分無くなっている様に見えてしまう源。
「竹巴の言う通りアクリョウがオレにとりついて…くだんねーそんなモン現実にいるワケ…」
そんな中、源の前に巨大なアクリョウのビジョンが！？？

そんな彼の前に再び現れた竹巴。
「そう　あなたが見た幻は霊によるもの…」
「あなたは強力な霊に魅入られて…」
「ん～な話オレが信じると思う？」
心配する彼女の話を全く信じようとしない源。
そんな彼に対して、彼女は強引にでも祓おうとするのだが…！？

彼女の寺に行き、何らかの陣の中に入れられ、呪文を唱えられる源。
「思っていたより支配が進んでいますね」
どうやら一回でどうにかなるというものでもないらしい。
これから毎日ここに通う様に言う彼女。
「幻に…惑わされないよう…注意して下さい…」
その後、彼女の家に通う様になったのだが…。

「で　その幻覚ッてのは…治った？」
そう聞いてくる友人の顔がガイコツに見える源。
全然治っていない。
もしかして彼女に騙されている？
「お祓いとかいって実は吸ってんだよ」
「源クンの生気を」
そう言われて益々彼女に対する疑惑を深める源！

「そういう事かよ」
「コイツがオレをだまして」
その日、彼女の寺にやって来た源はいきなりナイフで彼女を刺してしまった！？

「やはり惑わされましたか幻（悪霊）に…」
彼のナイフを想定していたのか？
お札の束で防御する竹巴！
そんな彼女に対して、口から火を吐き（？）さらなる攻撃を仕掛ける源！！
「こ　こんなに支配が進んでいたなん…て」

そして…源の顔にお札を貼った途端、突然巨大なアクリョウが！！

「アクリョウよ」
「退け」
トドメの札で悪霊を吹き飛ばす竹巴！
そして…これで彼も無事助かる事に…！！

「結局オレ…アイツに助けてもらったんだな」
クラスでは地味にしている彼女を気にかける様になった源。
「竹巴――！？」
「アーッハハハ」
「誰だこんな奴一票入れたのー」
クラスの美少女ランキングで源は竹巴に一票を入れたらしい。

そんな源が書いたと思われる紙を拾った竹巴。
「メガネ無いほうがイケてるぞオマエ」
「ありがとよ」
そう書かれた紙を手にそっと微笑む彼女…。

という感じの内容なのですが、いやホント今の作風とはかなり違いますね。
心霊を題材にした派手なアクションなんて今の亜桜まるには見られないものです。
実はこの後数本アニマル嵐で短編を発表（何故かウイキには書かれていない）しているのですが、やはりアクションの強い内容なんですよ。
「１４」「エコといっしょ」が始まって今のスタイルが確立した様で、どういう過程でそうなって行ったのかは興味深いですね。

と言う事で、機会があれば別の短編も紹介したいと思います。

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Twitter:亜桜まる

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水木しげるメジャーへの第一歩となった少年マガジンの短編「テレビくん」

連日見ている「ゲゲゲの女房」ですが、いよいよ来週から水木しげるがメジャーへの第一歩を踏み出す事になりました。
１０日の放送で講談社ならぬ雄玄社の編集者・豊川悟氏（モデルは内田勝氏）が「別冊少年ランド」（モデルは別冊少年マガジン）へ漫画を描いて欲しいと頼みに来た際、内容が宇宙物と指定して本人に断られてしまったのですが、その豊川氏が若干３０歳で編集長に抜擢された事で自分がどうしてもやりたかった水木しげるを使うチャンスが生まれた様です。

平成９年（１９９７年）に描かれた「貸本末期の紳士たち」のこの画像を見ると豊川さんぽくないのですが、モデルである内田氏がこんな感じなんでしょうか？
１０日の放送で村井家でもテレビを買おうという話が出たのは間違いなく水木しげるがマガジンに描いた「テレビくん」の伏線です。
次週の予告で子供がテレビから出て来るアニメが映されていて「墓場鬼太郎」の話をしている事から、事情を知らない人は「鬼太郎がもうアニメに？」なんて思ったかも知れません。
後に講談社の児童まんが賞を受賞する事になるこの「テレビくん」という作品。
発表当時ならともかく、実際今の視聴者のどの程度の人が知っているのでしょうか…？

自分の持っているコミックスで「テレビくん」を調べたら２冊該当しました。
上の大きい画像は１９７６年初版の講談社漫画文庫「丸い輪の世界－水木しげる幻想短編集」のもの。
左のサムネイル画像は１９８５年初版の朝日ソノラマ「水木しげる短編傑作集・幻想編　猫又の恋」からです。
「テレビくん」が発表されたのが１９６５年（昭和４０年）であった事からこれらの本はそのずっと後に出ている訳ですが、当時従妹にこの「丸い輪の世界」のコミックスをもらって自分は初めて「テレビくん」の存在を知ったのです。
残念ながらこの「丸い輪の世界」はアマゾンの検索に引っかかってこなかったのですが、収録されている作品は表題作の他「宇宙虫」「河童」「釣り落とした魚」「雨女」「妖花アラウネ」「ボヤ鬼」「梅干し」と中々味のあるラインナップです。
「宇宙虫」とか見ているとＳＦもイケるなとか思ったりもするのですが、実はそれが発表されたのが別冊少年キング昭和４０年１１月号という事で、マガジンの依頼を断って１年もしないうちに（別に宇宙を舞台にした訳ではないが）ＳＦを描いているのがちょっと面白いですね。
まあ、「テレビくん」自体ＳＦと言えなくもないですが…。
以前、「電脳コイル」のアニメ１２話「ダイチ、発毛ス」を見た時、この「宇宙虫」をフト思い出しました。
「猫又の恋」の方はずっと後に出たワイド版のコミックスで、当時自分は連続でリリースされたこのシリーズを買い揃えたのです。
こちらはガロならぬぜタに描いたという「忍法屁話」なども収録。
文庫版との大きな違いは写植で、漢字が全体的に減らされひらがな表記が多くなっていました。
（Amazon：猫又の恋）

しばらくの間、こういった古いコミックスでしか水木しげるの作品に触れる事が出来なかったのですが、最近だと２００７年に文庫が発売され、「テレビくん」も再び手に入れやすい環境が整ってきました。
今回はそんな「テレビくん」について、来週の「ゲゲゲの女房」に先駆けて軽く紹介したいと思います。

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主人公はタイトルになっているテレビくんではなく三太。
父を亡くし母が病気の為、新聞配達に精を出す小学生で、実は彼の家にはテレビがありません。
そんな彼が登場するのは６ページ目から。
まずはこの「テレビくん」の事件（？）が語られるところから始まります。

街の電器屋で流れているテレビの画面に見入る少年。
新発売のチョコレートが紹介されるのですが、いきなり横から子供が出て来て食べてしまいました。
唖然となる少年。
チョコレートの宣伝をしている人は横の子供に全然気がついていない様だったが…？
実は、彼がタイトルになっている「テレビくん」であり、世間を騒がしている人物だったのです！

実はこの画像は文庫版「丸い輪の世界」に収録されていたもの。
よく見るとチョコレートが「青林堂のガロ」となっています。
要するに“まんま”なんですよ！
「ガロ」という名前を使ったまま講談社のコミックスになっているところを見ると、恐らく本誌に掲載されてからずっと直されていなかったんだと思うのですが、昔はこういう事にあまり目くじらを立てる様な事はありませんでした。
実名のキャラが出ても特に問題になりませんでしたし、そういう意味ではおおらかな時代だったと思います。

これがコミックス「猫又の恋」では「水木製菓のれお」に直されていました。
一体いつ直されたのかは分かりませんが、８０年代にもなるとこういった事にも気を使うようになったんでしょうね。
今出ている文庫がどうなっているのか確認はしていないのですが、恐らくこの「れお」になっているのではないでしょうか？

テレビに変な子供が出ているのは学校でもウワサになっていた。
同級生の池田くんはブラウン管の中に入ろうとして爆発し、大怪我をしたらしい。
そんなクラスメイトの話題に置いて行かれる三太。
テレビのない彼には関係のない話なのです。

そんな彼らには関係なく、テレビでは相変わらず謎の子供が出ている様子。
ついには酒を飲んで大いびきをかいてしまうのですが…。
いや～これなんか今の少年誌では絶対アウトですね。
飲酒する小学生なんて最近の漫画では見た事がありません。
時代を感じさせると同時に、今の漫画は色々と自由を失っていると感じるひとコマでした。

疑問を感じた子供達はみんな揃ってテレビ局へ。
そこで三太も「テレビくん」と呼ばれている存在を知るのです。
テレビ局の社長によると、勝手にテレビ画面に映っているらしい。
「テレビくん」に食べられたものは、どこかのテレビに抜けるが如く消えてしまうと言うのだが…？

そんな中、三太のクラスに転校生・山田君がやって来ました。
「あっテレビくんだ！！」
いきなり人気者になってしまう山田君。
本人は否定するものの、テレビ君に間違いありません。
何とかテレビに入る方法を聞きだそうとする同級生たち。
“他人の空似”だと言う彼は、知らないフリを通すのだが…？

そんな中、三太が苦労している事を知る山田君。
母の為に新発売の万能薬、三太の為にネオトランジスタテレビをプレゼントするのです。
「こんなにもらっていいの」
気前のいい山田君に不思議な感覚を感じる三太だったのだが…？

その翌日、走って新聞配達をしている三太の為に山田君は新発売の「新聞配達用自転車」を持って来ました。
まだ発表されただけで発売はしていないはず。
さすがの三太も彼こそが「テレビくん」であると考え始めるのです。
この「新聞配達用自転車」という商品に子供の頃読んで笑った記憶があります。
いくらなんでもそんなピンポイントな商品をＣＭで流すか？と。
ネーミングで言うなら、デラックスアイスクリーム「ヒマラヤ」もスゴイですけど、この後に出て来る「インスタントデコレーションケーキ」も凄すぎます（笑）。

山田君が気になって後を付ける三太。
そこで彼は決定的な瞬間を目撃するのだが…！？

この作品が面白いのはやはり「テレビに入る」能力が主人公のものではないという事でしょう。
藤子作品なら間違いなく主人公が使って、色々事件を引き起こしているはずです。
テレビとは一番無縁な生活をしている少年の前を通り過ぎていったテレビくん。
この後に続くラストシーンはやはり水木しげるならではのテイストだったと思います。

とにかく読んでいて感じるのは水木作品にはこういう不思議な感覚に満ち溢れている事です。
後にヒットする鬼太郎にしても単純に敵の妖怪をやっつけるだけの作品になっていないのは周知の通り。
「鬼太郎夜話」なんて昔何回読んだか分かったもんじゃありません。

しかし考えてみたら最近はすっかり週刊漫画作品の連続レビュー中心のブログになってしまいましたが、元々はこういう昔の作品の話がしたくてブログ始めたんですよね。
と言う事で、また機会があればこういう古い作品の話をしてみたいと思います。

【追記】
書いてから思ったのだが、「ガロ」表記の件は当時まだマイナーだった水木氏のさりげないアピールだったのかな、と。
それをそのまま載せたマガジン側にはもしかすると「しょせんガロ程度」の思いがあったのかも知れません。
昭和４０年の別冊少年マガジン夏休み特大号に「テレビくん」を載せていながら、同年に別冊少年キング１１月号に「宇宙虫」を描いているのは何か皮肉っぽいですね。
冒頭でアメリカの宇宙飛行士が月に行った話が出ている「宇宙虫」。
「宇宙ものはダメ」と断って１年もしないうちに他誌に「宇宙ネタ」を描いたのはどんな心境の変化があったのでしょうか？

ウィキペディア：水木しげる

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◎「ゲゲゲの女房」は水木マンガを知っているとさらに美味しい

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「ゲゲゲの女房」は水木マンガを知っているとさらに美味しい

朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が面白い。
普段ドラマなんてほとんど見ない自分がほぼ毎日見ています。
こんなに見ているのっていつ以来だろうか？
「ふたりっ子」とか結構見た記憶があるけど。
漫画家・水木しげるの貧乏時代がここしばらく描かれている訳ですけど、実は、１１日（金）の放送を見て「おや？」と思ったのです。
今売られている原作本はチェックしていないので何とも言えないのですが、実は似たような話を漫画で読んでいたのです。

「水木しげる伝」というのもあるのですが、とりあえずそれは横に置いといて…。
これは昭和４８年（１９７３年）発表の「突撃！悪魔くん」のひとコマです。
原稿料がちゃんと払ってもらえないというシーンなのですが、ちょうど今回の話にも登場していました。
ただ、ここでは５００円と言ってますがドラマでは３０００円に上方修正。
「一日二百円」「５００円で二日半」なんて漫画と同じキーワードに思わずニンマリしてしまう訳です。

この読みきり「突撃！悪魔くん」はいわば「悪魔くん誕生秘話」のようなもの。
という事で、ドラマでも「鬼太郎」「河童の三平」に続いて「悪魔くん」がいよいよ活躍（？）してくれるはずです。

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１１日の放送で出て来た大蔵省の男。
これもこの「突撃！悪魔くん」に出てきます。
ドラマでは思い切り貧乏神な大蔵省でしたが、こっちはむしろ現実的？
金を払うか立ち退くかと選択を迫られる水木さん。
この危機的な状況が代表作のひとつ「悪魔くん」を生み出すのです！

「おれが悪魔のような力を持っていたら大蔵省だって弁護士だって質屋だってなんだってやっつけられるんだ」
「そして苦しんでいる善良な人々をたすけることもできる」
という事で「悪魔くん」につながるのですが…。
ここで何気に哀しい事を口にする女房。
着物が流れたって…ドラマでもそういう事になっちゃうのかな？

この後、自転車に乗ってどこを走っているのか分からなくなる…というシーンがあるのですが、これは平成９年（１９９７年）に描かれた「貸本末期の紳士たち」にも登場しています。

これも丁度放送されたばかりのシーン。
この水木さんは両手があるのですが、漫画に自分を出す場合手があったりなかったりするんですよね。
この「貸本末期の紳士たち」も時系列的に同じ頃を描いていて、話の中に「悪魔くん」が登場しています。
一生懸命模型を作っているシーンがあるのですが、これは来週の放送分になるのかな？

結局、かつての大ヒット「おしん」なんかに見られるように、貧乏で苦労している人の話って応援しながら見てしまうところがありますね。
自分の周りでも普段朝ドラなんて見ていなかった人が今回は見ているというのをよく耳にします。
そこで気になるのはいつになったら成功するのかという事なのですが…。
半年という放送期間を考えると…もしかしてまだまだ貧乏のままなのかな？
ちなみに「貸本末期の紳士たち」では…。

講談社、すなわち少年マガジンに救われた話が描かれていました。
思いもよらぬ幸運だったそうですから、ドラマでも曇り空が晴れる如く、見ているこっちがホッとするようなシーンが描かれる事でしょう。

ちなみにこれらの作品は今年になってから発売された「ビビビの貧乏時代」に収録されています。
実はこの文庫には、以前紹介した「池上遼一伝」も収録されており、ちょっとお得な一冊になっているのです。
ちなみに「水木しげる伝」なんてのもあるのですが、ちょっとラックの奥の方にしまってしまい、出すのが厄介だったものですから今回はパス。
という事で、また何かあれば紹介したいですね。

ところでＮＨＫでは秋から「バクマン。」が始まる訳ですが…もしかして「ゲゲゲ」とバトンタッチするような流れを考えているのでしょうか？

ウィキペディア：水木しげる

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ジャンプにラブコメを持ち込んだ「きまぐれオレンジ☆ロード」

少年誌でのラブコメというと、少年マガジン「翔んだカップル」あたりからだと思うのですが、８０年代になってブームになったのは少年サンデーのあだち充や高橋留美子だったと思います。
ではジャンプはどうだったかと言うと、雑誌のカラーもあって、このジャンルにおいては後手に回っていた印象がありました。
ジャンプは基本的にバトル中心の為、ラブコメが入る余地はないのか…？
そう思っていた時に始まったのがこの「きまぐれオレンジ☆ロード」だったのです。
（画像は当時のジャンプ。７つ確認しましたが、まだあるかも知れません。右端はテープで止めていた為に画像が汚れています。尚、小さい画像はクリックで拡大します。）

最初の印象もジャンプというよりもサンデー的で、あだち充や高橋留美子の様な作品が始まったと思いました。
これがジャンプで成功するのか？
そんな心配は杞憂に過ぎず、大ヒットとなりました！

という事で、掲載時のジャンプを使って「きまぐれオレンジ☆ロード」の話を少ししたいと思います。

ウィキペディア：きまぐれオレンジ☆ロード
公式サイト：WAVE STUDIO Homepage

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当時の（’８６）ジャンプというと、「キン肉マン」「キャプテン翼」「北斗の拳」「キャッツアイ」「Ｄｒ．スランプ」「ウイングマン」と強力なラインナップが並んでおり、ここに割り込むだけでも大変なものだったと思います。
だからなのか？
ラブコメのみで勝負というのは難しかったのかも知れません。
この「きまぐれオレンジ☆ロード」はある意味ジャンプらしいというか、単なるラブコメという形の作品ではありませんでした。
主人公が超能力者という設定になったのも必然だったのかも知れません。

連載開始時の巻頭カラーは水彩タッチ。
新しいものが始まる予感が漂います。

少年と少女の出会い。
それは石段と麦わら帽子。
飛ばされてきた真っ赤な麦わら帽子をつかんだのが春日恭介。
その持主が鮎川まどか。
この象徴的なシーンは以後も何回となく語られる事になるのです。

少年はこの街に転校して来たばかりだった。
実は彼の家は超能力一家だったのだ！
下に双子の妹がいて、その一人くるみが学校で１００メートルを３秒で走ってしまった事で、逃げる様に転校して来たのである。
奇人変人よばりされるのを嫌って、彼らは超能力を秘密にしているのだ。

恭介は色々な超能力を使うのだが、テレパシーが使えない。
他の面子も得意・不得意があり、それがまた個性になっている。
しかし、あくまでも超能力は刺身のツマでありメインでないのがミソ。
基本的に恭介のラブコメな日常生活が描かれるのです。

ヒロインのまどかさんはいわゆる不良少女。
中学生なのにタバコも吸う。
ジャンプヒロインがタバコというのも当時ならではですね。
今これをやったら問題になりそうな気がします。
恭介が超能力で火を消すのですが、こういった細かい部分での超能力シーンは結構ありました。

恭介を慕う後輩の檜山ひかる。
しかし、元々彼女が誤解したのがキッカケだった。
普段超能力に頼っている為に体力があまりない恭介は体育のバスケで失態を演じる。
ちょっとふてくされて、誰もいない体育館で超ロングシュートを超能力で入れたのだが、これをひかるちゃんがたまたま見た事で、カッコイイと感じてしまったのだ！

ちょっと神秘的なまどかさんと主人公にまとわり付くひかるちゃんという構図が、当時自分には「めぞん一刻」に見えて仕方ありませんでした（苦笑）。
その為もあって、当初はあまり熱心な読者ではなかったんですよね。実は。
ただ、そんな自分にも超能力一族というのは魅力的な設定でして、登場キャラが増える事にワクワクしたのを思い出します。

イトコの一弥は恭介には使えないテレパシーが使える。
その為、人の心を覗いたりする訳だが、その際恭介と組んで色々やらかしたりしている。
特に、二人の頭をぶつけ合う事で人格が入れ代わるというある意味必殺技は、何回となく使われました。

イトコのあかねは変身能力。
しかし変身といっても相手にそう幻覚を見せているだけで、一対一でしか使えなかったりする。
登場が後半のせいもあってか、テレビアニメには結局出ず、後日発売したＯＶＡにて初登場しました。

恭介のおじいちゃんも超能力を使う。
しかし、みんなの前で見せたりと、全く緊張感がない。
手品という事で誤魔化すのだが、この超能力を誤魔化すという展開が何回となく登場しています。

そして、ラブコメというと、色々なお色気的展開は外せません！（笑）
海に泳ぎに行ったり、山にスキーに行ったりとレジャー関係は大抵のものをこなしていました。

カラーとなれば水着（笑）。
しかもこの話は無人島で二人きりになる展開。
しかし、主人公には最終的に超能力を使えば何とかなるという思いがあるからか、まどかさんよりは気持ちに余裕がある訳です。
だからなのか？
この場合では助かる為に色々やって超能力が消耗しているという事になっていて、「後で助かる」という要素を消しているんですよね。
主人公が色々出来るというのも、ストーリー作りに関しては難しくしているのかも知れません。

基本ラブコメなのですが、時折見せるＳＦ短編のノリは面白かったですね。
この場合、恭介は自分が存在しないパラレルワールドにやって来てしまいました。
ジェットコースターに乗った事が原因だと気付くのですが、元の世界に戻る為のジェットコースターは本日をもって閉鎖という文字が！？
どうする恭介！？

こういうノリがまたいいんですよ～。

連載時の話題のひとつ五百円玉。
丁度この頃に現在使われている新札と五百円玉が登場し、その話題が作品でも使われました。
タイムスリップした恭介はお金が使えない！
まだこの頃は聖徳太子と５００円札なのだ！！

確かアニメでもこの話題は使われてましたね。

作中、何度となく正体がバレるかバレないかという展開になりますが、いつも何だかんだでクリアして行きます。
テレキネシスを使っているところをひかるちゃんに見られた！？
この決定的シーンでも、実は何とかなってしまうのです。
じゃあ、どうやったらバレるんだ！？（笑）
（注；実はこの時彼女は恭介の下半身を見ていた為セーフだった。でも今見るのはそこじゃない！（笑）。）

ヒロインのまどかさんへの告白の行方は…？
ネタバレにもなるので、あまり語りませんけど、結局ふたりの関係はアニメの方が先に行ってしまいましたね。
続編の劇場版は自分としては驚くべき内容でした。

さて、そのアニメの話題ですが、ＴＶアニメになる前にジャンプのイベント用として３０分の短編が作られたのが最初でした。
（クリックで拡大します。）
テレビの声優とは全然メンバーが異なるのですが、当時はイベント以外で見る機会がなく、後日ＴＶ東京で放送されるまで自分は見る事が出来ませんでした。
それだけに、放送の際にはＶＨＳとベータの２台で録画するという念の入れ様でしたが（笑）。
（まだこの頃はＳ－ＶＨＳもなかった気がする。）

その後、ＴＶアニメになる訳ですけど、この発表は長い休載が空けての連載再開の際に出たものです。
（クリックで拡大します。）
月曜の７時からシティハンター、７時３０分からオレンジロードという事で、現在の日テレ・アニメ７は当時ジャンプタイムでした。
アニメは結局１年間の放送でしたが、ゴールデンタイムでラブコメが放送されていた事は貴重でしたね。

最後に、この記事を作る際に読み直して感じた事。
マーガレットの広告が多い！！（笑）
最近の少年誌・青年誌ではマンガ内広告は見なくなりましたが、この頃はどの雑誌でも当たり前の様にありましたね。
でも、同じ集英社の雑誌の広告が入るというのは、オレンジロードの読者にマーガレット購読を期待していたのですかね？
よく知りませんけど、もしかしてマーガレットの方でもジャンプの広告があったのかも知れませんね。

という事で、また機会があれば懐かしの作品を紹介したいと思います。
つーか、８０年代の作品は結構残ってますのでまたやりたいです（笑）。

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「破壊魔定光」「ドリームバスター」中平正彦デビュー作「ランニング・ワイルド」

年末年始を使って、普段更新しない様な記事を作ろうかと思い、押入れの中をガサ入れしたところこの短編を発見しました。
「破壊魔定光」などで知られる中平正彦先生のデビュー作「ランニング・ワイルド」です。
色々な雑誌を経て、現在は月刊コミックリュウにて「ドリームバスター」を連載している中平先生ですが、そのキャリアのスタートは少年サンデーでした。
１９８６年のサンデーまんがカレッジでのデビューの様です。

ウェブ検索をしてもほとんど情報がなく、中平先生のこのデビュー作は本当に知る人ぞ知る状態なのかも知れません。
という事で、今回は中平正彦先生のデビュー作「ランニング・ワイルド」を少し紹介したいと思います。

【雑誌掲載時のコメント】
◎おっと、デビューしてしまった中平正彦です。実は、ヘビメタのファンです。ヘビメタはヘビメタでもスラッシュ・メタルのファンでい！！…てなわけで、応援よろしく！！

ウィキペディア：中平正彦
公式サイト：ナカヒラワークス

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３度目の世界戦争が終わって数年がたった世界。
凶悪な暴走族によって、街は自由気ままに破壊されていた。
ヤツラの名はアスファルトゲリラ！
女リーダー・メタルゾネスの指揮により、パトカーも巨大な改造ダンプ（？）によって踏み潰されていく！！

そんな彼女達の前を一台のカブが走っていた。
アスファルト・ゲリラはそのカブを殺そうとしたのだが、突如スピードアップし、誰もついて行けなくなってしまう！

実はこの男は運び屋をやっていた。
あらゆる物を早く確実に目的地に運ぶのが彼の仕事なのだ！！

しかし、現実にはただのラーメン屋にすぎない！！
命がけで運ぶ様な仕事は夢でしかないのか？

屋台でため息を吐いていた彼だったのだが、突如メタルゾネスが襲来！
何と彼女は、自分達が抜けなかったカブに乗る人物を探していたのだ！！

それを聞いた男（主人公に名前がない）は、沸々と闘志を燃え上がらせる！！
この勝負は負ける訳にはいかない！！

翌日、彼は再び彼らの目に止まる。
ここからは銃を片手にバイクアクションが展開！
「どこだっ！出て来いメタルゾネス！！」
硝煙の匂いのする街をカブが疾走する！！

そしてついにメタルゾネスと対峙！
彼女も目的の人物が彼であった事に驚くのだった。

間髪入れずに攻撃を開始するメタルゾネス！
ここからは怒涛のバトルシーンの連続だ！！

容赦ないメタルゾネスの攻撃！
何が彼女をそうさせるのか、彼を抹殺する事しか頭にないのだ！

しかし…どうしても当たらない！？
彼は巧みに砲弾をすり抜けていく！

「このまま踏み潰してやる！！」
ついに強硬手段に出るメタルゾネス！
巨大な車体でカブに襲い掛かったのだ！！

「ラーメン一杯満足に運べなくて何が運び屋だ！」
何と、彼も正面から体当たりを仕掛けてきたのだ！！

爆発を起こし、巨大な車体はチリと消えた…。
炎を背中に背負い、男はゆっくりと歩いてくる。
「どうだおそれいったか！！」
「これが労働者の底力だ！！」
「今度は戦闘機でも用意するんだな！」

かくして、アスファルト・ゲリラとの戦いは決着するのだった。

だが、バイクを失った事は痛すぎた。
凶暴な暴走族をつぶしたというのに、彼に待っていたのは哀しい現実だった。

これからはよりラーメン屋らしく見える事でしょう（笑）。

だが、運び屋の戦いはまだ終わらない。
何故なら彼女が戦闘機を持ち出したのだから…。

といった内容なのですが、本編の大部分がアクションシーンであり、その流れる様なバイクアクションには目を見張るものがありますね。
まあ、今の氏の絵柄とはかなり違う印象ですが、ここから二十年以上を経て現在の作風を確立して行ったのでしょう。

今回、他にも色々と押入れから出て来たのですけど、忘れていた性転換ネタがゾロゾロ出て来たのはちょっとした収穫でした。
もしかすると次の特集が早まるかも知れません。
デビュー作なんかですと、例えば青山剛昌の作品とかだと有名すぎてどうかなと思うのですが、逆にそういうのもありですかね？
有名作家ほど、デビュー作がコミックスに収録されている可能性が高く、紹介しやすいと言えば紹介しやすいのですが…？

という事で、また次の機会に誰かの作品を紹介したいと思います。

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巨大建築物が究極変形？ロボットになって番長連合をやっつけろ！！

今週水曜に出た少年サンデー「金剛番長」にて、建物がロボットに変形するというものがありました。
過去にも都庁やビッグサイトがロボットになったりしたのを見た事がありましたが、弟とちょっと話していたらこの作品の存在を思い出したのです。
かつて月刊少年ジャンプで連載していた「優＆魅衣／あろひろし」です。

コミックスは全８巻出ている、あろ先生の出世作ですが、主人公・相夢優が通っていた学校・寸鯉高校が色々と問題のある学校でした。

まずは一番最初の校舎がこれ。
特にギミックはないのですが、デザイン的に８０年代のＳＦを思わせますね。

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幽霊が学校に入った事でガス爆発事故が発生！
優が幽霊を持ち込んだと言われて、停学１ヶ月という理不尽な結果になってしまうのでした（笑）。

さて、壊れてしまったのだから直さなければいけません。
そこで校長は考えた。
直すならスゴイのを作ってしまおうと！

かくして新校舎ＭＫ－Ⅱが誕生！
一見、前の校舎の類似品。
だが、恐るべき能力を持っていたのである！！

中央の校舎部分が９０度回転し、各部変形を開始！
何とこの校舎は空を飛べるのだ！！

しかし！
実はこの校舎にはひとつ問題があったのです。

まだコンクリートが乾いていない！
ボロボロと砕け始まる新校舎ＭＫ－Ⅱ。

そして…街に大災害を起こすのでした（笑）。

だがこんな失敗でくじけないのが我らが校長。
また新たな挑戦が始まったのです！！

名付けて新校舎ＭＫ－Ⅲ出現！！
どんどん学校とは別のものになって来た寸鯉高校。

さっそくその威力を見てみよう！（笑）

変形して飛行モードになるのは前回と同じ。
だが、ここからがＭＫ－Ⅲの本領発揮だ！！

各部変形を開始！
そして！！

ついに学校がロボット形態に！！
自慢の校長先生！
問題は戦う敵がいない事です（笑）。

しかし、この校舎も寿命は短く終わるのです。
ほとんど一人で作り上げた名大工ゴンザレスの「気にイんねえ」の一言で、一晩で壊されてしまったのでした。

かくしてまた長い着工期間が過ぎていきました。
無論、次はもっとすごい校舎になる。
誰もがそう思っていたのです。

そして…！！

新校舎νグレート爆誕！！
過去最高スペックを誇る新校舎！
その能力はまた驚くべきものだったのだ！！

学校のパーツが分離し飛行形態に！
ぼくらの夢を乗せて学校が飛ぶ！
あれは何だ！？
Ａパーツだ！
Ｂパーツも飛んできたぞ！！

今だ！
合体だ！！

新校舎νグレート、大地に立つ！！
すでに学校という存在を忘却したとしか思えない新校舎の存在感！
という事で…。

校長「ししまった！この校舎には教室がない！！」


…………。



しかしこの校舎が、実は最後にものをいったのです！

北部番長連合と南部番長連合のラストバトルに新校舎も参戦！
大バトルを展開したのです！！

実は主人公・優は南部番長連合の総長という肩書きがあるのです。
最後に色々とドラマもあったのですが、まあそれはおいといて、

実は、「優はメガネを外すと野生に帰る」という設定があって、凶暴化するのですよ。
で、思う訳だ。
これ荒苦零猛怒（アラクレモード）だ！（笑）

という事で、「金剛番長」の類似品みたいな記事を急遽作ってみましたけどいかがだったでしょうか？

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情報サイト：AroWiki

優&魅衣 1 (1) (ジャンプコミックス)
あろ ひろし

優&魅衣 2 (2) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 3 (3) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 4 (4) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 5 (5) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 6 (6) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 7 (7) (ジャンプコミックス)
優&魅衣 8 (8) (ジャンプコミックス)

とっても少年探検隊 あろ ひろし

「銃夢」木城ゆきとデビュー作「気怪」

ブログ更新のネタにつまった時は押入れをガサ入れするに限る。
大抵何か見つかるからだ。
という事で、デビュー作シリーズ今回は木城ゆきと先生です（笑）。

最初、この作品が木城ゆきとのデビュー作である事に気がつきませんでした。
と言うのも、見てもらえば分かる様に、「ＹＵＫＩＴＯ」という名前でデビューしているからです。
９７年に集英社から出た「飛人(ひと)―木城ゆきと初期作品集」にこの作品が収録された事で、やっと自分の頭の中でつながりました。
それによると、これを描いた当時作者は高校３年生で、１９８４年の小学館新人コミック大賞で入選してデビューとなった様です。
今でこそ集英社一筋に見える木城先生ですが、初期はサンデーで数本描いており、自分は偶然スクラップしていました。
この作品については、ゆきとクロニクルの新人賞入選作「気怪」というところでも背景が語られていますので自分は多くは語りません。
ここでは、掲載された状況などを多少のネタバレとあわせて紹介したいと思います。

【当時の作者の受賞コメント】
◎メチャクチャ急いでかきました。最初は高校の同人誌に載せる予定だったんで、ノンビリやってたんです。でも、かいているうちに「おッ、うまくかけそ…」なんて思いだして、あわてて応募に切りかえました。締めきりギリギリだったんで、もう徹夜につぐ徹夜！楽しかったですけどネ。

何かコメントに余裕を感じますね（笑）。
そんな彼のデビュー作は大体こんな感じでした。

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宇宙酒場アジール。
運び屋のエイミィらひとつの仕事が舞い込んで来る。
とある宇宙船で次々と起きる変死事件。
その犯人と言われているユーレイが、“存在しない事”を証明して欲しいというのだ。
ユーレイが人を殺す…？

疑問を持ちながらもエイミィは依頼人のトレンチと共に、件の宇宙船へ行く事に―。

これが問題のドックと宇宙船。
それにしても、１７歳でここまで描いた木城氏は脅威としか言えないですね。

ここでエイミィは神父と合流します。

ホーリー神父。
名前はかなりシンプル。
悪霊退治という事で、彼も呼ばれたようなのだが…？

エイミィは幽霊なんて信じない。
必ず何らかのトリックがあるはずだ。
その時、エイミィはエアコンが止まっている事に気がつく。
宇宙では生命維持に必要不可欠な装置であり、人為的に操作しなければ止まるはずがない！
なら犯人は依頼者のトレンチ？
いや…でも実行者がいるはずだ！

殺人犯はこの神父なのか？
何やらエイミィの行動がおかしい。
二人はもみ合いになるのだが…。

結局、神父も被害者に過ぎなかった！？

事故の原因は「空気」！？
実はエアコンの中に揮発性の麻薬が入れられていたのだ！
どうやら初代の船長が密輸しようとしていたらしい。
（それが原因でエイミィは幻覚を見ていたらしいのだが？）

結局二人は爆発事故に巻き込まれてしまう！！

結局ユーレイはいなかった。
しかし、艦内に紛れ込んだ微量の麻薬が循環し増幅されたとしたら、ユーレイとしての力を持つ事もあるのかも知れない…。

といった感じの内容なのですが、かなりややこしい印象はぬぐえませんね。
ただ、絵の力はこの頃から本当にすごいものがあり、審査員の先生方もその点は絶賛している様です。

【斉藤次郎先生より】
◎画力抜群！文句なく今回の応募作の中の最高傑作です。１７歳でこれだけの絵がかけるのは、すごいと思います。細かいところにはいろいろと問題はありますが、いっさい目をつぶってもいいと思いました。今後どのように自分の世界を表現していくか、大いに期待できます。
【藤子不二雄先生より】
◎絵はじゅうぶんに楽しめます。これだけ表現できるのは実にりっぱ！ストーリーについても、前半の盛りあげかたがうまい。読者をグイグイとひっぱりこんでいく力を感じます。ただ、後半の展開がちょっとわかりにくいのが難です。ねらいを読者に伝える工夫をもう少し…
【松本零士先生より】
◎絵的には文句のつけようがない。アイディアの消化という点でも、なかなかのものです。構成上、少しわかりにくい点はありますが、１７歳という年齢からいって、高く評価すべきだと思います。“読者の立場にたった作品づくり”を身につけていけば、将来性は十分でしょう。
【赤塚不二夫先生より】
◎人物・背景ともに、大変よくかけています。ストーリーもしゃれていて、小気味よくまとまっています。なによりもムードのだしかたがうまい！そうとうに実力がありますね。これでもう少し恐怖感の盛り上げかたに工夫があれば、かなりいい線までいけたと思うのですが…

かくして、木城先生はデビューした訳なのですが、これに続く第２作目が発表されたのが３年後のスピリッツ増刊号（８８年１１／９号）でした。

この「怪洋星」は当時作者の最高傑作だったそうで、サンデーに持ち込んだらいつの間にかビッグコミック賞の佳作になっていたといういきさつがあった様です。
この時に新しく担当になった奥村氏が自分を強く推してくれたという事があって、この奥村氏とはいい関係にあった様ですね。
この作品は短編集にも収録されていますので、ここでの紹介はパスしておきます。
かなりの力作ですので、是非見て欲しいですね。

【掲載時の作者のコメント】
◎この作品は我ながら“最高傑作”と自負しており…なあーんちゃって！でも、スクリーントーン代だけで１万円以上かかったし、どうせならもうひとつ上を…と、つい欲も出したりして、次回作では全然違ったカラーのものに挑戦したいと思います。

【白土三平氏の審査員講評】
◎テクニシャンである。しいて言えば、人物の描写にもの足りなさを感じるのが惜しい。内的に希薄な状況に抵抗する姿勢が、ペシミスティックに強く伝わって来る。
【さいとう・たかを氏の審査員講評】
◎構成はなかなかうまく、絵もうまいし、線もきれい。だが、読む者に対して、もうひとつわからせようとする努力をしていない。「なぜそうなったのか」の説明がない。
【小池一夫氏の審査員講評】
◎絵はプロ並にうまい。しかし、内容はいまひとつである。キャラクターに魅力をプラスして…。
【石ノ森章太郎氏の審査員講評】
◎スゴイ！！スプラッター・ムービーに対抗するには、このくらいの絵じゃないとダメなんだろうな。ただ残念ながら、絵に溺れて、ストーリー運びがメロメロになってしまったのが惜しい。
【ちばてつや氏の審査員講評】
◎絵はずば抜けてうまいし、迫力もある。演出も見事で引き込まれるが、作者はややＳＦＸ調に溺れてしまったようだ。絵の“怖さ”は充分あるが、話は「夢」と「現実」が入り混じって解りにくくなっており、作者の表現しようとしている「怖さ」が伝わってこないのが残念。
【横山光輝氏の審査員講評】
◎前半はいいペースで話が進んでいるのだが、後半の盛り上がりがもの足りない。

ちなみに短編集のコメントにもあるのですが、ラストシーンのセリフがコミックスでは修正されています。

掲載時：しかし、彼の心の軌跡は…
コミックス：しかし、彼の狂気は…

細かい事ですけど、編集とのやりとりではこんなちょっとの部分でも修正が入るんでしょうね。
この作品はかなり自信があったらしく、表彰式で「佳作は不服だ！世界一の作品を描く！」的なスピーチをしたとか。
いやはや、そんな面白いシーンだったら是非見てみたかったなあ（笑）。

という事で、また何かレアなネタを見つけましたらその時はまた更新したいと思います。

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◎「ＡＲＭＳ」「ＰＥＡＣＥ ＭＡＫＥＲ」皆川亮二デビュー作「ＨＥＡＶＥＮ」
◎「天使な小生意気」「お茶にごす。」西森博之デビュー作「プー太郎」
◎「ＭＡＪＯＲ」満田拓也デビュー作「蛮勇」

飛人(ひと)―木城ゆきと初期作品集 (YOUNG JUMP愛蔵版) 木城 ゆきと

銃夢(Gunnm) (1) (YOUNG JUMP愛蔵版) 木城 ゆきと

銃夢(Gunnm)Last Order (1) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ) 木城 ゆきと

「レース鳩０７７７（アラシ）」～熱き鳩レースの世界

９０年代のコミックスならモノにもよるけど大抵は古本屋で入手出来る。
しかし８０年代のコミックスとなると人気作品でもなければかなり入手が難しくなる。
ならば、７０年代の作品だったら？
これはもう、入手がかなり困難であると言わざるを得ないでしょう。
文庫などになって近年リリースされていれば問題ないのですが、そうでないなら知らない人は一生知らないままって事も十分ありえる訳です。

という事で、今回は「レース鳩０７７７」です。
何故急にこの作品を引っ張り出したかと言うと、今日の昼間に弟と話していて盛り上がったからです（笑）。

少年チャンピオンコミックス全１４巻。
（復刊ドットコムで全７巻として出た事があるらしい。）
タイトルの「０７７７」は「アラシ」と読みます。
作者の飯森広一氏は実は今年亡くなってしまいました。
かつてはジャンプなどでも連載をしていた作者ですが、代表作といえばこの「レース鳩０７７７」で、当時はチャンピオンが全盛期だった記憶があります。
「レース鳩」という聞きなれないキーワードに子供の頃の自分は衝撃を受け、以後ずっとコミックスを買い続けました。
（だから１巻以外は全部初版で所有。）

という事でこの熱いドラマの一端を今回は語りたいと思います。

ウィキペディア：レース鳩０７７７

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主人公・森山次郎が学校から帰る途中、突然鳩が空から落ちてくる。
その鳩には足に輪がついており、「０６６６」という番号が打ってあった。
それこそレース鳩の証！
昼間から花札をする大人が「アラシ」と呼ぶ。
その「アラシ」は明らかに何かの病気になっており、今にも死にそうになっていた。

次郎は早速専門の人に聞いてみた。
するとジフテリアなのだという。
ここから彼の苦労が始まる。
動物と親密に接するという事はどういう事か？
この作品は、彼の目を通して生き物の愛し方というものを教えてくれていた様な気がします。

アラシの正体は？
実は鳩レースの世界で数々の優勝記録を持つグレート・ピジョンだったのだ！
持ち主の黒田老人は病気を治してくれたお礼として、自分の持っている鳩から好きなものをあげる約束をする。

５００羽もいるという黒田鳩舎。
しかし、色々見ても２００万もするというグレートが一番いいのは間違いがなかった。
そこで次郎はグレートの子供をもらえないかと提案する。
卵が２つ生まれているので片方をもらえないかという訳だ。
そして黒田氏は断腸の思いでその要望を受け入れたのだ！

いくらなんでも生まれるのが遅い。
これは死産？
そう思われた卵だったが、予定より２日遅れでついに！

本編の主人公・アラシの誕生である！！

レース鳩はまず登録しなければならない。
専門の用紙に書き込み、足環をもらうのだが…そのナンバーが「０７７７」！
偶然と言えば偶然。
「０６６６」の子供が「０７７７」というのは出来すぎている。
しかし、これで正式に０７７７（アラシ）という名前が確定したのだ！

ここからアラシの成長の過程が描かれるのだが、それはちょっと割愛。
苦労する事でアラシと次郎のつながりはより強固になって行くのです。

そしてついに空を自由に飛べるまでになりました。
少しづつ訓練を重ね、いよいよ夜間訓練をするまでになったアラシ。
そこへ謎の影が現れる！！

それこそ父０６６６（グレート）と兄０９７６（マグナム）の姿だった！！
互いに似ている事は感じても、兄弟などとは知らない両者。
しかし、誇り高きグレートの血は二人を高いステージへ押し上げて行く！！

そしていよいよアラシもレースに初参加。
まずは１００キロレースだ。
レースの仕組みとしては、まず参加者全員で専用のピジョンタイマーをセット。
鳩が自分の鳩舎に帰って来たら足環につけた番号の入ったゴム輪をタイマーに入れてハンドルを回す。
これにより時間が決まり、スタート地点から家までの正確な距離を計算して最終的な順位が決まるという仕掛けなのだ。

そのタイマーだが、次郎は店の主人からピジョンタイマーを手に入れる。
しかし、それはＳＴＢスペシャルと呼ばれる誰もが欲しがる貴重なタイマーだったのだ！
さすがに受け取れないと思った次郎だったが、店の主人が亡くなっている事を知るのだった…。

さて、こうしてレースが始まると、いよいよライバルたちが出て来る訳です。

まずは０００１（トップ）。
短距離では圧倒的な成績を誇る。
だが、硬い筋肉の為に長距離には向かないという性質を持つ。
（勉強ばかりしていた睦月君だったが、鳩を通して人間関係を築き上げていく様になった。）

若い世代を守る為？
グレートはアラシとマグナムを導いて死んだ。

ここに、新たな世代による戦いが始まったのである！

黒い弾丸１７２０（イナズマ）。
稲妻の様な羽音が特徴。
夜目が利かない為、２日にまたがるレースでは不利。

９９９９（マックス）。
アメリカのペパーマン系の鳩の為巨体。
レースでは存在感がある。

１８６５（デリンジャー）。
体は小さいが気が荒い。
名前は１８６５年にリンカーンを暗殺した拳銃デリンジャーから。

０２９６（オフクロ）。
方向感覚に優れた鳩。
飼い主が日本中を旅行している為、他の鳩が知らないルートを持っている。

レースの敵はライバルの鳩だけではない。
いついかなる時でも生死が隣り合わせにあるのだ。
日が落ちてあたりが暗くなった。
しかし、道路だけは明るかった。
道路に沿って飛べば夜でも飛べる。
だが、その判断が多くの鳩の命を奪う！！

０１０８（ビャクヤ）。
鳩痘にかかり生死をさまよった事で顔に大きな歪みが残った。
夜目がかなり利き、何かと喧嘩っ早い。

１００キロレース、２００キロレースと段々と距離を伸ばし、ついに８００キロレースが開催。
スタート地点は北海道長万部の為、東京に向うには津軽海峡を越えないといけない。
アラシにとっても初の海越えレースとなるのだが、陸続きではありえないアクシデントも起こる。
墜落＝死という危険な旅なのだ！

真紅の鳩９０７１（クレナイ）。
レース用とは異なる観賞用の鳩の血を受け継ぐ為その体は赤い。
持ち主が女性という事で、次郎もソワソワして…？（笑）

７８０６（ナパーム）。
持ち主は外国人のジャック。
オドオドしているが、レースになると豹変してその実力を発揮する。

ショットガングループの７羽。
それぞれバレット１号、２号～７号と呼ばれる。
半数がライバルの攻撃に周り、残りがゴールを目指すというスタイルを持つ。
その卑怯な戦法の為か、最後は悲惨な事になるのだが…。

最後のレースとして１１００キロレースが開催！
スタート地点は北海道稚内。
鳩たちはこれからどれだけの距離を飛ばされるのかは知るはずもない。
だが、車での移動感覚で、これからとんでもない距離のレースが始まる事だけは感じているのだ！
長い移動時間で鳩たちのストレスはマックスに。
一部でケンカも始まるのだが、優秀な鳩はじっと耐える。
体力を温存しなければ死ぬ！
それはビャクヤとて同じなのだ！！

そしてついに１１００キロの超長距離レースがスタート！
だがここで大問題が発生する。
何と、台風が進路を変えて直撃して来たのだ！！

かくして、生き残りを賭けた壮絶なるラストレースが始まる！！

生か死か！？
最後の最後で出会ったのは血を分けた兄弟だった！！

凄絶なる死闘の末に次郎が見たものは…？

とにかく、ラストシーンは泣ける！
子供の頃に読んで感動した作品ですが、今読んでも泣けます。
何故こんなスゴイ作品が書店で売ってないんでしょうか？
何とか再販とか文庫化とかしてくれないですかねえ？

【関連リンク】
◎A World of Good Forest
◎社団法人日本鳩レース協会
◎社団法人日本伝書鳩協会
◎電子書籍
◎復刊ドットコム

レース鳩0777 【コミックセット】
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「サルまん」誕生のキッカケにもなった江口寿史「パパリンコ物語」の伝説

かつて江口寿史先生がスピリッツで連載していた「パパリンコ物語」という作品を知っているでしょうか？
８０年代前半に週刊少年ジャンプで「すすめ！パイレーツ」「ストップ！！ひばりくん！」等で人気を博し、当時はジャンプの顔の一人だった江口先生ですが、同時に「原稿を落とす」事でも有名になってしまい、ジャンプではもう読めないのかなと思っていたらスピリッツで連載が始まったので当時はかなり驚きました。
時は１９８５年。
まだスピリッツが週刊になる以前の作品です。
結果として全１０回で打ち切りになってしまったのでコミックスも出ていません。

そんな作品ですが、自分はちゃんと雑誌の切抜きを保存していましたので、ここでちょっと語っておきたいと思います。

ウィキペディア：江口寿史／パパリンコ物語

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江口寿史といえば当然ギャグ。
そのテンションが一番高かったのもこの頃だった気がします。
逆に若い頃じゃないとギャグは難しいんじゃないかなとも思いますが。
ミュージシャンの名前がいかにも８０年代なんですが、江口カラーというとポップな印象もあり、こういうのが昔から合っているんですよね。
その一方でリリアンとか、話題が突然変わるのも何ともいえません（笑）。

ウィキペディアにもありますが、主人公のシュミはダイヤモンドゲーム。
娘のリンコに朝からダイヤモンドゲームを要求したりします。
昔、自分の家にもダイヤモンドゲームがありましたけど、コレってどうやるんだっけ？
もう忘れちゃったよ（笑）。

街で拾った男にホの字の飲み屋の女将さん。
こういうギャグは江口先生らしいですね。
このコマは第２話なんですが、第１話が巻頭カラーで第３話が２色カラーになっており、カラーが多いからこそのギャグだったのかな、と。
どっちみちコミックスになるとカラーとか関係なくなるんですが、ね（笑）。

お祭りの露店で金魚すくいをするリンコ。
大漁ゲットを見た女将さんはすかさず料理に（笑）。
ここで美味しんぼのパロが入るんです。
まだ美味しんぼが始まったばかりの頃で、この栗田さんも初期の顔をしています。

主役のパパ・有馬三郎は２９歳。
娘の鈴子は１５歳。
三郎が１５歳の時の娘だそうです。
有馬家は大財閥なのだが、若い頃の三郎はヤンチャをしすぎて生まれた娘と一緒に家を飛び出してしまった。
そんな彼の元に父親が迎えに来た訳です。

これにより、それまでの６畳一間のストーリーから一変する事になるのですが…。

大邸宅で待っていたのは父・三郎の兄弟達、リンコにとっては叔父伯母の存在でした。
叔父伯母とはいえ、まだ若く、こんなイヤミを言ったりもしました。
だが、リンコはこんなくらいでめげる様な娘ではありません。
逆にイヤミを言い返したりするのです。

突然お金持ちの家の娘になったリンコの新生活が始まりました。

服が欲しい。
２００着くらい。
そんな冗談を言ったところ本気で沢山服が届く。
ここでは冗談が通用しない。
そしてお嬢様学校に通う事に勝手に決められてしまう。

伯母さんも実は高校生だった！
一緒にお嬢様学校・聖ハレルヤ学園に行くのだが…。

実はここで連載が終わってしまうのです。
「ここからいいところだろ！」と何度叫んでも続きはありません。
当時はスピリッツでも気に入っていた作品だっただけに、終了にはかなりガッカリしました。

学校に通うラストが第９話。
で、これが第１０話（ラスト）になるのですが、作者自身が終始終了の挨拶をし、第２部の予告がついているだけでした。
実は、この話はスピリッツが週刊になる直前号だったんですよ。
週刊になる話は以前からありましたので、週刊になったら「パパリンコ」はどうなるんだろうと心配していたら案の定という訳です。

さて、この連載は６話目ですでに休載するなど、最初から不安定だったのですが、２度目の休載の際、ビックリするような記事がスピリッツに掲載されたのです。
その名も「落日新聞」！！
江口寿史がまた原稿を落としたという事を誌面を使って話題にしたのです。
これは本当に驚きでしたね。
基本的に雑誌はマンガ家を守って「作者急病」という言葉を使うのが普通なのですが、さすがに江口先生の作品でそれを言うのは白々しすぎる。
という事なのかどうかは知りませんが、ここで相原コージ・竹熊健太郎という「サルまん」コンビが出て来たのです。
当時、江口先生の担当だった江上英樹について、ウィキペディアにはこうあります。

＞『スピリッツ』時代はヒット作を多く担当していたのだが例外もある。運悪く江口寿史の『パパリンコ物語』（1985-86／全10回で打ち切り）の担当になってしまい、まったく原稿を描かずに落としまくり逃げまくる江口につきあったために身体を壊すことになった。この連載の休載時、空いたページを埋めるための企画（『落日新聞』）に竹熊健太郎と相原コージを起用し、これが後の『サルでも描けるまんが教室』につながった。

激励特集という名の応援企画にはなっていますが、当時は結構悪意を感じましたね。
「落日新聞」は合計７ページ。
その中で、「作品が落ちるまで」と題して、その分析が載っていました。
これはもう竹熊氏がノリノリだったんじゃないかと。
ところどころに相原氏の絵が入っていますが、こういう所に将来の「サルまん」を予感させてくれます。

ところで、知名度のある江口先生だけに、実は色々な人から応援メッセージも届いているのです。
最初の休載の際には、あの高橋留美子先生もコメントを出していました。

ビバ！パパリンコ！！　高橋留美子（漫画家）より

＞江口さんは、前からファンだったんです。「パパリンコ」は特に面白くて毎回楽しみにしています。
自分が作品を描いている同じ誌面に、こんな素敵な作品があると思うと励みにもなりますし…。
一刻も早く単行本で拝見したいと思っていますので、これからの展開を期待しています。

結局、高橋先生の期待通りには行きませんでした。
「パパリンコ物語」は未完成の作品になってしまいましたが、今でもこれは勿体無かったと思うんです。
順調に連載が進めば、何かしらのメディア展開もあったんじゃないかと。
まあ、江口先生があの調子じゃ結局難しかったかもしれませんがね。

ウィキペディア：江上英樹

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「ＭＡＪＯＲ」満田拓也デビュー作「蛮勇」

デビュー作シリーズ今回は満田拓也先生です。
「ＭＡＪＯＲ」で少年サンデーコミックス最長記録を更新している満田先生ですが、デビューは1982年、「蛮勇」という作品で第11回新人コミック大賞佳作という形でした。
デビュー作というのは作家にもよりますが、コミックスに必ず収録されるという訳ではない為、見たくても見られない作品というのが結構あろうかと思います。
少年サンデーが８９年に出したこの増刊号では、７人（中原裕・青山剛昌・藤原芳秀・満田拓也・島本和彦・窪之内英作・寺島英樹）のデビュー作及び第２４回新人コミック大賞入賞作品が収録されています。

７人に関しては再録になる訳ですが、最近こういった増刊号がサンデーから出なくなっている為、結構貴重なのかな、と思います。

今回はこの再録されたものから紹介します。
尚、上記にある他の６人の作品は何か気になるものがあればコメント欄に書き込んでください。
時間のある時にまた紹介致します。

さて、この「蛮勇」ですが、内容は近未来のキックボクシングとでもいうべきジャンルです。
絵的にも、今の作家とは結構違う印象ですね。

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舞台は２０１６年。
この作品は８２年の作品ですから、当時からですと３０年以上未来の世界を描いたものという事になります。
まあ、０８年の今では、たった８年後ですが（笑）。

主人公はブロウファイターの佐野勇。
賭博が公認されたスポーツ・ブロウファイトで戦う彼を取り巻く状況は、決してよくはなかった。
６回戦で戦う彼は今日も残念な結果になってしまう。

女性トレーナーのメムについつい当たってしまう佐野。
一方、サングラスの彼はチャンピオンのゼーダ・スタンブル。
何か凄いモットーを語ってますが、やたらと偉そうです（笑）。

勝てない佐野に嫌味を言うメムとついに決別！？
メムはジムを出て行ってしまう！！

転属してきたマク・レイダーによると、メムは彼と入れ替わったそうです。
すなわち、メムはチャンピオン・スタンブルのトレーナーに！？
それを聞いた佐野は何か面白くない様子。
早速偵察に行くのですが…。

そこで見たのは二人のデートシーン！？
トレーニングじゃなくてプールとテニスを覗いたりなんかして、完全に佐野君はストーカーです（笑）。

結局ガマンが出来なかった佐野は、町中でスタンブルに突っかかってしまう！！

チャンピオンに挑戦する事を宣言する佐野！
何と当人同士の会話で、勝負が決定してしまう！！

しかし、挑戦する事になったのはいいが、勝つ事が出来るのだろうか？

新聞のニュースによると、一部の試合で不正があったらしい。
ＤＰＳと呼ばれる薬を使うと意識がなくなると言うのだが？

その日の夜道、彼は謎の女の襲撃を受ける…！？

それから１週間後。
佐野はみるみる強くなっていた。
理由は分からない。
だが、強さとは逆に元気がなくなっていた。

心ここにあらず？

チャンピオンサイドでもひとつのドラマが…。
やはりチャンピオンはメムに惚れていた？

このさりげない感じが何かいいですね。

いよいよ始まるメインイベント１５回戦。
ゼーダ・スタンブルＶＳ佐野勇。

そのリングの外では何やら怪しげな二人組が…。

実は、佐野にこっそりとＤＰＳを施した連中がいたのだ。
目的はギャンブル。
佐野の勝利に１００万ガトルという金額を賭けたそうです。

…ガトルってどれくらいなのかな？（笑）

結局賭け率は８対２。
何だかんだで、佐野に賭ける人も結構いるみたいですね。

試合は始まってみれば、誰も予想しなかった佐野の一方的な展開に！
ダウン寸前のチャンピオン！！

だが、佐野は意識がすでになくなっていた？

そこへメムの声。
段々と意識を取り戻し始めるのだが…。

ついに意識が戻った佐野！
つーか、試合がある事すら知らなかったのか！？

結局ここからはチャンピオンの一方的展開に…。

だが、不用意なこの言葉がいけなかった。
佐野の闘争心に火をつけてしまう！！

佐野の反撃！
しかしチャンピオンも負けていない！！

ついに試合は泥沼状態になり、結局ノーゲームという結果になってしまった。

試合は終わったが、トレーナーの爺さんがやめてしまったとか。
「薬をやっていたのを見抜けなかった」責任を取ったそうです。

しかし、肝心の本人に対しては何もペナルティはないのかな？（笑）

そして彼女は帰って来た。
中々本心で語れない二人ですが、今後もこんな調子でやっていくのでしょう。

という感じの作品です。
作品の雰囲気とかは今の満田作品に通じるものは感じるのですが、絵的にはかなり違う印象ですね。
師匠は原秀則先生だそうで、確かにそんな感じも見受けられますが、やはり荒削りな感じは否めません。
これだけ絵柄が違うと、将来コミックスに入る可能性は薄いですかね？（苦笑）

コメントによると描いたのは高校生の時だとか。
卒業してから２年近くブランクがあって２０歳で思い立ってマガジンに応募したそうなのですが、そこでは佳作にしかならず名前しか出なかった。
しかし、それをサンデーの編集の人が見つけて電話をくれたのがキッカケでサンデーでの連載につながったそうです。
まあ人生何があるか分からないものです。

という事で、また機会があれば誰かのデビュー作を紹介したいと思います。

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◎「天使な小生意気」「お茶にごす。」西森博之デビュー作「プー太郎」

「メジャー」アメリカ!挑戦編 4th. Inning 森久保祥太郎 野田順子 咲野俊介

MAJOR 67 (67) (少年サンデーコミックス) 満田 拓也

「天使な小生意気」「お茶にごす。」西森博之デビュー作「プー太郎」

デビュー作シリーズ今回は西森博之先生です。
この「プー太郎」という作品は、いわゆる新人漫画賞ではなくサンデーで行われているサンデーマンガカレッジでの受賞作品です。
少年サンデー８８年１月増刊号（現：サンデー超）に掲載されました。

西森先生といえば、「今日から俺は！！」以降サンデーでヒット作を連発している作家さんですが、その原型はすでにデビュー時に見受けられる様です。
そんなデビュー作「プー太郎」をちょっと紹介します。

【作者のデビューコメント】
◎本日は、わざわざ私のまんがを読むために、少年サンデー増刊号を、誠意の定価３６０円にてお買い上げいただきまして、誠にありがとうございました！私が西森です。エッ！？おまえなんか知らない！？こりゃまた、ひつれーいたしやしたっ、はっ！！

…ノリノリですね（笑）。

ウィキペディア：西森博之

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理恵ちゃんと真二君は相思相愛。
だが、真二君は毎日ぷらぷらのプー太郎。
娘を持つ父親としては、この付き合いは絶対許せない様です。

父の反対を押し切って彼のアパートへ行くも、午後１時だというのにまだ布団の中。
聞けばまた仕事を止めてしまったそうです。

お調子者の真二君。
「俺にはデッケー夢がある」と言うも、その言葉は軽い。

だが、そこに思いもしない来訪者が！！

突如現れたヤクザ。
「１００万　耳を揃えて払ってもらおーか！」
借用書を突きつけられるのだが、全く見に覚えがない！

払えないと見るや、ヤクザは理恵ちゃんを連れ去って行ってしまったのだ！！

何が起こったのか？
ヤクザが置いていった包丁を手にし、理恵の親父のところに行くも不在。
どうすればいいんだ！？

こうなったら強盗するしかない！！
悪友・高木を誘い銀行強盗を決行する！！

が！

不発（笑）。

ヘラヘラしている人間だけに、さすがに強盗は無理だったのか？
しかし、このままでは理恵が危ない！
タイムリミットは夕方５時。
それまでに１００万用意出来なければ理恵がどうなるのか分かったものではない！！

こうなれば殴りこむしかない。
場所は３丁目ニコちゃんローン。
怒りのままに事務所の前まで進む真二。
しかし、扉の前で足がすくむ。

「たまには本気になろーぜ。」
「行くぜ理恵ちゃん！」

真二特攻！！

本気になった真二は凄かった！

だが、ここで思いもしない展開に。
理恵の父親こそが黒幕で、５時までに来なければ娘と別れさすつもりだったのだと言うのだ！

その事は理恵自身は知らなかった様子。

嘘ぱかりの中で唯一の真実。
彼女の愛は深かった。
こんな男の何処に惚れた！？（笑）

「俺はゲームに勝ったんだろ？じゃ、理恵はもらったぜ！」
終わりよければ全てよし。
やけくそパワーでハッピーエンド。

といった作品なのですが、そもそも（頼んだと言うけど）親父とヤクザのつながりは？とツッコんでおきます（苦笑）。

まだ新人らしい荒削りな印象ですが、後のヤンキー漫画に通じるものがありますね。
この時点で今の西森氏を想像出来る人がどれくらいいるでしょうか…？

この作品の存在自体忘れていましたが、開かずの押入れを開けたら８０年代のものが色々出てきまして、その中でこの作品を見つけました。
また何か見つけたら紹介したいと思います。

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お茶にごす 4 (4) (少年サンデーコミックス) 西森 博之

天使な小生意気1 ノートリミング・ワイドスクリーン版 林原めぐみ 高木渉 大本眞基子

「ＡＲＭＳ」「ＰＥＡＣＥ ＭＡＫＥＲ」皆川亮二デビュー作「ＨＥＡＶＥＮ」

久々のデビュー作紹介シリーズ、今回は皆川亮二先生です。
「スプリガン」のヒット以降次々と話題作を発表し続けている皆川先生ですが、デビュー作は第２２回小学館新人コミック大賞入賞という肩書きでした。

この読み切りをしまっていた場所が“開かずの押入れ”だったのですが、この度部屋の大掃除を決行した結果、忘れていたこの作品の発掘を可能にしました（笑）。
８０年代の作品が他にも色々出てきましたので、また機会があれば紹介したいと思います。

【当時の作者の受賞コメント】
この作品を読んでくれて「オレ、こーゆーの好きだぜ」と思った人、「こんなのつまんねーぜ」と思った人、「くだらねー」と思った人、「才能ねー」と思った人…とにかくなにかしらの感想を下されば非常にありがたい次第です。未熟者ですが、これからもヨロシク！！

ウィキペディア：皆川亮二

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バイクで飛ばす少年。
彼女との間に子供が出来てしまった様子。

だが、次の瞬間大型トラックに激突してしまう！！

だが、次の瞬間男は日劇の前にいた！
見覚えのない風景に、少年は通りの人間に道を聞こうとするのですが、みんな無感情な様子。
そんな彼の前に、事故前に姿をみせた男が再び現れる！！

ここは天国。
ゆえに建物も取り壊されたものがここにあるのだ！！
（この独特の天国表現が素晴らしいのですが、新人とはいえここまで緻密に描き込んでいるのはスゴイですね。）

街で会った人々が無感情なのはこっちの世界でゼロから始める為。
主人公・響達也（２５）が感情を持っている方がおかしいのだという。

案内された家に行くと、そこには２年前に死んだばあちゃんがいた！
しかし、感情もなく、何も受け答えしてはくれない！
誰かいないのか！？
感情がある人間は！？

そんな中、彼女にそっくりな人物に出会う。
名は森下紫野（１８）。
難病で死んでしまったのだという。
達也は何とか彼女の感情を取り戻そうと得意のギターを弾くのだが…。

そんな中、実は達也の死が間違いだった事が発覚する。
帽子の男＝神様に食って掛かる達也。

外界に戻る方法はひとつだけあるという。
それはこの世界で死ぬ事だ。
向こうで死んだ者がここに来る様に、ここで死んだ者は向こうの世界に行けるのだ！！

それを聞いた達也は建物の窓からジャンプを――！

しかし、ギリギリで神様が救出。
自殺や人殺しではダメなのだ。
そんな事をすると肉体も魂も完全に消滅してしまう！

実際の話、元に戻るのは不可能。
何故なら…。

すでに骨だから（苦笑）。

かくして達也はこの世界で生きていく事になるのだが…。

彼は何とかして紫野さんの感情を取り戻したかった。
車で連れ出したり、街頭で歌を歌ったり…。
たぶん神とやらが、つまらない世界を作る為に感情を封じ込めたんだ。
「波風立たない世界の何が面白い！？こんな世界オレが作り変えてやる！！」
その為にも紫野さんには目覚めてもらいたいのだ。

色々連れまわしたせいで病気になって寝込む紫野。
達也は必死に看病した。
そんな彼の気持ちが伝わったのか、いつしか彼女の表情が和らいでいく。

彼女を病気にしてしまった責任を感じた達也は彼女から離れようとするのだが…。

何と彼女は感情を取り戻したのだ！！
奇跡は起こった！？

ならば今こそ審判の時。

神の車がふたりに死を与えに突っ込んで来る！！

そして…

時は流れた。

ふたりはこの世に転生した。
達也は生まれるはずだった自分の子供として。
ふたりの愛はここから始まる。

といった作品なのですが、何かもう新人離れした作品ですね。
表現が緻密で驚かされます。
その事は選行委員のコメントでも感じられました。

【赤塚不二夫先生より】
◎非常にシャープな人物と背景で、デッサン力を感じさせる。ストーリーの展開もプロフェッショナルな面白さがあり、実力を持っている人だと思う。「天国」の設定に東京懐古ブームをとりいれている点もジャーナリステックだ。ラストにもうひと工夫ほしかった。
【藤子不二雄Ａ先生より】
◎何ごとにも反応せず、まったく感情を持たない人間ばかりいる異次元世界（天国）。そこへ血の気の多い主人公がまぎれ込む。このプロローグの設定がなかなか面白い。絵も背景までていねいに描き込まれてあって、見せる。ただ、もっと話にパワーがほしかった。
【斉藤次郎先生より】
◎今回の応募作の中では、この作品が一番の収穫だったと思います。「神様」のキャラクターも独創性が感じられて非常にいいし、「天国」の描写も読者の意表をついていて面白い。ちょっと惜しかったのは、オチが予想通りのものになってしまったことでしょうね。
【松本零士先生より】
◎人物のデッサンもしっかりしていて、非常に絵のうまい、達者な作家です。背景もきちんと描き込まれています。ストーリーも、ていねいにテンポよく進んでおり、たいへん楽しめました。ただし、ラストの２ページでの人間関係がちょっとわかりにくいのが残念です。

いずれも非常に高評価なのが分かります。
現在もイブニング、ウルトラジャンプ等で活躍を続ける皆川先生ですが…。
またそのうちサンデーに戻って来て欲しいなと思ったりするのは、自分のわがままでしょうか…？

関係ないですけど、各ページの上の部分のタイトルのところに「ネオ・サイキックロマン」とあるのですが…どの辺がサイキックなのか未だによく分かりません（苦笑）。

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桂正和「ウイングマン」の記憶

創刊以降順調なジャンプスクエアですが、その魅力はやはり豪華な作家陣にあると思います。
予告編によると、何と５月号では原作・鳥山明＆作画・桂正和による作品が登場するとか！
今まで考えられなかったコラボに、自分は早くも興奮しております（笑）。

鳥山明氏と桂正和氏には親交があるそうですが、両氏共８０年代のジャンプを代表する作家で、特に桂氏はその美麗な絵柄でファンが多かった思います。
桂先生というと９０年代以降では「電影少女」「Ｉ’Ｓ」、現在も「ＺＥＴＭＡＮ」をヤングジャンプで連載していますが、やはり原点として「ウイングマン」の存在は外せません。
今でいうなら「ＴｏＬＯＶＥる」的な位置でしょうか？

（クリックで拡大します。）
桂先生の特撮ヒーローに対する愛情を感じさせる「ウイングマン」とはどんな作品だったのか？
ジャンプ初登場から２５年も過ぎた現在、若い世代では知らない人も少なくないのではないでしょうか？

ウイキペディア：ウイングマン

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連載が始まったのは１９８３年のジャンプ５・６合併号。
今年で２５年目です。
（クリックで拡大します）
主人公・広野健太は特撮ヒーローオタク。
自作のヒーロー・ウイングマンの着ぐるみを着て学園で日々大騒ぎをしている。
そんなある日、道端で謎の少女・アオイを拾う。
彼女の持っていたドリムノートは書いたものが何でも実現するという、異次元のノートだった。
健太はいつもの調子でノートにウイングマンのラクガキをするのだが…。

健太の体に突如異変！
正義のヒーロー・ウイングマンの誕生の瞬間だ！！

異次元都市ポドリムスを制圧したリメルはドリムノートを追っており、ノートを守る為、アオイと共にウイングマンは戦うのだ！！

ヒロインの美紅ちゃんは当初健太が陰から守っていたのだが、正体がバレてからはウイングガールズのひとりとして戦う事に。
桂先生の美少女ヒロインがここから色々登場する事になるのです。

色々あって、ウイングマンをサポートする４人がウイングガールズを結成！
「ウイングマン」は特撮ヒーローアクション以外の部分、特に美少女に関しては色々と楽しませてもらいました。
アオイさんがそもそも露出が高めですし、入浴シーンなどのサービスシーンもちゃんとありましたからね（笑）。

敵の人造人間だった“りろ”ちゃん。
ネーミングもスゴイですけど、彼女が味方になって読者に新たな需要が？（笑）

これはアニメ未登場のヴィム。
原作では前半のリメル編と後半のライエル編の２部構成となっていて、アニメではライエル編はやりませんでした。
惑星を宝石にするという、何やらデタラメにデカイ目的を持つ敵の登場に、当時は興奮したのですが…。

さて、「ウイングマン」といえばアクションが肝。

一番の大技として使われたのは「デルタエンド」。
３人に分裂して相手を囲み、三角錐のビームの檻に閉じ込めて敵を爆発させる必殺技です。
アニメでも後半はキメ技として何度も出ていました。

結局アニメには出なかった「デルタエンド」に代わる必殺技「ヒートショック」。
敵を「デスボール」で固定し一刀両断にする技です。
出来ればライエル編もアニメで見たかったですね。
（当時のアニメについては、特にここではいませんが。）
そのアニメですけど、ジャンプ作品は当時次々とアニメになっていった時期でして、アニメ化がかなり早かった印象でした。
これは当時のジャンプの記事ですけど、桂先生がセル画に挑戦する記事が出ています。
（クリックで拡大します。）
でも確か先生は、アニメじゃなくて特撮でやって欲しかったんじゃなかったかな？（苦笑）
何せ、自分でウイングマンの着ぐるみを作って着てしまったくらいですからね。
（クリックで拡大します。）
確か１００万円かけて作った話が雑誌に出ていたと思いますが、当時どれだけウイングマンに力を入れていたかをうかがわせてくれます。

さて、ここまで記事を作って今さらですが、実は全部当時のジャンプから画像を出しています。
実は全話ちゃんと戸棚に残ってたんですよね（笑）。
当時のジャンプはまだ１７０円だとか、色々情報が見えますけど、やはり当時の美麗なカラーイラストを久々に見られて面白かったです。
以前、大判のコミックスが出たと思ったけど、カラーイラストとかどうだったんでしょう？
アレは買ってなかったので分からないんですよね。
それとは別にイラスト集とか出ていたはずですけど…。

最近の桂先生は絵柄がすでに変わっているのですが、こういった昔の作品も中々捨てがたいです。
こういった昔の作品とか、また機会があれば紹介したいですね。

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「マジカル・レッド・シューズ」～幻の「昴」アナザー・ストーリー

部屋にある古い雑誌をチェックしようと押入れを開けようとしたら、１０本入りのビデオテープの箱が２０箱近く頭の上に降りかかり、あまりの恐怖に断念せざるを得ませんでした（苦笑）。
実際、２０年近く自室の押入れを開けておらず、「ジョジョの連載１回目とか、絶対この中だよな～」とか分かっているのですが、この“レアネタの宝庫”は余程の事がない限りネットでの紹介は難しそうです。
８０年代のものがかなり残っているハズなんですよ～（苦笑）。

その代わりと言っては何ですが、別室の棚をチェックしていたら懐かしいものが。
バレエ漫画「昴」の作者・曽田正人が、初めてスピリッツに描いたバレエ読みきりを見つけたのです。
この「マジカル・レッド・シューズ」の主人公の名前は宮本昴。
そう、あの「昴」です。
この読みきりが発表されたのが９５年のスピリッツ７月増刊号で、実は「め組の大吾」よりも古いんですよ。
「め組の大吾」の連載は９５年のサンデー３８号～、すなわち８月からの連載となっており、この読みきりが発表されてそのまま「昴」が始まった訳ではないのです。

作者のコメント：「初めまして。少年チャンピオンで『シャカリキ！』を連載していましたが、青年誌は、ほとんど初めての経験です。燃えるような主人公と共に、今後もよろしくお願いいたします。」

という事で、後の「昴」の元になったと思われる読みきり「マジカル・レッド・シューズ」をちょっとだけ紹介します。

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主人公・宮本昴は連載では子供の時期から始まりますが、さすがに読みきりでは高校生からスタート。
昴の姿も連載版よりやや大人の印象で、女性からもカッコイイと思われる存在の様です。
その為、イヤガラセも受けている様で、その中で昴は実力を見せ付ける事になります。

バレエに対して、並々ならぬ執念を見せる昴。
その演技は影でありながら、メインを喰ってしまう！？
昴の実力は観客の目をひきつけてしまうのだ！！

さて、この宮本昴にはおばあちゃんが登場しています。

このおばあちゃんの名前は宮本五十鈴。
昭和中期の名プリマとして有名との事。
その孫には彼女の血が受け継がれている～という事になっています。

連載版の「昴」では日比野五十鈴というおばちゃんが登場しており、恐らくこのキャラが読みきり版のおばあちゃんの代わりなのでしょう。
絵的には少し若返っている感じでしょうか？

連載前に読みきりが掲載される事は珍しくありませんが、コミックスになる際に収録されない場合もあり、今回の場合は未だ未収録の様子。
連載が続いている場合、コミックスの途中で収録されるのは青年誌では稀で、このままだと連載終了になるまでこの読みきりが陽の目を見る事はないのかも知れません。
短編集とか出す予定はないのでしょうかねえ？

それとも自分が知らないだけで、何かのコミックスにすでに収録されてたりして…（苦笑）。

ウィキペディア：曽田正人

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◎待望の続編第１巻がついに発売ッ！！

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「アタゴオル」ますむらひろしのダークな７０年代作品

ますむらひろしという作家をご存知でしょうか？
猫のキャラクターに特徴があるファンタジー作品を主に描いており、近年「アタゴオルは猫の森」が映画化された事で注目度が上がっている作家さんです。
細目で巨大な猫のヒデヨシはＣＭになった事もあるので、そこで見た事がある人もいるかと思います。
そして現在も月刊コミックフラッパーで「アタゴオルは猫の森」を連載中なのですが…彼がデビューした頃の初期の作品がかなりダークな内容なのをご存知でしょうか？

ますむらひろし先生は、実は少年ジャンプでデビューしているのですが、そのデビュー作「霧にむせぶ夜」を子供の頃見て、かなりの衝撃を受けたのです！

ウィキペディア：ますむらひろし

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「アタゴオル物語」の第１巻のヒデヨシがこれ。
体毛が細かく描かれており、それがリアルな印象になっています。

現在連載中の「アタゴオルは猫の森」のヒデヨシがこれです。
線がかなり整理されており、いかにもなファンタジーキャラになっています。

連載が長く続くと、絵のタッチが変わって行く事はありますが、彼もまたかなり雰囲気を変えていった作家さんなのです。
そしてそれは、特に読みきり作品に強く感じられます。
初期の短編集「永遠なる瞳の群」には７３～７８年の読みきりが収録されているのですが、子供の頃この本が結構トラウマでした。
小さい頃、夢に出てうなされたりしたんですよね（苦笑）。
ダークファンタジー、いやほとんどダークホラーと言っても過言ではありません！

デビュー作「霧にむせぶ夜」がジャンプに掲載されたのが７３年３３号。
子供の頃、親戚の家で古いジャンプを見せられたのが最初のトラウマ。
猫が深夜に集って人類を滅ぼす会議をするという内容なのですが、現在描かれている猫キャラとは根本的に違って、やたら怖いんですよ！（苦笑）
初期の頃の絵はまだバランスが悪かったりしているのが、また怖い！
綺麗な絵でホラーとか描かれている作家さんの作品とか見ても、それほど怖くなかったりするのは絵の綺麗さが安心感を生んでいるからで、逆に不安定な絵だと、見ているだけで不安感が広がるんです！

猫にしているだけで、完全にオヤジキャラな面々。
説明のくどさが不安感を増長させています。

デビュー作以外の読みきりがまた怖い。
「夏の終わりにやって来た春」では、人類が全員謎の病気・紫ハンテン病に冒され、植物化してしまう！
恐らく現在のますむらひろしが描いたら、思いっきりメルヘンになってしまうのかも知れません。

「自動販売機」では、自販機から出てきた謎のジュースを開けたら、植物が無限に噴出して来た。
さらに友人の持つジュースを開けたら無限に水が噴出し、あっという間に世界は水没してしまう！
このコミックスの中では、比較的夢のある話かな？

子供の頃夢に出てきた「理科室の地下で」。
友人たちや先生が次々と別人の様に変わって行く。
この絵を見ても分かる様に、何だかバランスが異様。
美麗なイラストより、こういう絵の方が忘れにくい。
で、夢に出て来る、と（笑）。

例によって、猫はリアル。
ますむらひろしと猫は切っても切れない関係だと思うのですが、７０年代の猫は今とはかなり存在位置が違うんじゃないかと思うんですよねえ。

「氷山１９７７」。
氷山の下の世界には、人類より古い本当の地球人がいた！
初期の諸星大二郎なんかにも通じるものがある気がします。

「ぼくらが地上に帰る時」。
山で穴に落ちてしまった少年が、何とか上ってみたらいつの間にか月に来ていた！
ファンタジーというより、ＳＦ作品ですね。
唐突過ぎる展開が「漂流教室」を思わせます。

表題作になっている「永遠なる瞳の群」は、現在のますむらひろしの作風に一番近いかな？
“鉱物に触って歴史を見る事が出来る”というのは、ファンタジーですよね。

初期作品のトラウマから、ますむらひろしにハマって以後ずっとコミックスを集めているのですが、近年のメルヘンなファンタジーも別に悪くはなく、むしろそれも好んで読んでいます。
ですが、やはり今では失われてしまった初期のますむらひろし作品を、出来ればもっと読んでみたいと思うのは、ただのわがままなんでしょうか…？

永遠なる瞳の群 (1979年)
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「とっても少年探検隊」～ネギま“麻帆良学園”を越える？超巨大学園を探検だ！！

「魔法先生ネギま！」が舞台を学外に移してしばらくになりますが、最近の展開を考えると学園に戻るのはかなり先になりそうです。
ネギまで登場している麻帆良学園は、尋常でない程の巨大な学園である事が特徴的なのですが、過去にも巨大な学園を舞台にした作品は色々ありました。
「ネギま！」同様アニメになった「ＣＬＡＭＰ学園」なんかもそうです。
そして…これら２つと比較するとややマイナーなのですが、この「とっても少年探検隊」もそうでした。

常識を破る超巨大な学園を探検するというのが、この作品の主なストーリーです。
今回はその一部を紹介したいと思います。

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私立原野否学園。
常識を越えた超マンモス学園。
この学園に伝わる謎を追って、今日も探検隊は無謀な冒険に出るのだ！！

新任教師・呂井は挨拶をする為、校長室に行きたいのだと言う。
しかし、校長室が何処にあるのかなど誰も知らない！（オイ）
かくしてリーダーのほむら、よしみ、伊地郎、ヌーボォ、武道たち探検部の５人は幻の校長室を探す冒険の旅に出る！！（第１話より）

この様に、毎回非常識なスケールの冒険が展開するのですが、個人的には６話目がお気に入りです。

第６話「天国に一番近い教室」です。
標高８，０００メートルになる頂上のクラスでは、誰も受けたことがない“謎の授業”があるのだという。
かくして探検部の５人は“謎の授業”の正体をつかむ為、エレベスト登山を開始する！

しかし、さすがは原野否学園。
延々と階段を登っている内に校内の天候が悪化。
校舎内で吹雪が発生する！

建物の中で遭難しかけるという恐ろしさ！（笑）

ついに建物の中に氷が広がっているエリアにまで登って来た探検部の面々。
ここからは外を登るしかない！

…ハーケンがどうとか言うレベルではないと思うけど（笑）。

しかし、ここでもさらに問題が！
こんなオーバーハングをクリアする事が出来るのか！？

武道「ほむらちゃん 校舎の中にはいって登ろーよ」

もっともだ（笑）。

ところで、何故この様な巨大な建物なのにエレベーターがないのか？
実はあるけど壊れたままなのだという。
エレベーター・ストップ。
すなわちエレベスト（ダジャレじゃん）。

様々な苦難を乗り越え、ついに最上階へ！
果たして誰も受けたことがない“謎の授業”の正体とは！？

とにかく、あらゆるものが規格外な原野否学園。
こんなものまで超巨大です。

全給食を半永久的に賄う巨大な大冷凍庫。
そこではクジラが放し飼いになっており、庫内ではオーロラまで発生している！（笑）

その給食を食べる施設が“万里の食堂”と呼ばれるこの超巨大食堂だ！
恐らく、一生食べても全メニューを食べ尽すのは不可能だろう。

さて、「ネギま！」では図書館の巨大さが有名です。
この作品でも図書室が出て来ています。

知のロード。
学びのサバイバルと呼ばれる数週間に及ぶ単身長期閲覧旅行に出たよしみ隊員が生還して来るところから始まる第２巻。
図書室の中でテント生活をしているというのが笑えます。

原野否学園の男湯で次々に発生している失踪事件。
風呂なのに船頭さんがいます（笑）。
水平線のかなたに見える富士山は壁画であり、７～８，０００メートルの絵が描かれているのだという。

ほむら「そ、それじゃ本物の倍以上の大きさじゃないのよ！！」

とにかく常識を破るスケールの施設が続出するのですが、当時はかなり好きな作品だったものの、作品としてはなんとか２冊が出ただけでした。
８０年代半ばに、週刊少年ジャンプで短期集中連載として掲載されましたので、知っている人は知っていると思うのですが、あろ先生の作品は結局週刊では続く事がなく、その後主に月刊少年ジャンプで作品を発表していた様です。
第２巻が出たのは１巻から８年後の９３年。
当時はジャンプオリジナルで描かれていた様です。

尚、この作品は見て分かる様に、川口浩探検隊をネタにしています。
マイクを持ったグラサンの男の名前は振竹伊地郎。
元ネタは言わずともあの人です（笑）。

巨大なスケールというのは夢がありますし、ワクワクさせてくれます。
あろ先生は他に読みきりでこんな巨大なものも描いていました。

惑星をひと飲みにしてしまう程のサイズの生命体。
人類はそれに対して何も出来ない。
ただ警戒するだけです。
（読みきり「ＣＡＬＬＩＮＧ」は短編集「封印」に収録されています。）

ＳＦからちょっとＨなものまで描かれているあろ作品。
２００８年はこんなところから紹介してみましたけど…どうでしょう？

情報サイト：AroWiki

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安永航一郎・週刊少年サンデー初登場作品「うで立て一代男」

久しぶりにレア系の古い作品を紹介します。
以前「県立地球防衛軍」を紹介した事がある安永航一郎先生ですが、氏の作品にはかなり多くのコミックス未収録作品が存在します。
デビュー作「砂漠の桃太郎侍」は自分自身昔読んだきりになっていて、出来きればまた読んでみたいと思っているのですが、２作目以降でしたら何とかスクラップしていて、（全部ではありませんが）今でもかなり読む事が出来ます。
そんな中から、初の前後編にして週刊少年サンデー本誌に初めて掲載された「うで立て一代男」を紹介します。

１９８３年の週刊少年サンデー３４号～４２号に掲載されたシリーズ「ぐあむしゃら新人競作」の２人目として安永先生が登場しました。
ちなみに１人目は高橋留美子の遺伝子・さいとう邦子！３人目が上條敦士で４人目が中津賢也です。
それぞれが前後編の作品を描いていました。

この安永氏のコメントが面白い。
「いよいよ、週刊誌で新連載を始める事になった安永航一郎です。一年半前、ただの読者だったのに、私もエラくなったもんだ。ハッキリいって、舞い上がっている毎日です。昨日は親戚に、今日は友人に電話をかけまくっております。来週は最終回です、お見逃しなく！！」
読みきりの前後編でこんな事言ってました（笑）。

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光吉台うで立て伏せ道場の天才うで立て少年・国東玄舞。
連続１万回のうで立て伏せが出来る事を売り文句にしている様です。
そんな彼の元に道場破りが出現！
謎の男・南大平寺五郎は玄舞との勝負を要求する！！

１万回をやり終えたばかりの玄舞ではあまりにも不利！
南大平寺五郎は対等であろうと、即行で１００００万回のうで立て伏せを励行するのでした（笑）。

片手うで立て伏せ、片手うで立て３本指、片手うで立て親指のみと対決はエスカレート！
そして…。

これをマネした玄舞は指が「ぺぎっ！！」。

道場は奪われ、玄舞は追い出されてしまう事に！
看板をもって帰ってもしょうがないそうです（笑）。

富子さんの為にも再び戻る事を決意する玄舞。
富子さんのこの軽さこそ安永イズムか？（笑）

負けた玄舞は九重山に登り修行を開始！
そこで彼は不思議な仙人に出会う！！

恐るべき「うで立て仙人」の技の数々！！
実は南太平寺の師匠だったのだ！！

爺さんの修行を得て、再び南太平寺に挑む玄舞！！

その結果は…！？

負け。

アレ…？（笑）

これではどうしようもない！
弟子になったばかりの玄舞に代わり、うで立て仙人が南太平寺に挑む！！

実は南太平寺はある修行が原因でうで立て仙人を怨む様になったのだ！
それは、

煮えたぎるぬかみそからナスのヌカづけを素手で取り出すというもの。
素早く取らなければ大ヤケドをするというのだが、そもそも“ぬか”は粘っこいので必ず大ヤケドをするのだ！（笑）
騙された南太平寺は大ヤケド。
彼は心に復讐を誓う事に！

その因縁のぬかづけ勝負をうで立て仙人に申し付けたのだ！！

南太平寺は実はその後の修行でこれが出来る様になっていた。
ナスを見事に取り出す南太平寺。
一方、うで立て仙人は…。

ナスが取れずに大ヤケド！！
実は最初からナスは１個しか入っていなかったのだ。
南太平寺の見事な作戦勝ちです！！

かくして道場に平和が訪れました。
頑張れ僕らの南太平寺！

主人公は誰だ！？（笑）

と言った作品です。
当時はラストに結構衝撃を受けてしまい、以後安永作品は必ずチェックする様になりました。

ちなみにこの時期にはすでに「県立地球防衛軍」の連載は始まっており、実はコミックスにこの様なキャラが出ています。

「県立地球防衛軍」にうで立て仙人がゲスト出演しています。
これは当時雑誌の方を読んでなかった人には何も事だか分からなかったと思いますね。

安永航一郎作品はコミックス未収録が多いので機会があればまた何か紹介したいと思います。

ウィキペディア：安永航一郎

【関連記事】
◎我らが安永航一郎先生が帰って来たっ！！
◎安永航一郎・伝説の「県立地球防衛軍」とは！？

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「カイジ」の連載が始まった頃の福本伸行インタビュー記事（’９７）

１９９７年に発表された「カイジ外伝」が掲載されたヤングマガジン赤ＢＵＴＡ１２号には福本伸行氏の未発表作品と共に、５ページに及ぶロングインタビューが掲載されていました。
このインタビューが掲載された時期というと、原作で「限定ジャンケン」が終わったばかりの頃で、「カイジ」が話題になり始まった時期になります。


今見ても貴重な内容だと思いますので、今回はその一部を紹介したいと思います。

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――まずは、今回、巻頭を飾った「カイジ外伝」について一言お願いします。

「カラー４ページという事でお受けしました。でも、まとまらなかったんですよー。じゃあ８ページでって言われましたが、それでもまとまらず、結局２２ページに。はい…まとまりませんでした。」

（中略）

「高校を卒業して建設会社に就職しました。現場監督みたいなことで。でもそこで１８歳なりに考えた訳です。ここで、成功する為には一級建築士の資格が必要だって。それは大変な事です。結局、何者かになろうとしたら、どの道も大変。同じ大変なら漫画家を目指そう。好きなことならがんばりがきく。話は単純です。で…３ヶ月で辞めました。」

――早いっすねえ！

「その間も、仕事サボって、少年マガジンに持ち込みました。あの作品（『男の風』）を持って。で…それを見た編集の方は…なんと言うか…静かにお茶を飲んでました。ええ…あまり話す事もなかったようで…。
で、まあ…それでも何か言わなきゃ、と思ったんでしょう。福本くんの場合、とりあえずアシスタントだな…とか言ってくれまして。それで、会社を辞めてから、かざま鋭二先生のところへ入ったわけです。あのイラストを持って。あとで分かった話ですけど、入れてくれたのは、かざま先生の勘違いらしいです。先生はマガジンの推薦があったと思っていたらしい。」

（中略）

「１年半やりました。結局、クビになったんだな。先生からやめた方がいいって言われたから。フクちゃんはザックバランな性格だからトラックの運転手やりなさい、とも言われました。先生の言いたかったのは、君には繊細さがない、と。漫画描きの神経がない…そう言いたかったんだと思う。」

（中略）

「かざまプロを出たのが１２月８日。で、引っ越しやなんかでずーっと起きてて、気がついたら１２月１０日ですよ。僕の誕生日なんです。２０歳。ああ俺はハタチになったんだーって。９千円の寒々しいアパートで、職ない、金ない、まあ言わばドン底なわけですよ。でも、ここが大事だ！ここから行くぞ！ここから俺は攻め上げる！とかムラムラと言うかメラメラ気分が昂揚してきて…。そしたら…ぽんと鼻血が出た。ほんとに。漫画で女の子を見て興奮して鼻血出したりするじゃないですか。あれはホントなんだなーって。」

――夜中、一人で鼻血ですか。ちょっとシュールですね。

（この後、苦労話が延々と続く）

――初めておもしろいって言われた時のご気分は？

「いや、もう、本当に天にも昇る気分。景色が違って見えるっていうか。デビューは２１歳の時でした。でもって、かざま先生にお礼を言いに行きました。『先生、デビュー決まりました。』『え？』『チャンピオンです。』『どこのチャンピオン？』って。もっとマイナーなチャンピオンっていう雑誌かと思ったらしい。アシ仲間だって顔面蒼白。だって、フクちゃんは３年はデビュー出来ないって、もっぱらの評でしたから。早々に追い出されたのはラッキーだったのかもしれないなー。」

（チャンピオン時代～ヤンマガ持込～モーニング時代の長話が続く）

「８８年だと思うんですけど、近代麻雀ゴールドという雑誌に『天』という作品を始めたんです。『熱いぜ辺ちゃん』との入れ代わりで。これも初めは人情漫画だったんですけど、４回目くらいまであんまり人気がなくて。で、竹書房の編集の方から、勝負中心で行こうよ、と。それが結果的に自分に合ってたんでしょうね。火がついたのはそれからです。それから、さらに４年ほどして、別冊近代麻雀の「アカギ」とアクションピザッツの『銀と金』を始めて、あとは、もうずっと勝負中心の漫画を描いてますね。」

――それ全部で月４本。もう週刊連載と変わらない仕事じゃないですか。

（中略）

――そして、いよいよヤンマガで「カイジ」の連載開始です。

「その頃には、自分の勝負ものに自負を持ってて、なんでメジャーが目につけないのかなって。今が旬なのにって（笑）。逆に目をつけなくてもかまわないっていう気持ちもありました。ひねくれていたわけじゃないですけど。でも、お声がかかった時には、ヤンマガがこれほどメジャーだとは思わなかった。」

――初めはゲストで前後編２話くらいという話でうかがったんですが、忘れもしません、２回目にお会いした時に、限定ジャンケンの話を聞いて、興奮しました。

「それで、２回じゃ終わらない、じゃあ５週連続だ、とかいうお話になって。打ち合わせ続けるうちに、長期連載でっていう暗黙の了解があったっていうか。田宮さん（編集長）は僕にそんなに期待してなかったみたいだけどね。担当がこれだけおもしろいって言ってるんならいいだろうって感じでＧＯを出してくれました。限定ジャンケンに関しては、僕自身がおもしろいと思っていましたし、基礎票って言うか、福本ファンみたいのもいたから『アカギ』や『銀と金』程度には人気をとって、単行本も売れるんじゃないかと思ってました。その上でヤンマガだから、いくらか上積みできるかな、と。」

（中略）

――漫画家を目指して頑張っている人に一言お願いしたいと思います。

「３０までくれてやれ、好きなことやってるんだから。自分の人生の１０年間くらいあげてもいいじゃない、漫画に。僕が認められたのも３０代になってからですからね。マカオの『大小』で言えば、張ったコマを動かすなってことですよ（笑）」

――よほど、この前、負けたのがこたえているようです（笑）。

「こたえてねーよ（笑）」

とにかくやたらと長いインタビュー記事な上、貴重な話が多く、これでもかなり絞って抜粋しています。
とにかく、驚くのが若い頃の苦労話。
本誌には、当時のイラストの数々が掲載されているのですが、「雑な絵」と紹介されているだけの事はあって、かざま先生にもそっぽを向かれてしまった様です。
そこから這い上がってくる過程がまた凄い。
ひたすら持ち込みを続けて、チャンピオンで短期連載をかち取るのですから、もう脱帽です。
「カイジ」にしても当初は２回で終わる予定だったのが、担当が話の分かる人で良かったですよ。
でないと、今日の「カイジ」はありえなかったのですからね。

今月はいよいよ「賭博覇王伝零」のコミックスも発売されます。
福本先生のさらなる活躍を切に願いたいですね。

【関連記事】
◎コミックス未収録「カイジ外伝」～カイジはエスポワールに乗らなかった！！

賭博覇王伝零 1 (1) (KCデラックス) 福本 伸行

コミックス未収録「カイジ外伝」～カイジはエスポワールに乗らなかった！！

ジャンプスクエアの記事を作成するにあたって、色々な創刊号を出してみようとアチコチの本箱を探し回っているうちにこの古い雑誌も久しぶりに発掘しました（笑）。
現在ＴＶアニメも放送され人気も好調な「カイジシリーズ」ですが、実はコミックスに収録されていないエピソードが存在します。
１９９７年のヤングマガジン増刊赤ＢＵＴＡ１２号にて「カイジ外伝」という２２ページの作品が掲載されているのです。

この「カイジ外伝」という作品は、主役であるカイジが初期設定である「エスポワールに乗って限定ジャンケンをする」をなかった事にし、マカオに行って借金３８５万円を別のギャンブルで返そうという「ＩＦ」ストーリーです。
このパラレルな作品は現在のところコミックスに収録されておらず、知る人ぞ知る幻の作品になってしまいました。
当時はまだコミックスも４冊しか出ていない状態で、絵的にも初期のムードが漂うのですが、久しぶりに読んだついでにちょっとレビューしてみたいと思います。

つーか、コレって黒歴史なんでしょうか？（苦笑）

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遠藤から勧められた「エスポワール」への乗船を断り、カイジが向かった先はマカオ！
ここでギャンブルをする為にカイジは１５０万円をサラ金から借り受け、親・友人のカードをだまくらかして大金を用意して来た様です。

彼が選んだ博打は「大小」。
３つのサイコロを振り、その合計が１０より下か１１より上かを賭ける博打です。
１０以下なら「小」、１１以上なら「大」に張った者が勝つシンプルなギャンブルです。

最初から強気なカイジ。

しかし…景気が良かったのは最初だけ。
１００万をスルのに１時間余…。

ここはやはり慎重にならざるを得ません。
このフロアで「大小」の台は全部で３つ。
流れが来るのを待つカイジ…。

すると…！

随分と偏った流れの台が！
カイジはフト連想する。
「次もし大ならカタカナのコ…」
感じる…これも何かの縁か…？
いや、バカな！

そんな事を考えているうちに締め切りに。
結局カイジは何も張らず。

だが、ここでサイの目は「大」に！！

「コ」成る！！

これはさすがにカイジもショックを受けてしまう。

しかし、悔やんでいるのもつかの間、さらなる状況がカイジを待っていた！

「なめんなよっ…！」
なんだよっこれっ…！
こんなのあるかよ…！
ふざけるなっ…！

次が「大」だというなら９回連続！
そんなのありえない！！

カイジ「小」に５０万…！！！



だが、ここでサイの目は
「大」！！

来るんだよっ…！
来るもんなんだよ…！
流れというのはそういうもんなんだよ…！

冷静にならねば…。



時間を置き、再びカイジが目にしたものは…！？

今度は「ハ」！？
ここでカイジは気付く！
さっきの「ロ」と併せると「ロハ」。
つまりタダって事だ。

ただ…？
ただとは一体…？

「ロハ」…
つまりただみたいなもんだっていう…。
天からのメッセージ…！！

悩むカイジ。
いや、こういう閃きに身を任せられるか否かが…。
そのギャンブラーの容量じゃないのか…？

行くしかない！！


「ハ」成る…！







「ハ」成る…！

成らず！！（笑）

計算したくない…。
どんだけ負けたんだ…？

すでに２３９万をドブに捨てている事にカイジは気がつく！！
借金を返すどころか逆に増える一方だ！！

もう負けられない！
あの「ロリ」の台は鬼門だ…！
もうやめておこう…。



いや、でもちょっと見て…。

もはや間違いない。
この作品はギャグ漫画です（笑）。

７回８回連続でもマレだというのに、３２回連続…？
そんなもんある訳ないじゃないか！！
「小」だっ…！絶対に「小」…！


という考えで…「小」に張った人間の金を吸い取っていったんだろうな…。


いや、全部「大」だと…！？

今度こそ「ロハ」か！？

これは挑戦だ！
「ロハ」でスッたカイジへの…！！

もはや逃げられない！！
「大」だっ…！！







「ロハ」成るっ…！








全面「大」だ…！








勝つ…………！！

カイジ敗れる…！！

結局３８５万の借金をチャラにするどころか、さらに３３３万を上乗せし、合計７１８万円の借金が残った！
金の事だけなら、エスポワールに乗っていた方がマシだったのだ…。

闇に消えるカイジ。

尚、作者のラストメッセージとして「これはカイジがエスポワールに乗らなかった場合を描いたものである。『カイジ』本編を読む際には忘れてください。」と書かれています。
また、「もう二度とやらない…」とも書かれているのですが、黒歴史としてコミックスに収録されないって事なのでしょうか？
だとしたら残念としか言い様がありません。

尚、このヤングマガジン増刊号では、幻の短編としてこの作品も掲載されていました。

何と福本伸行が児童漫画！？
ちなみに扉絵の子供は女の子で主役の青空絵空ちゃんです。

この他にも福本伸行の特集号らしく、５ページものインタビューが掲載されており、デビューまでのいきさつが語られています。
初期は「ふくもと飛火」という名前だったそうですが、ウィキにもない情報ですね。
高校時代のイラストとか、実はカイジは全２回の読みきりの予定だったとか貴重な話題が掲載されているのですが、ちょっと長くなりそうなので後日またレビューしたいと思います。

そういえば「頭文字Ｄ」の番外編はどうなってんだっけ…？（笑）

ウィキペディア：賭博黙示録カイジ
アニメ公式サイト：逆境無頼カイジ

賭博堕天録カイジ 11 (11) (ヤングマガジンコミックス) 福本 伸行

ジャンプスクエア誕生！～創刊雑誌の記憶

あの月刊少年ジャンプ休刊から数ヶ月が過ぎ…ついに待望の新雑誌が登場しました！
その名もジャンプスクエア！！
（なら次に出るのはテリオスか？とツッコんでみる（笑）。）
ここ数年、新雑誌創刊が続いていますが、さすがにジャンプを冠するだけあって執筆陣がかなり豪華なのが目に付きます。
逆に「月刊少年ジャンプで何故それが出来なかった！？」と言いたくもなりますが、とにかくこの秋最大の注目雑誌の誕生を祝福したいと思います。

その創刊号の顔たる表紙を飾ったのは和月伸宏「エンバーミング」。
月刊少年ジャンプからの４作品もさる事ながら、かずはじめなど週刊少年ジャンプで過去に成功している作家名の連発に心躍らざるを得ません。神尾葉子を起用したりと新しい印象もあり、今後にかなりの期待感を抱かせてくれますね。
「まつりスペシャル」は面白かったです。

さて、創刊号というのは出版社としても力を入れてくるものだと思います。
最近だとＤＶＤを付録にする事もありますし、ストラップ等のオマケを付けてくるケースもあるようです。
ですがやはり一番大事なのは作品でしょう。
いい内容の作品が出てこなければ必然的に早期休刊に追い込まれる事にもなるでしょう。

今回はジャンプスクエアの創刊にあわせて、過去の創刊雑誌（手元にあるものに限る）を並べてみました。
山に埋もれて取り出し不能になっているものもあるので完全とはいきませんが、それなりに楽しめるかと思います。
尚、画像はサムネイルですのでクリックで拡大しますので宜しくお願いします。

では、更新に３日を費やした資料をどうぞ！（笑）

ＢＯＲＮ－１　『イッキ』
（２０００年１２月号～）
巻頭カラー：ナンバーファイブ（松本大洋）
主な作品：安住の地（山本直樹）／Ｇ戦場へブンズドア（日本橋ヨヲコ）／もにもに（相原コージ）／ドロヘドロ（林田球）／他

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ＢＯＲＮ－２　『ウルトラジャンプ』
（１９９５年５月号～）
巻頭カラー：ＭＡＳＫＥＲＳ（矢島正雄・山本貴嗣）
主な作品：ＴＡＴＴＯＯＮ ＭＡＳＴＥＲ（矢也晶久）／地球のかけら（山田ないと）／Ｓ2ぱにっく（亜月裕）／六福神（諸星大二郎）／他


ＢＯＲＮ－３　『エース特濃』
（２００３年５月号～）
巻頭カラー：甲賀忍法帖・改（山田風太郎・浅田寅ヲ）
主な作品：イヌネコ。（葉月京）／探偵儀式（清涼院流水・箸井地図）／８８の夏休み（森見明日）／キカイダー０２（石ノ森章太郎・ＭＥＩＭＵ）／他


ＢＯＲＮ－４　『ガンダムエース』
（２００１年８月号～）
巻頭カラー：機動戦士ガンダムＴＨＥ ＯＲＩＧＩＮ（安彦良和）
主な作品：ジオン少女物語（介錯）／ガンダムさん（大和田秀樹）／Ｃ．Ｄ．Ａ．若き彗星の肖像（北爪宏幸）／他


ＢＯＲＮ－５　『ガンガンＹＧ』
（２００４年３月号～）
巻頭カラー：ロトの紋章Ｒｅｔｕｒｎｓ（藤原カムイ）
主な作品：ハレグゥ外伝紅茶のおはなし（金田一蓮十郎）／これが私の御主人様外伝（まっつー・椿あす）／セキレイ（極楽院櫻子）／すもももももも（大高忍）／ぱにぽに外伝（氷川へきる）／他


ＢＯＲＮ－６　『ヤングガンガン』
（２００４年１２月号～）
巻頭カラー：ファイナルファンタジーⅩⅠ（キムソンジェ・キムビンジョン）
主な作品：ロトの紋章・紋章を継ぐ者達へ（藤原カムイ）／ニコイチ（金田一蓮十郎）／すもももももも（大高忍）／ＢＡＭＢＯＯ ＢＬＡＤＥ（土塚理弘・五十嵐あぐり）／戦線スパイクヒルズ（原田宗典・井田ヒロト）／他


ＢＯＲＮ－７　『ケロケロＡ』
（２００７年１２月号～）
巻頭カラー：ケロロ軍曹特別訓練（吉崎観音・夢唄）
主な作品：機動戦士ガンダム００（大森倖三）／セットイン！データップ！！（すぎたにコージ）／それいけ！桃太郎電鉄（さくまあきら・高内優向）／．ｈａｃｋ//ＬＩＮＫ黄昏の騎士団（サイバーコネクトツー・喜久屋めがね）／他


ＢＯＲＮ－８　『コミックＧＯＴＴＡ』
（２０００年２月号～）
巻頭カラー：鉄拳（鈴木けい一）
主な作品：文化祭ウラ実行委員会（江川達也）／スーパパン（ロドリゲス井之介）／グランドスラム（高橋よしひろ）／シザース（橋口たかし）／他


ＢＯＲＮ－９　『コミックＲＥＸ』
（２００６年１月号～）
巻頭カラー：テイルズ・オブ・レジェンディア（藤村あゆみ）
主な作品：ティンクルセイバーＮＯＶＡ（藤枝雅）／白砂村（今井神）／ガウガウわー太２（梅川和実）／かんなぎ（武梨えり）／学園天国パラドキシア（美川べるの）／他


ＢＯＲＮ－１０　『コミックガンマ』
（１９９２年２月号～）
巻頭カラー：碧奇魂ブルーシード（高田裕三）
主な作品：さよりなパラレル（竹本泉）／必殺山本るりこ（唐沢なをき）／影技（岡田芽武）／戦え！！清掃人（中津賢也）／他


ＢＯＲＮ－１１　『コミックバンチ』
（２００１年５月発行～）
巻頭カラー：蒼天の拳（原哲夫）
主な作品：エンジェルハート（北条司）／リプレイＪ（ケングリムウッド・今泉伸二）／レストアガレージ２５１（次原隆二）／他


ＢＯＲＮ－１２　『コミックアライブ』
（２００６年８月号～）
巻頭カラー：しはるじぇねしす（近藤るるる）
主な作品：ゼロの使い魔（望月菜々）／陰からマモル！（まだらさい）／かのこん（山本鈴）／まりあほりっく（遠藤海成）／ガイスターバーン（山本賢治）／他


ＢＯＲＮ－１３　『コミックヴァルキリー』
（２００６年８月号～）
巻頭カラー：インフィニティブレード（ＫＥＮ）
主な作品：夢幻戦士ヴァリス（日本テレネット・ＺＯＬ）／夢幻少女ドリマーエンゼルズ（柴山薫）／触手姫（黒葉）／エンドレスエデン（館尾冽）／進め！怪人くらぶ（鈴木典孝）／他


ＢＯＲＮ－１４　『コミックヴァルキリーハード』
（２００７年１１月号～）
巻頭カラー：鬼姫ＶＳ（イムダリョン・イスヒョン）
主な作品：ドリームハンター麗夢（奥田誠治・火浦Ｒ）／レッする！アイドルＥＸＴＲＥＭＥ（武礼堂）／トクタイ（かぢばあたる）／オーダーバトルウェイトレス舞（ＡＳＴＲＯＧＵＹⅡ）／超宇宙戦艦キラボシエガオ（海瀬壮祐）／他


ＢＯＲＮ－１５　『コミックエール！』
（２００７年６月号～）
巻頭カラー：ラブイーブン（須田さぎり）
主な作品：まよえるグラビーノ（統月剛）／御伽楼館（天乃咲哉）／溺れるようにできている。（シギサワカヤ）／他


ＢＯＲＮ－１６　『コミックシルフ』
（２００７年１月号～）
巻頭カラー：ユイ、３１６歳（星野リリィ）
主な作品：リリアとトレイズ（時雨沢恵一・晴瀬ひろき）／ＳＬＨ（硝音あや）／クリアクリア送信（山名沢湖）／他


ＢＯＲＮ－１７　『コミックチャージ』
（２００７年４月号～）
巻頭カラー：神の手を持つ男（本そういち）
主な作品：デス・スウィーパー（きたがわ翔）／ぶっちぎりＣＡ（大和田秀樹）／アルカイックスマイル（たかはまこ・貞本義行）／企業の犬（ほりのぶゆき）／黒鷺死体宅配便（大塚英志・山崎峰水）／こちらがむしゅー探偵事務所！（江島一二三・陽香）／他


ＢＯＲＮ－１８　『コミックブレイド』
（２００２年４月号～）
巻頭カラー：まもって守護月天！再逢（桜野みねね）
主な作品：ＰＥＡＣＥ ＭＡＫＥＲ鐡（黒乃菜々絵）／ジンキエクステンド（綱島志朗）／僕と彼女の×××（森永あい）／スケッチブック（小箱とたん）／他


ＢＯＲＮ－１９　『コミックブレイドアヴァルス』
（２００７年１０月号～）
巻頭カラー：モノクロームファクター（空廼カイリ）
主な作品：ｔａｃｔｉｃｓ（木下さくら・東山和子）／ＥＲＥＭＥＮＴＡＲ ＧＥＲＡＤ蒼空の戦旗（東まゆみ）／Ｖａｓｓａｌｏｒｄ．（黒乃菜々絵）／他


ＢＯＲＮ－２０　『コロコロコミック』
（１９７７年４月発売～）
巻頭カラー：ドラえもん（藤子不二雄）
主な作品：みきおとミキオ（藤子不二雄）／バケルくん（藤子不二雄）／藤子不二雄物語ハムサラダくん（吉田忠）／いなかっぺ大将（川崎のぼる）／他


ＢＯＲＮ－２１　『別冊コロコロコミック』
（１９８１年５月号～）
巻頭カラー：ゲームセンターあらし（すがやみつる）
主な作品：怪物くん（藤子不二雄）／釣りバカ大将（桜多吾作）／ドッジ球太（のむらしんぼ）／他


ＢＯＲＮ－２２　『サンデーＧＸ』
（２０００年８月号～）
巻頭カラー：スプリガンＦＩＲＳＴ ＭＩＳＳＩＯＮ（たかしげ宙・皆川亮二）
主な作品：ザ・スリーパー（細野不二彦）／ネコの王（小野敏洋）／この花はわたしです。（喜国雅彦・国樹由香）／吼えろペン（島本和彦）／他


ＢＯＲＮ－２３　『スーパージャンプ』
（１９８６年１２月号～）
巻頭カラー：ふんどし刑事ケンちゃんとチャコちゃん（徳弘正也）
主な作品：コブラ（寺沢武一）／ゴージャスアイリン（荒木飛呂彦）／ロボット三太平（秋本治）／いつか王子様が…（幡地英明）／他


ＢＯＲＮ－２４　『スーパーロボットマガジン』
（２００１年８月号～）
巻頭カラー：ゲッターロボアーク（永井豪・石川賢）
主な作品：超電磁大戦ビクトリーファイブ（長谷川裕一）／鋼の救世主（富士原昌幸）／鉄十字軍団ＶＳマジンガールズ（伊藤伸平）／他


ＢＯＲＮ－２５　『チャンピオンＲＥＤ』
（２００２年１０月号～）
巻頭カラー：こいこい７（もりしげ）
主な作品：ＲＡＹ（吉富昭仁）／ちちんぷぃッ！（岡田和人）／エイリアン９エミュレイターズ（富沢ひとし）／プリンセスチュチュ（伊藤郁子・佐藤順一・東雲水生）／他


ＢＯＲＮ－２６　『ドラゴンエイジピュア』
（２００６年２月号～）
巻頭カラー：メイドをねらえ！（まっつー・椿あす）
主な作品：すぱすぱ（三宅大志）／＠ホーム（高木信孝）／有限会社コボルト私立探偵社（龍牙翔）／他


ＢＯＲＮ－２７　『トラマガ』
（２００２年８月号～）
巻頭カラー：だんじて！男児（Ｍｏｏ．念平）
主な作品：ゲームセンターあらしＡ（すがやみつる）／十兵衛ちゃんシベリア柳生の逆襲（大地丙太郎・むっちりむうにぃ）／胸キュン刑事（遠山光）／ハイパードールＨＧ（伊藤伸平）／グリンゴ２００２（手塚治虫・田中圭一）／他


ＢＯＲＮ－２８　『ブイジャンプ』
（１９９０年１２月号～）
巻頭カラー：貯金戦士ＣＡＳＨ ＭＡＮ（鳥山明）
主な作品：まじかる★たるるくん（江川達也）／とってもラッキーマン（ガモウひろし）／ときめき真子先生（たば拓）／聖闘士星矢完結編（車田正美）／他


ＢＯＲＮ－２９　『マガジンＺ』
（１９９９年８月号～）
巻頭カラー：∀ガンダム（曽我篤士）
主な作品：ＡＭＯＮデビルマン黙示録（永井豪・衣谷遊）／王ドロボウＪＩＮＧ（熊倉裕一）／煌羅万象（克・亜樹）／ダーククリムゾン（高瀬美恵・うるし原智志）／カスミ伝△（唐沢なをき）／他


ＢＯＲＮ－３０　『ミスターマガジン』
（１９９１年５月号～）
巻頭カラー：加治隆介の議（弘兼憲史）
主な作品:ＴÅＮＴＯＷくん（しりあがり寿）／ＢＩＧ（むつ利之）／ハートブレイクパパ（吉田聡）／へば！ハローちゃん（小林まこと）／Ｄｒ．ＫＯＨ（能篠純一）／猫楠（水木しげる）／他


ＢＯＲＮ－３１　『ヤングアニマル嵐』
（２０００年４月号～）
巻頭作品：ふたりエッチ（克・亜樹）
主な作品：アイディアル（川本貴裕）／コイズミ学習ブック（こいずみまり）／ＶＦ（林崎文博）／他


ＢＯＲＮ－３２　『ヤングアニマルあいらんど』
（２００４年６月号～）
巻頭作品：藍より青し（文月晃）
主な作品：彼女はアイドル（玉越博幸）／ゆびさきミルクティー（宮野ともちか）／お姉ちゃんと一緒に（八神健）／バーチャルツインズ（いのうえ空）／Ｃｈｅｅｒ！（川津健二郎）／他


ＢＯＲＮ－３３　『ヤングキャプテン』
（１９８８年４月号～）
巻頭カラー：仮面ボクサー（島本和彦）
主な作品：若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味（あろひろし）／いきばた主夫ランブル（星里もちる）／熱血怪男児きよし（岡崎つぐお）／新兵衛解体記妄霊変化（石川賢）／他


ＢＯＲＮ－３４　『ヤングサンデー』
（１９８７年４月号～）
巻頭カラー：ショートプログラム（あだち充）
主な作品：お～い！竜馬（武田鉄矢・小山ゆう）／ヒーロー志願（北崎拓）／あたし★★★よ（あろひろし）／冬物語（原秀則）／ミュウの伝説（野部利雄）／東京探偵団（細野不二彦）／傷だらけの天使たち（喜国雅彦）／他


ＢＯＲＮ－３５　『ヤングマガジンアッパーズ』
（１９９８年４月号～）
巻頭カラーＰＡＲＡ（木内一雅・井上祐徳）
主な作品：ちょちょんまんち（小林まこと）／水の中の月（土田世紀）／恋人プレイ（玉置勉強）／鬼斬り十蔵（せがわまさき）／告白（福本伸行・かわぐちかいじ）／鋼（神崎将臣）／他


ＢＯＲＮ－３６　『ヤングマガジンエグザクタ』
（１９９６年１月号～）
巻頭カラー：Ｊｏｃｋｅｙ（田原成貴・大島やすいち）
主な作品：ハゲしいな！桜井くん新婚編（高倉あつこ）／いたいけなゆびさき（山本夜羽）／りっちゃんのくちびる（綾坂みつね）／他


ＢＯＲＮ－３７　『ヤングマガジンＧＴ』
（２００１年１月号～）
巻頭カラー：頭文字Ｄ番外編（しげの秀一）
主な作品：ハゲしいな！桜井くん番外編（高倉あつこ）／アゴなしゲンとオレ物語特別編（平本アキラ）／ＮＡＶＩ（新谷かおる）／ＹＵＩ ＳＨＯＰ（唯登詩樹）／リップス（船堀斉晃）／他


ＢＯＲＮ－３８　『少年シリウス』
（２００５年７月号～）
巻頭カラー：ロボとうさ吉（加藤和恵）
主な作品：ＤｅａｒＭｏｎｋｅｙ西遊記（白井三二朗）／ＢＡＲＯＱＵＥ（小川弥生）／もえちり！（堂高しげる）／テレパシー少女蘭（あさのあつこ・いーだ俊嗣）／他


ＢＯＲＮ－３９　『少年王』
（１９９４年１０月号～）
巻頭カラー：護星童子ラン（真鍋譲治）
主な作品：火星旅団ダナサイト９９９．９（松本零士）／キッザ・オーライ（萩原玲二）／勇士ダンダン（永井豪）／薔薇王（中嶋まこと）／他


ＢＯＲＮ－４０　『少年ブラッド』
（２００６年５月号～）
巻頭カラー：シチ＝フク（渡辺とおる）
主な作品：本の元の穴の中（天乃タカ）／拳鋼少女リク（弐篠重太郎）／デカ教師（馬場民雄）／他


ＢＯＲＮ－４１　『電撃帝王』
（２００４年６月号～）
巻頭作品：まったりさん（田中久仁彦）
主な作品：ｌｕｎｃｈ ｂｏｘ（ＰＯＰ＆ふくなが）／いおの様ファナティクス（藤枝雅）／Ｐｉｐｐｉｎ（ばらスィー）／ＭＵＲＤＥＲ ＰＲＩＮＣＥＳＳ（犬威赤彦）／他


ＢＯＲＮ－４２　『電撃黒マ王』
（２００７年１０月号～）
巻頭カラー：灼眼のシャナＸ Ｅｔｅｒｎａｌ ｓｏｎｇ（高橋弥七郎・木谷椎）
主な作品：もえたん（Ｄｅ・ぱすてるインク応援団）／われは剣王っ！！外伝（是空とおる・天空すふぃあ）／一撃殺虫！！ホイホイさんＬＥＧＡＣＹ（田中久仁彦）／他


◎その他、本の山に埋もれたもの及び押入れの奥の為取り出し不可能だったタイトルとしては、ビックコミックスピリッツ週刊１号、ヤングマガジン週刊１号、ドラゴンエイジ創刊号、少年ファング創刊号、チャンピオンＲＥＤいちご創刊号、コミックヨシモト創刊号、コミックリュウ創刊号、このあたりでしょうか？
気がついていないだけで他にも何かあるかも知れません。
尚、全部○月号と表示しましたが、週刊・隔週刊については○月◇日号と言うのが正しいのですが、その他増刊としてスタートしたものの中には月表示すら怪しいものもありまして、統一する為にあえて月表示のみにしましたのでご了解下さい。

という事で、過去の創刊雑誌を特集してみましたがいかがでしょうか？
こうして見ると、成功している雑誌というのは創刊時にある程度見える気がします。
さて、ジャンプスクエアの未来は？
まずは来月の荒木飛呂彦「岸辺露伴は動かない」ですかね、やっぱり。
月刊少年ジャンプは新人ばっかりでもうひとつ内容が足りない印象でしたが、ジャンプスクエアはまるで逆の印象。
その意味ではジャンプの本気度が感じられると言えるかも知れません。

１１／７ 本の山から発掘した雑誌１点追加（笑）
ＢＯＲＮ－４３　『コミックヨシモト』
（２００７年７月号～）
巻頭カラー：いつか見た島（島田紳助・高田桂）
主な作品：んなアホな！！（倉科遼・ナカタニＤ）／探偵事務所Ｈ・Ｇ（レイザーラモン・永井豪）／水野キングダム（水野透・松田望）／桂三枝の上方落語へいらっしゃ～い（桂三枝・高井研一郎）／他


１１／１０ 本の山から発掘した雑誌もう１点追加
ＢＯＲＮ－４４　『チャンピオンＲＥＤいちご』
（２００７年２月号～）
巻頭カラー：妄想コンテンツ（まりお金田）
主な作品：キミキス－スウィートリップス－（糸杉柾宏）／ＭＡＥＢＡＲＩ美少女決戦！イマジネ・バナー（瀬菜モナコ）／奥サマは小学生（松山せいじ）／厳守！きまり学園（仏さんじょ）／おかわりナポリタン（井上行広）／他


１１／２３ 本の山から発掘した雑誌４点追加
ＢＯＲＮ－４５　『コミックリュウ』
（２００６年１１月号～）
巻頭カラー：ドリームバスター（宮部みゆき・中平正彦）
主な作品：ルー＝ガルー（京極夏彦・樋口彰彦）／ひなぎく純真女学園（ふくやまけいこ）／おもいでエマノン（梶尾真治・鶴田謙二）／麗島夢譚（安彦良和）／ＭＭリトルモーニング（安永航一郎）／ＸＥＮＯＮ（神崎将臣）／他


ＢＯＲＮ－４６　『コミックマーブル』
（２００７年６月号～）
巻頭カラー：風光る季節に（小林拓巳）
主な作品：あしたのキィ（永野あかね）／乙女怪談 調理室の花子（楠桂）／ふぉっくすとろっと（真鍋譲治）／カスタムヒロイン（大橋薫）／ＣａｎｄｙＧｉｒｌ（いとうえい）／憑いてるツインズ（池上花英）／他


ＢＯＲＮ－４７　『モーニング２』
（２００６年９月号～）
巻頭カラー：Ｄａｎｚａ（オノ・ナツメ）
主な作品：ＯＮＫＯ ＴＥＸＡＳ（山下和美）／聖☆お兄さん（中村光）／ファンタジウム（杉本亜未）／ＢＥＡＴＩＴＵＤＥ（やまだないと）／気の抜けたビールで…（石黒正数）／他


ＢＯＲＮ－４８　『ヤングチャンピオン烈』
（２００６年８月号～）
巻頭カラー：恋愛ジャンキーＳＳ（葉月京）
主な作品：ヤンほぼ（松山せいじ）／ＳＣＨＯＯＬＭＡＴＥ（あづまゆき）／あいの詩（道家大輔）／僕と彼女のホント（みた森たつや）／オオカミ少年の恋（Ｃｕｖｉｅ）／あいチャンネル（永野あかね）／山田家のＩＴ革命（ＴＨＥ ＳＥＩＪＩ）／コンビニん（和六里ハル）／みんなだいすきまるたろう（ホリユウスケ）／他


１２／１５ 本の山から発掘した雑誌＋新雑誌で３点追加
ＢＯＲＮ－４９　『少年ファング』
（２００６年９月号～）
巻頭カラー：フールフール（小林ゆき）
主な作品：少女奇談まこら（平野俊貴・植竹須美男・阿部洋一）／ブライトキングダム（田辺萌々）／モチョミオ！！！（守屋一宏）／レイスイーパー（垣野内成美）／天狗陰陽道（桑畑絹子・笠井あゆみ）／Ｐ・Ｐ・Ｐ！！（天沼俊）／猛獣戦隊ネコれんじゃあ（たみ）／他


ＢＯＲＮ－５０　『電撃ジーズフェスティバル！コミック』
（２００８年１月号～）
巻頭カラー：ＣＬＡＮＮＡＤ（Ｋｅｙ・しゃあ）
主な作品：戦国ランス（ＡＬＩＣＥ ＳＯＦＴ・鳴瀬ひろふみ）／リトルバスターズ！（Ｋｅｙ・高木信孝）／Ｄ．Ｃ．Ⅱ Ｉｍａｇｉｎａｒｙ　Future（ＣＩＲＣＵＳ・雨野智晴・卯花つかさ）／うたわれるもの（ＡＱＵＡＰＬＵＳ・島草あろう）／水夏Ａ．Ｓ＋（ＣＩＲＣＵＳ・ＤＥＡＲ）／ななついろ★ドロップス（ユニゾンシフト・たかみ裕紀）／他


ＢＯＲＮ－５１　『少年マガジンドラゴン増刊』
（２００８年１月号～）
巻頭カラー：七夕－ゆな－（瀬尾公治）
主な作品：ＦＡＩＲＹ ＴＡＩＬ番外編（真島ヒロ）／月と俺（安田剛士）／ダイヤのＡ番外編（寺嶋裕二）／カウントラブル（奈央晃徳）／さよなら絶望先生（久米田康治）／もう、しませんから。（西本英雄）／他


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ジャンプ SQ. (スクエア) 2007年 12月号 [雑誌]

目指せ１億総力士化！幻のコミック「横綱大社長」その恐るべき内容とは！？

「横綱大社長」という作品をご存知でしょうか？
かつてモーニングパーティー増刊号で短期連載していた作品なのですが、当時どういう訳かコミックス化されず、自分の持つスクラップが貴重な存在でした。
それが１７年目にしてコミックス化されたものですから驚くというものです。

当然この「ゾルゲ大全集（下巻）」を自分は買うつもりだったのですが、周りの書店でついに見かける事はなく、自分自身買う事をすっかり忘れてしまいました（苦笑）。
ですが先日フト思い出し、ＡＭＡＺＯＮで注文してやっとゲットしたのです。
（その内容がまた驚愕！「横綱大社長」しか知らなかったのですが、他の作品も電波出まくりでした！）

という事で、（忘れた頃に）この壮絶なる作品をここに紹介します（笑）。

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大磨コンツェルンの御曹司でありながら角界に進み、入幕以来５年間無敗４５０連勝というデタラメな強さを見せる怪物横綱・大磨仁（ダイマジン）！！
だが、父親の死を機に角界を引退！
大磨仁は大コンツェルンの社長となるのだが、それがただの社長の器に収まる様なものではなかったのだ！！
目指すは一企業のそれではなく、日本を相撲主義国へと変貌させる事！
相撲による世界平和を達成し、あらゆる紛争は相撲で解決！
宇宙の楽園・人類の理想郷を実現するのだ！！
そんなムチャな…と言うなかれ、この男に不可能はない！！

全てを相撲で解決する横綱大社長。
日本のライバル企業も傘下に納め、次に狙うはアメリカ大陸だ！
相撲母艦“横綱丸”に力士軍団を乗船させ、戦え横綱大社長！
横綱素子（ヨコヅニウム）という謎の素子はともかく、この巨大飛行船の動力はもちろん人力だ！！

ここで出て来るのが「横綱大社長の歌」。
コミックス「ゾルゲ大全集下巻（初回限定版）」にはこの歌も収録したＣＤがついているので、これは必聴でしょ？（笑）

アメリカから戻った横綱丸が見たものはあらゆる物質を記号化する脅威の生命体ミュールだった。
どんどん電波が入って来る様な展開に、もうゾクゾクものですね。
勿論、武器は「相撲」です（笑）。

地球を制圧した横綱大社長の次なる敵は宇宙！？
宇宙大名の脅威に相撲で挑め！！
人類の存亡をかけて「宇宙大相撲計画」が発動する！！
発進せよ宇宙相撲母艦“超横綱丸”！！
発射せよ艦首横綱砲！！
壮絶なる宇宙場所の果てに人類が見たものは…！？

とにかくラストシーンが圧巻！
そこまで行くのか！？と、当時はスゴイ衝撃だったのですが…。

さて、コミックスのコメントによると、当時作者は編集とトラブルがあってコミックスが出せなかった様です。
どうも、最終回のネームをＯＫをもらいながら別のものを描いてしまったとか…。
新人としては絶対的なタブーだった様です。
尚、当時ジャンプでやっていた「大相撲刑事」についても語っていますが、「こっちの方が先」だそうです（笑）。

このコミックス「ゾルゲ大全集」では作者のアフタヌーン四季賞準入選作品「吉田松陰」も収録されているのですが、もう何というかスゴイ電波っぷり（笑）。
とにかく色々ツッコミどころ満載の作品で、見ていない人がいましたら是非一度読んで見て欲しいですね。

ゾルゲ大全集（下）初回限定版 ゾルゲ市蔵

「鉄腕バーディー」「パトレイバー」ゆうきまさみ幻のデビュー作「ざ・ライバル」

デビュー作シリーズ今回はゆうきまさみです。
少年サンデー「究極超人あ～る」で出て来た感のあるゆうきまさみ先生ですが、デビューはちょっと普通のマンガ家とは異なる過程を経ています。
月刊ＯＵＴというアニメ雑誌（アニパロ色強し）が当時あり、そこでのアニパロでのデビューという、デビュー作品としては珍しいタイプでした。
（ファンロードの読者をローディストと呼ぶ様に、ＯＵＴの読者をアウシタンと呼んだりもした。）
扉の絵を見てもらえれば分かる様に、内容はガンダムのパロ作品。
しかもわずか４Ｐの作品です。

故に、内容を語るにしても語るだけの内容もない訳でして、今回はこの作品が収録されている「ぱろでぃわぁるど」についても少し語りたいと思います。

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月刊ＯＵＴ昭和５５年４月号に掲載されたガンダムパロ作品は、その後多くのヒット作を生み出す人気作家のデビュー作として登場しました。
特に突飛な内容という事でもなく、１Ｐの短編３本という形になっていて、１本目が大魔神ネタ、２本目がバギーカーでのシャアとアムロの対立、３本目がララァを交えての対決ネタで、アムロとシャアのライバル関係をギャグにしていました。

２本目のバギーカーがそのまんま盗まれる話は笑える。
現場検証するアムロが楽しすぎる（笑）。

８０年代前半を舞台にしたパロディがつまったこの短編集は、特にサンライズ系の作品が中心の様です。
ガンダムでは、カントクまでネタにされていました。

モンブ省から注意を受けて、ソフト転換を迫られるカントク。
アムロは地球の為に戦う、正義の戦士！？

そのストレスから、イデオンが生まれる！？

って、意外とネタだと断定出来なかったり（笑）。
ホント、昔「イデオン発動編」を見た時のショックといったらなかったですね。
女子供に容赦ないというか、次々と無残に死んでいく姿はある種宗教がかっていました。
今の時代では、ああいう作品を作るのは不可能でしょうか？

当時の月刊ＯＵＴで印象的だったのが、原田知世「時をかける少女」でした。
最近、劇場アニメがありましたが、当時は実写ドラマが話題でした。
当時、原田知世ブームみたいのが、月刊ＯＵＴで結構キテいた印象です。

このコミックスでは他にも、ザブングルやダイターン３、ボルテスＶやアクロバンチなどもネタにしており、当時を知る貴重な資料にもなっていると思います。
もし興味がありましたら、一度覗いてみてはどうでしょう？
当時、ガンダムがどう扱われていたのかを知る事が出来るかも知れませんよ？（笑）

ウィキペディア：月刊ＯＵＴ／ゆうきまさみ／原田知世

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鉄腕バーディー 16 (16) (ヤングサンデーコミックス) ゆうき まさみ

機動警察パトレイバー2 the Movie (Blu-ray Disc) 冨永みーな.古川登志夫.池水通洋.二又一成.大林隆介 押井 守 押井守

伝説巨神イデオン 接触篇/発動篇
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時をかける少女
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８８年幻の競作シリーズ「サンデー１９Ｓｈｏｗ」特集その４(完)

さて、「サンデー１９Ｓｈｏｗ」１６作品を４回に分けて紹介するシリーズ最後の４回目です。
１９年前の企画の為、今ではあまり見かけなくなった作家、あるいはさらに高い評価を得るに至った作家の作品など様々ですが、当時の雰囲気を少しでも感じて頂けましたでしょうか？
ほとんどの作品がコミックス未収録で、今では中々読むチャンスがないかも知れませんが、今回の特集が好きな作品を探す何かのキッカケにでもなれば幸いです。

では、ラスト４作品を紹介します。

第１３回　『ＴＶ電話も使いよう…！！』　作／楠桂
（週刊少年サンデー８８年１５号掲載）

姉妹マンガ家で有名な楠桂が１３人目でした。
現在はサンデーＧＸで「ガールズザウルスＤＸ」、ヤングガンガンで「BITTER VIRGIN」等を連載しています。

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髪にパーマをかけて別人の様になったむつみは、木村君の気持ちを確かめるべく友人の家のテレビ電話を使って匿名を名乗って告白し、画像を送ってみた。
すると「今すぐあいましょう」と言って来た為、むつみは激怒！
待ち合わせ場所に走るむつみ！
しかし、木村君は見かけがすっかり変わっても最初からむつみだと気がついていたのでした。チャンチャン♪

注目すべき点はやはり当時最先端の話題だったテレビ電話を扱っている事です。
現代の携帯電話の機能を考えると、とてもテレビ電話と呼べる様な品物ではありませんでしたが、当時はこの商品の登場にワクワクしたものです。
結局、現物は見た事がありませんでしたが、雑誌の広告等で見る度に欲しくなったものです。

第１４回　『時のみた夢…』　作／伊藤伸平
（週刊少年サンデー８８年１６号掲載）

「楽勝！ハイパードール」「モルダイバー」で知られる伊藤伸平です。
現在は月刊コミックリュウで「子はカスガイの甘納豆」を連載しています。

全１６作品の中でもこれはかなりの異色作。
死に絶えた惑星に降り立つ調査員たち。
爬虫類に似た特徴を持つ彼等のひとりが、鳴り響く電話を手に取った。
するとすでに存在しない、この惑星の住人たちのメッセージが――。
告げたかった言葉。告げられなかった言葉。
千年の静謐を越えて、ただ応える人をまっていた。

という、何かＣＭにでもなりそうなかなりの力作です。
どこかのコミックスに入ってないのかなあ？
未収録では勿体無いと思うんですけど。

第１５回　『愛、満ちる』　作／佐々木守・北崎拓
（週刊少年サンデー８８年１７号掲載）

少年ビッグコミックでデビューして、その後少年サンデーでも描いた北崎拓です。
実はこの作品はスペシャルバージョンと題して、１２ページの作品になっていました。

家がいやで色男の車に乗って夜遊びする少女・愛。
そんな彼女を心配してミチルはバイクで追いかけてきた。
チンピラの男と愛を取り合って勝負する事になるが、それは絶壁に架かった橋の手すりを歩いて渡りきるというものだった。
妨害を受けながらも何とか反対側にたどり着くミチル。
しかしそんなミチルに対して、チンピラの部下たちが銃を持ち出して来た。
バイクに愛を乗せ、必死に逃げるミチルの運命は…？

実はこの作品はここで終わっています。
続きは何と電話で聞くというスタイルだった為、今となってはどうなるのか確認のしようがありません。
（番号はカットさせて頂きました。）
確か一回は聞いているはずなんですが、完全に忘れてしまいました（苦笑）。

個人的な話を言うと、丁度８８年にＮＴＴでバイトしていたんですよ。
局がアナログからデジタルになるという事で、友人と半年くらいバイトしていたのですが、こういった電話サービスの実物も沢山見られました。現在のＮＴＴではどうなっていのか知りませんが、当時見知った話をするならば、番号の「００００」とか「５０００」等のキリ番は局長名義になっていて、こういった電話サービス用になっていました。
合計何回架かったのかカウンターがついていて、あまりに少ないものだと「コレ意味ないんじゃ？」とか友人と話していたのを憶えています。
一方で、「アンパンマン」とかの電話のテープが動き出すのを見ては、「おおっ動いた動いた」と変に歓喜したり（笑）。
工事中だったせいもあるのかも知れませんが、かなり雑にサービス用電話が床や机の上に散らばっていましたね。
まあ、どこの局の話かは言えませんが（苦笑）。
どっちにせよ、この作品はコミックスに入ってくる可能性は少なそうです。

第１６回　『ＯＳＨＡＢＥＲＩ電話』　作／克・亜樹
（週刊少年サンデー８８年１８号掲載）

最後のひとりは克・亜樹です。
「はっぴぃ直前」やアニメにもなった「星くずパラダイス」等のサンデー作品がありますが、何といっても現在連載中の「ふたりエッチ」で有名な作家さんです。

克・亜樹が提供する未来の電話とは？
自分の意思を持ち、電話自体が情報処理から話し相手にもなってくれる様になった未来世界。
敬子さんからずっと電話がない事を心配する電話機は、持ち主に「謝ったほうがいい」と進言するが、持ち主のタケシは突っぱねてしまう。
さらに１ヶ月が過ぎ、心配した電話機は自分勝手に敬子さんに電話を架けふたりを無理矢理会話させるのだった。
何故そこまで仲を取り持とうとしたのか？
実は、敬子さんのところの電話機と恋をしているのだと電話機は答え…。
時は流れ、敬子と結婚した新居には仲良く並ぶふたつの電話機の姿が…。

という事で、克・亜樹先生らしいハッピーエンドでした。
わずか８Ｐという制約の中で、ちょっとひねったラブストーリーを描いてくれました。

という事で全１６作品の紹介を終えますが、どの作家さんも８Ｐで電話というテーマを描き上げており（一人を除く）、改めてプロの仕事というものに関心させられるシリーズでした。

さて、次は何を取り上げますかね？（笑）

ウィキペディア：楠桂／伊藤伸平／北崎拓／佐々木守／克・亜樹

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８８年幻の競作シリーズ「サンデー１９Ｓｈｏｗ」特集その３

すでに前半の８作品の紹介を終えている「サンデー１９Ｓｈｏｗ」特集ですが、本日も４作品を紹介したいと思います。

昭和が終わろうとしている８８年というと、この作品が復活した年でもありました。
第９回　『まことちゃん』　作／楳図かずお
（週刊少年サンデー８８年１１号掲載）

楳図かずお先生の代表作のひとつ「まことちゃん」が久々に本誌に登場する事になりました。
「まことちゃん」を使って６Ｐの電話コミックをまとめた様です。
この年に、後に「平成まことちゃん」と呼ばれるシリーズも始まっています。

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ドラ屋のおばさんからまことちゃんに電話がかかる。
何と借金の催促電話だったのだ。
１０円の借金を持って出掛けるものの、途中で倒れた妊婦に遭遇。
使ってしまっては借金が返せなくなるが、まことは公衆電話に１０円を入れるのだった。
すると、突然倒れていた妊婦がマスクを剥がし、ドラ屋のおばさんに変身！
「えらい！」と言って、借金は全部ナシにしてくれるのだった。

とまあ、結構いい話なのでした。
「平成まことちゃん」のシリーズは、「超!まことちゃん」としてコミックスが出ています。

第１０回　『電話の効果的利用法六態』　作／寺島英樹
（週刊少年サンデー８８年１２号掲載）

当時「女子中学生ノート」を連載していた寺島英樹。
ウィキで調べようとしたら、記載がありませんでした。
幻の作家になっちゃってるのかな？（苦笑）

１ページの短編マンガを６本という変則的な描き方をしていました。
①愛のおむかえ電話…寒いからコートを持って迎えに来いという彼女からの電話。だが彼女は自宅前の公衆電話からかけていたのでした。
②愛の確認電話…彼が友人と「絶対確認した方がいい」という会話をしているのを目撃した彼女。てっきり愛の確認電話かと思って待っていたら借金の催促電話でした。
③愛のファックス…深夜２時に大事な事を思い出す彼女。彼に電話して宿題の答えをファックスしてもらうのでした。
④愛の電話ボックス…彼氏をほったらかしで電話ボックスで長話をする彼女。やっと終わったと思ったら懐かしの友人が通りがかり、電話ボックスに入り直して、ふたりで長話を始めるのだった。
⑤愛のポケットベル…いつでも声が聞きたいと言って、彼氏にポケベルを渡す彼女。しかし、本当の目的は「お使い」なのであった。
⑥愛のキャッチホン…友達と長電話する彼女。キャッチホンで彼氏は１時間もほったらかしにされてしまうのでした。

という感じの短編作品集です。
ん～～今読もうと思ったら、昔のサンデーを探す以外にないのかな？（苦笑）。

第１１回　『テレカが友を呼ぶ』　作／島本和彦
（週刊少年サンデー８８年１３号掲載）

１１回目で島本和彦先生が登場！
自分が知る限り、この作品もコミックス未収録です。

夜の都会に立つサングラスの男。
数枚のテレカにそれぞれ名前が書いてあり、その人に電話する専用カードという事らしいです。
北海道にいる美樹男に電話したところ、カードの残量がなくなり、仕方なく白石用（女）のカードを差し込んだところ、電話口に「今、白石が来ているんだ」という事で彼女が出て来た。さらに白石用のカードも残量がなくなり、北郷用のカードを入れたところ「北郷が来た」と言って電話を代わる事態に。ちょっと神を信じたい気持ちになる男。…そして、死んだ友人・豊平用のカードを入れたところ…？

という、ちょっとホラーがかった作品でした。
主人公の名前は筆彦。
作者自身が主人公だったのかな？

第１２回　『電話がくれた愛』　作／喜国雅彦
（週刊少年サンデー８８年１４号掲載）

１２回目はヤングサンデー創刊号から「傷だらけの天使たち」の連載を始めた喜国先生です。
作風は今でも変わりませんね（苦笑）。

彼女と電話中に、彼女の家に訪問者が。
脅威の「しりとり強盗」だ！
しりとりを続けられなくなると、部屋の品物がどんどん取られてしまうのだ！
彼女に代わって、しりとりを続ける彼氏。
しかし、相手はプロで、「り」の連続攻撃に絶体絶命！
そこで彼氏は「パトカーを呼んだ」と言い、テレビのパトカー音で泥棒を騙して追い出す事に成功する。

という事で、またいかにも喜国作品らしいシュール感がいいですね。
竹書房のパーティーでもらった「ぼのぼののバスタオル」とか、集英社のパーティーでもらったポラロイドカメラとか作中に出て来るのですが、これは実話かな？（笑）

という事で、いよいよ次で特集は完結！
第１３回　楠桂の回につづく！！

ウィキペディア：楳図かずお／島本和彦／喜国雅彦

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新吼えろペン 8 (8) (サンデーGXコミックス) 島本 和彦

日本一の男の魂 19 (19) (ヤングサンデーコミックス) 喜国 雅彦

８８年幻の競作シリーズ「サンデー１９Ｓｈｏｗ」特集その２

今日は新刊が出ない月曜日でしたので、古本屋にちょっと寄ったのですが、そこで「みず谷なおき傑作集」を見つけました。
何気なしにページを開いてみたら、第１回で紹介した「言い訳コールは悪びれず…」が収録されているじゃありませんか！
今までこのコミックスは読んだ事なかったので知りませんでしたよ。
基本的にその頃のサンデーの読みきり作品は、かなりの確率でスクラップしている為、短編集に魅力を感じていなかったのです。
で、今回改めて買ってまいりました。
ん～記憶の隅っこをくすぐる感覚というか、当時は感じなかった郷愁を感じてしまいました（笑）。

という事で、前回から続いて第５回から第８回までの４作を紹介したいと思います。

第５回　『バトル・オブ・ラブコール』　作／尾瀬あきら
（週刊少年サンデー８８年７号掲載）

当時、少年ビッグコミックからサンデーに移って来た尾瀬先生が５回目に登場しました。
そういえば、サンデー時代のＳＦ作品「リュウ」も古本屋でも滅多に見かけませんね（苦笑）。

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バイト代をつぎ込んで親子電話を入れた後藤君。
記念すべき最初の電話で田島さんに告白しようとする。
だが、用意していた台本にコーヒーがこぼれてしまい、突然会話がアタフタ状態に。
なかなか進まない会話に、親子電話で妹が乱入！！
家族にオモチャにされたものの、「面白いおうちね」と評価され彼女とのつきあいが始まり…。
せっかくのスイート・グリーンの電話は妹専用になってしまいましたとさ。

たった６ページでラブコメが完結していて、さすがにまとめるのがうまいですね。

第６回　『チケットラジカル予約術』　作／森真理
（週刊少年サンデー８８年８号掲載）

当時、サンデー増刊号で「ラジカル庭球団」を連載していた森先生です。
アニメ原案「なーんとなくブーリン」の方が有名かな？
「とんでブーリン」を録画していた頃が懐かしい…。

内容は「ラジカル庭球団」の番外編。
確認していませんが、もしかするとコミックスに収録されているのかな？
女子テニス部マネージャーの茶所君は寮では奴隷の様にこき使われていた。
美舞さんから「レベッカのコンサートのチケットを取れ」と命令され、「チケットぴま」に早速予約の電話。
しかし売り切れになってしまい、発売当日に電話攻勢をかける事に。
特訓に特訓を重ね、時報と同時にかける事に成功！
何とか電話はつながったものの、肝心の住所氏名を伝えるのを忘れ、奴隷生活から抜け出せない茶所君なのでした。

「ラジカル庭球団」は古本でも中々見かけませんので、見る事がありましたらチェックしてみたいですね。

第７回　『マドンナを探せ』　作／長谷川法世
（週刊少年サンデー８８年９号掲載）

ベテランの長谷川先生は、少年サンデーで連載していた作家ではなく、アクション「博多っ子純情」などで知られる作家さんです。
当時は、よく分かっていませんでしたね。
「この作家だれだ？」って、思っていましたよ（苦笑）。

クラスのアイドル後藤さんが誘拐された？
目印は「トレンチコートの男」だ。
クラスメイトたちは５分ごとに電話で連絡しあう事になり、ポケベル（！）を持って町にくり出していった。
だが、捕まえてみれば彼女のいとこだった。
少年探偵団の活躍で事件は解決？

携帯電話のない時代の話らしく、連絡に苦労しているのが特徴ですね。
ポケベルの連絡を待って、近くの公衆電話から連絡するというのが懐かしい光景です。

第８回　『無人島に流れついて…』　作／細野不二彦
（週刊少年サンデー８８年１０号掲載）

８回目はサンデーでは結果を出し続けた細野先生でした。
さすがにストーリーテラーらしく、かなりの力作に仕上がっています。

嵐で船が転覆し、気がついてみると無人島にひとりでいた。
しかし、何もない島に何故か電話ボックスが！
しかし、彼は１円も持っていない為、連絡のしようがない！
いつしか彼は電話ボックスに「桃子」と名付け、彼女の様に接していた。
時は流れ、彼も年老いたある日、お金がなくても電話をする方法を発見する！
１１０番！！
しかし、相手は出ず…。

その一分後、ある無人島で「陽子」と名付けられた電話が鳴るのであった。

欄外にＮＴＴからのお知らせがあって、「１１０番１１９番に１０円は不要」となる旨が書かれていました。
中々味のある作品で、この作品がコミックス未収録になっているのだとしたら勿体無いですね。

さて、次は第９回　楳図かずおの回につづく！！

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ウィキペディア：尾瀬あきら／森真理／長谷川法世／細野不二彦

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源氏物語（上）―マンガ日本の古典 (3) 中公文庫 長谷川 法世

電波の城 4 (4) (ビッグコミックス) 細野 不二彦

８８年幻の競作シリーズ「サンデー１９Ｓｈｏｗ」特集その１

島本和彦先生の「炎の筆魂 １巻」の巻末を見ると氏の全作品リストが掲載されているのですが、それを見ると何がコミックス未収録なのか分かる様になっています。
そして、それを見ながら「ああ、これも未収録だったな」と思ったのが今回取り上げる「サンデー１９Ｓｈｏｗ」です。
８８年新年号から始まった「電話」をテーマにしたサンデー作家の６Ｐの競作シリーズで、当時のサンデー若手作家が次々と登場しました。
結局、１６人目の克・亜樹先生で最終回になったのですが、このシリーズのほとんどの作品がコミックス未収録になっていますので、当時を知らない人はまず見た事ないんじゃないかと思います。

そこで今回から４人づつ合計４回に分けて「サンデー１９Ｓｈｏｗ」を紹介したいと思います。

第１回　『言い訳コールは悪びれず…』　作／みず谷なおき
（週刊少年サンデー８８年１号掲載）

記念すべき第１回は今は亡きみず谷なおき先生です。
生きていれば、今でもサンデーで描かれていたかも知れません。

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街中でケンカする男女。
鋭人がデートに遅刻したからなのだが、遅れた理由は別の女性とテニスをしていたからだった。
公衆電話にテレカを入れて彼女の家に電話する鋭人だったが、留守番電話だったので必死に理由を言いまくりテンパってしまう。
だが、彼女は留守番電話のフリをしていただけで、ずっと聞いていたのだった。

という事で、連載１回目では「ひとり留守番電話」の仕方をレクチャーしていました。
要するに、発信音に似た音を出すものなどを用意して騙した訳です。

第２回　『奥崎健三、貧者の一報』　作／安永航一郎
（週刊少年サンデー８８年２・３合併号掲載）

とにかくコミックス未収録作品の多い安永作品が第２回でした。
当時はサンデーの未来を託されていたような気が…（苦笑）。

８７年１２月吉日。
貧乏な奥崎君は彼女を呼び出しお金をせびろうとする。
しかし断られ、友人達にも無視され、いよいよ餓死するかと思いきや道端で１００円を拾う。
公衆電話で実家に連絡すれば助かると思いきや、電話に出たのがボケていたおばあちゃんの為、結局話が通じないのだった。
８８年正月。
やっぱり奥崎君は貧乏だった。

第３回　『純情少年山田甲八の場合』　作／鈴宮和由
（週刊少年サンデー８８年４・５合併号掲載）

８０年代のサンデーの顔のひとり鈴宮先生です。
そういえばしばらく見てないなあ（苦笑）。

片思いの彼女に年賀状を書く山田君。
失敗に失敗を重ね、やっと完成した年賀状は突風に飛ばされて飛んで行ってしまうのだった。
意を決して彼女に電話する山田君でした。

第４回　『さまよえる赤い蝶』　作／青山剛昌
（週刊少年サンデー８８年６号掲載）

すでに人気のあった青山先生ですが、まだこの頃は「コナン」は始まっていませんね。
尚、この作品はアニメにもなっているので知っている人も多いかと思います。

探偵に謎のメッセージを送る謎の女。
謎を解き、現場にたどり着くと待っていたのは「彼女」でした。
将来の「コナン」を思わせるものがありますね。

こんな感じで残りの１２作も紹介したいと思います。
第５回　尾瀬あきらの回につづく！！

ウィキペディア：みず谷なおき／安永航一郎／鈴宮和由／青山剛昌

人類ネコ科 1 (1) みず谷 なおき

火星人刑事 5 (5) (ヤングジャンプコミックス) 安永 航一郎

とってもひじかた君(1) (ソノラマコミック文庫) 鈴宮 和由

青山剛昌短編集
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知る人ぞ知る幻の迷作「やってきたドッタエモン」

ＦＣ２からの警告に従い、「コロコロコミック創刊号」の記事を削除したのですが、どの辺りが引っかかったのかを考えるに、もしかすると「ドラえもん」の部分なのかなと、フト思いました。
最近「ドラえもんの最終回」が物議をかもしたばかりですし、小学館側が敏感になっていても不思議ではないかと思うからです。
さすがにこうなると、今後「初期のコロコロに関する記事」を作るのは無理かな？と、気が引けてしまいます（苦笑）。

その一方、単なるパロディコミックが問題になるともちょっと考えられません。
そう考え、「２０年戸棚」からこの様な作品を引っ張り出して見ましたがどうでしょうか？

８０年に発表された「やってきたドッタエモン」です。
作者であるのむらしんぼ氏は「とどろけ！一番」「つるピカハゲ丸」で有名な作家さんで、「ギャグまんが大行進」という藤子不二雄作品を集めた特集本にこの作品が収録されていました。
つまりこの「ドラえもんモドキ」な作品は「ドラえもん」と一緒の本に収録されている訳で、藤子サイドも認めた形で発表・掲載されたと思われます。

という事で、簡単にレビューなどを。

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ゴリパンにいじめられて「ドラえもん」のコミックスを奪われた伸太（しんた）。
本当にドラえもんがいたらなあ、と思っていたら机の引き出しからいきなりヘンなのが登場しました。
あちこちツッコミどころだらけなその姿に戸惑いながらも、伸太はゴリパン（ジャイアンというよりゴリライモだよね、コレ）をやっつける道具をせがみます。

ポケットから出した棒でいきなり殴るドッタエモン。
「他にないの？」と言えば精神注入棒がさらに発動！
そんな中、ゴリパンがやって来て野球をやろうと誘うのです。
精神注入棒を恐れて、ドッタエモンに頼れない伸太でしたが、

都合よく棒が変化。
ゴリパンの剛速球をホームランに！

しかし！

結果は裏目に…。

ドッタエモンが棒のスイッチを元に戻すと、

ゴリパンを一蹴！

逃げる伸太の前に「あのドア」を出すドッタエモン！！

まるでクイズ番組のバラエティの様な展開（笑）。
さすがに伸太は寝込んでしまいました。
寝ているうちにドッタエモンは次のお呼びがかかり、引き出しの中に帰っていったのでした。

ドッタエモンは帰ったものの、トラウマが残る伸太なのでした（笑）。
それにしても「絵描き歌」とは懐かしいですね。

という事で、のむら氏にとっては、トンでも受験マンガ「とどろけ！一番」誕生以前の、レアな読みきり作品でした。

ドラえもんのパチもんコミックというと、最近だと「涼風」の巻末コミックのシリーズ「涼風もん」がいい感じです（笑）。

何故か絵柄が異なる男性陣。
この大和君はいい感じだなあ（笑）。
作者は他にも「エスパー美穂」とか、藤子作品のパロディをやっていて、これが結構楽しめます。

今回の様な昔のレア作品は検索してもほとんど出てこないのですが、実際にどの程度知られているのか、あるいは知らないのか、気になるところです。

ウィキペディア：のむらしんぼ／瀬尾公治

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つるピカハゲ丸ベストセレクション 上 てんとう虫コミックスライブラリー版 のむら しんぼ

涼風 17 (17) (少年マガジンコミックス) 瀬尾 公治

１９８３年スピリッツ２０号～長期連載「美味しんぼ」が始まった日

ビッグコミックスピリッツで長期連載中の「美味しんぼ」が初めて同誌に掲載された時の誌面がコレです。
…まあ、相変わらずこういったもののコレクションに余念がなかったりします（笑）。

それはそうと、よくよく考えてみると８３年スタートですからすでに今年で２４年経過してしまっており、すでに創業１００周年の事業としての「究極のメニュー作り」は失敗なんじゃないですかね？（笑）
「日本全県味巡り」もまだほんの数県しか完了していない事を考えれば、山岡士郎の定年前に完成するのはほとんど無理な気がします。
料理をテーマにしている作品だけに、特に季節は気にしている様ですし、となれば、作中の時間の流れは現実と同じと見ていいでしょう。
連載開始時に新人だった栗田ゆう子も勤続２４年になっている訳で、実は「本当の彼女」はすでに４０歳台で５０歳に手が届く…！？
だとしたら、随分子供は遅かったんですね～（苦笑）。

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物語はゆう子の登場から始まりました。
当時は不定期のシリーズ連載で、毎月１５・３０日発売のスピリッツのメインは「めぞん一刻」だった時代です。

今にして見ると、現在のとはかなり絵の印象が違いますね。
月２回刊のスピリッツは、まだタイトルロゴも「スピリッツ」の部分が小さい頃でした。
こんなカラーにもならない単なるシリーズ連載でスタートした当作品もコミックスがいよいよ１００巻になろうとしており、何とも感慨深いものがあります。
果たして連載完了の日は本当にいつか来るのでしょうか…？（苦笑）

ウイキペディア：美味しんぼ

美味しんぼ 99 (99) (ビッグコミックス) 雁屋 哲 花咲 アキラ

「ジーザス」「闇のイージス」の藤原芳秀・少年サンデーデビュー作「魔利巣」

デビュー作シリーズ今回は藤原芳秀です。
少年サンデーでデビューしてから、しばらく同誌で連載を続けていましたが、近年ではヤングサンデーに舞台を移して活躍している作家さんです。
ウィキペディアによると、デビュー後は池上遼一氏のところでアシしていたそうですが、その為か現在の絵のタッチと比べて、このデビュー作の絵とは印象が多少異なる気がします。
その著作が全て“原作付き”というのも特徴的です。

【デビュー時のコメント】
学校の友人たちに、メチャクチャ祝福され、受賞の感激がこみあげてきました。この賞を励みにして、高校を卒業したら本格的にまんがにとりくむつもりです。今回の作品は、少し暗くなってしまったけど、明るいラブコメなんかも好きなんです。応援してください。

え～と、藤原氏のラブコメ作品って何かあったっけ？（笑）

といったところで、８４年少年サンデー６月増刊号に掲載された、デビュー作「魔利巣」を簡単に紹介します。

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平穏な町に、突如として巻き起こる惨劇とは！？
抜群の描写力で迫る、新人コミック大賞入選作！！

通りのお堂で遊んでいる子供たち。
少年・ヒロシは変な箱を見つける。
ヒロシの手に突然突き刺さる謎の刃物！
子供たちの悲鳴に通りかかった学生・滝本が見てみると、少年の手にナイフの様なものが貫通していた。

しかも、何か血を吸っている！？

少年の手を離れたナイフを手にした滝本に異変！？

そして…。

翌朝、町ではナイフの通り魔の話題で盛り上がっていた。
そんな中、滝本の彼女（？）のかすみは滝本の様子がおかしい事を気にしていた。

その夜、とあるダンスホール。
滝本は踊っていた女性に声をかける。
その手にはあのナイフが…。

無表情に殺人をする滝本。

翌朝、滝本は何食わぬ顔で登校していた。
だが、話している最中に突如滝本は発作に見舞われる。
その目には謎の僧正の姿が…。

かすみ「やっぱりおかしていよ滝本君。」

貝塚弥生が滝本をディスコで見かけたという。
その話を聞き、次のターゲットに狙いを定める滝本。

その夜、貝塚を刺そうとした滝本だったが、また謎の発作が！
物陰から謎の僧正が見ていたのだ！！
「お嬢さん。暗い夜道のひとり歩きは危険ですよ！！」
少女に声をかけた後、気がつくと滝本の姿は消えていた…。

翌朝、僧正は滝本の学校を突き止める。
一方、学校では持ち物検査が行われていた。
滝本がナイフを持っている事を指摘する教師だったが…。

間髪いれずに教師刺殺！！
教室に血の雨が降る！！

僧正の手にもナイフが！？

次々と死んでいく生徒達！
そして…走る僧正の前についに滝本が！！

金衛一族と謎の剣の因縁の対決が始まる！！

学校を飛び出す滝本と追う金衛！
金衛の持つ剣はかつて滝本の持つ剣を封印した因縁があるのだ！！
通りがかりの人たちの頭を吹き飛ばし、滝本は一路駅へ！

彼女の声に動揺する滝本。
彼女の涙に意識を取り戻すのだった。

近づいて一気に封印しようとした金衛だったが、剣自身にはまだ力が残っていて、彼女を助けようと前に出た金衛は刺されてしまう！！

その刹那、「退散せよ！！」

自らを犠牲にして、剣を倒した金衛。
滝本自身も血の海に沈んでしまう。
何とか倒した金衛もその場に崩れ…。

だが！
剣は騒ぎの中、まんまと逃げてしまう！！

時は流れ…。

新たな金衛が町に降り立った。
「この都市のどこかにいるはず…わが一族に伝わる…宿敵…しかし…」
「この邪気…強すぎる…どこだ！？」

町全体に…！？

幕を閉じるのはいつの日か…この壮絶な戦い！？

といった、伝奇的作品が藤原芳秀氏のデビュー作です。
高校生が描いたにしてはかなりの力作で、内容もかなりのもの。
この事は選考員たちも高く評価している様です。

赤塚不二夫先生より
なかなかの努力作です。ＳＦ的発想の作品が多かった中で、自分なりのカラーを出そうとしている点は評価できます。絵の方も、まだ荒削りではあるが、これから伸びそうな気がします。ラストシーンは、もう少し印象的に描いてもよかったのでは！？

藤子不二雄先生より
陰惨すぎる感じがしますが、構成力と画力はかなりのものだと思います。この力量があれば、もっと明るく、快活な作品が描けると思います。直線的な描写をしなくても、スリルやサスペンスは表現できるものです。将来性に期待します！！

松本零士先生より
現実感のあふれる、大力作と感じました。画風、ストーリーともに迫力十分です。過去の因縁の部分は若干分かりにくかったほかは、一気に読ませてしまう力を持っています。作品のまとめ方は、応募作の中でも目立ってました。

斉藤次郎先生より
かなりの力量を持っています。起承転結もしっかりしており、絵柄も作品にあっています。しかし、現実と非現実のつなぎ目を、もう一工夫して描かないと、深みが出ません。ハードな刺激に頼らない作品にも、挑戦してみてはどうでしょう。

結構ケチが入る事が多い選考者コメントなのですが、これほどベタ誉めなのも珍しいです。
何故、その後の連載作品が“原作付き”ばかりなのか、不思議な気がしますね。

「闇のイージス」の新シリーズについては、「ＢＵＧＳ１巻」でも語られていますが、恐らく遠くない日にスタートするはず。
期待して待ちたいと思います。

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闇のイージス 26 (26) (ヤングサンデーコミックス) 七月 鏡一 藤原 芳秀

「実録あだち充物語」～実の兄が描いた７０年代ストーリー

ヤングサンデーでシリーズ連載している島本和彦「アオイホノオ」が、８０年代のコミックシーンを描いて話題になっていますが、こういったマンガ家の立身出世物語というのは昔から色々ありました。
本人が描いたもの、師匠が描いたもの、アシだった者が描いたもの、色々な場合がありますが、兄弟の手によって描かれたこのケースは珍しいんじゃないかと思います。
兄弟揃ってマンガ家でないとありえないからです。

すでに大作家として評価を得ているあだち充先生にはあだち勉という兄がいました。
いました…というのは、実はすでに亡くなっているからで、自分も最近まで知らなかったのですが、０４年にガンで亡くなっているそうです。
昔、いくつかの作品を読んだ事がありましたが、弟の成功の影で尽力した兄の存在は決して小さくはなかったはずです。
遅ればせながら、ご冥福をお祈りいたします。

さて、島本和彦「アオイホノオ」の中で少年ビッグコミックが話題に出ていましたが、あだち充先生のブレイクはここで連載した「みゆき」からであり、当時のブームに併せて、兄・勉先生の手によって「実録あだち充物語」という作品が発表されています。
今回は８３年の少年ビッグコミック５号から、この作品を紹介したいと思います。

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まずはあだち充先生が登場。
喫茶店でネームを描いているシーンです。
２４年前のあだち先生はさすがに若いですね。

あだち兄弟の前に登場したのは元アシスタントの小野新二先生。
小野先生もすでに他界されているそうですが、詳細はよく分かりません。

この時代、丁度「みゆき」のＴＶアニメ化と、小学館漫画賞が話題になっていた頃でした。

「アオイホノオ」でも使われた「過去の作品の紹介シーン」です。
あんまりな言われようですが、師匠であるが故可能な言い方なのでしょうね。
しかし、小野作品というとエロいイメージが強いってゆーか（笑）

という事で舞台は昭和４６年頃に。
あだち勉は売り出し中の作家で、まだ弟・充はデビューはしたもののイマイチな状態。
そんなあだち勉のアシスタントとして小野新二＋１が入って来ました。
まだ十代の少年に漫画のイロハを教えたとか。
そんな小野先生は、「平気で師匠よりうまいものを食うずうずうしいヤツ」だったそうです（笑）。

当時、あだち充先生が描いていた作品として「ワン・ダウン」が紹介されています。
知っている人は知っていると思いますが、デビュー当時のあだち充先生の画風は現在のものとは１８０度違うんですよね。
初期の作品が未だにリリースされないのは、この辺りに原因があるのでしょうか？

あだち勉先生は一時は富を手に入れたものの、その後、急にヒマになってしまったとか。

あだち勉のアシだったはずの小野新二はいつの間にか弟・充のチーフ・アシになっていたそうです。
しかし、「この漫画のこの部分を描いた」なんて表記されるのはかなり珍しい印象ですね。

そんな小野新二もしっかり成功を収めます。

「ＯＨ！タカラヅカ」はエッチな映画。
美保純で反応する人は若くないです（笑）。
原作の史村翔（当時３５）がコメントとして、「やることはやったという感じだネ。そこで実は、あと１回で完結させようと思っている。ただこの話を相棒の小野君に、どう切りだしたらいいかと思案にくれている今日この頃なんだ」という「ここだけの話」が掲載されていました。

「みゆき」がアニメになるとはいえ、自分はすでに映画になっているから、すでに師匠を追い越してしまったと豪語し高笑いする小野新二。
で、ミソがついてこの話は終わりです。

という事で、ちっとも「あだち充物語」じゃないなあと思っていたら、第２話が掲載される事が発表されました。
少年ビッグコミック増刊号に掲載された分は、現在室内探査中です（笑）。

当時コミックスは発売されたのですが、何故か買い損なってしまったんですよね。
皆さんも何処かで見る事がありましたら、手にしてみる価値はあると思いますよ。

ウィキペディア：あだち充／あだち勉／美保純

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