少年サンデーで話題の渡瀬悠宇・代表作「ふしぎ遊戯」の不思議な魅力

少年サンデーにて渡瀬悠宇が連載を始めるというのは、結構ビックリなニュースでした。
しかし、今までの小学館での貢献度を考えるとサンデーをさらに強化する意味での登板というのも分からなくはありません。

そんな作者の代表作といえば無論「ふしぎ遊戯」な訳ですが、久しぶりにコミックスを手にしてみると１巻が９２年初版とあります。
つまり、今の高校生はリアルタイムを知らない世代な訳なんですよね。
何かジェネレーションギャップを感じたりもしますが、自分はアニメをちゃんと見てずっと追いかけていたクチでした。

今回は知らない世代へのメッセージを含め、そんな「ふしぎ遊戯」を少し語ろうかと思います。

夕城美朱（ゆうき みあか）は中３の受験生。
親友の本郷 唯（ほんごう ゆい）と図書館で受験勉強をしていた。
そこで美朱は「四神天地書」という古い本を見つける。
この本は読み終えるとあらゆる力を得て、望みが叶うのだという。

そんな本を読んでいる時、突如地震が発生！
何と二人は本の中に吸い込まれてしまった！！

本の中に広がる世界。
そこは古い中国の様な異世界だった。
そこで出会う謎の少年鬼宿（たまほめ）。
彼に危ないところを救われるが、突如現実の世界に引き戻されてしまうのだった。

美朱の現実。
母親の浮気。
家庭の不和。
ついに美朱は家を飛び出してしまう。
ケンカ別れの行き先に選んだ場所は、再び本の世界だった。
だがしかし、今度は簡単に帰れなくなってしまう！！

このケンカ別れした後に異世界に、という流れは「漂流教室」を思わせますね。

本の中に入った美朱を待つ運命。
それは伝説の朱雀の巫女。
今自分が物語の主人公になった事を知る。

巫女は朱雀を呼び出し、この国を救う役目を負う。
四神天地書の世界は「北甲国（ほっかんこく）」「西廊国（さいろうこく）」「紅南国（こうなんこく）」「倶東国（くとうこく）」と他の小国から成っており、美朱は朱雀を祭る「紅南国」の為に働く事になるのだが…。

朱雀の巫女を守る７人・南方朱雀七星宿！
まずこの７人を探さなければいけない。
（すでにこの段階では、鬼宿（たまほめ）とこの国の皇帝陛下である星宿（ほとほり）は発見済み。）

３人目・柳宿（ぬりこ）。
女の姿をしているが実は男。
デタラメに強い。
美朱に対してライバル心を持っていたが…？

世界を司どる大極山の太一君（たいいつくん）。
精神的ショックで倒れた美朱を元の世界に戻す事になり、彼女を頼る事になったのだが…。

この太一君は「玄武開伝」では幼子としても登場している。

美朱が本の中に入っている事を知る親友の唯は、何とか外からも呼びかけようとする。
その結果、何とかサルベージに成功。
しかし…。

思えばここで運命が大きく歪んでしまったのだ！！

唯が行方不明になった。
考えられる事はひとつだけ。
自分が現実の世界に戻った際、入れ替わりで唯が本の中に入ってしまったのだ！！
彼女を助けられるのは、本の事を知る美朱のみ。
犬夜叉のかごめの如く、日用品をリュックに抱えいざ本の中へ――！

この時に兄に相談した事で、兄が大活躍（特にアニメでは）してくれるのだ。

４人目・井宿（ちちり）。
いつもネコ目なのだが、実は顔に大きな傷がある。
術を使うのが印象的でした。

何とか本の中で唯に出会う美朱。
しかし、彼女は敵対する青龍の巫女になっていたのだ！
しかも彼女は美朱を憎んでいた。

少し会わない間に彼女に何があった！？

５人目・翼宿（たすき） 。
炎のハリセン使い。
必殺・烈火神灼はインパクト絶大。

６人目・軫宿（みつかけ）。
医者で医療担当。
一番大きいヤツが医療担当というのも、ある意味凄いかも。

最後の７人目・張宿（ちりこ）。
最年少の天才児。
彼が出る前にニセモノが出ており、最初はそっちが張宿（ちりこ）かと思われたのだが…。

さて、この作品ではキャラクターがバンバン死にます。
敵も味方も見境なく死にます。
中盤の惨劇シーン。
家に帰った鬼宿（たまほめ）を待っていたのは家族・兄弟たちが惨殺された姿だった。
お土産の「マリ」を渡す相手はすでにこの世にいなかった。
殺したのは青龍七星士・角宿（すぼし）！
鬼宿（たまほめ）とは最後まで因縁がありましたね。

現実の世界では兄が四神天地書を調べていた。
その過程で浮上した奥田多喜子の存在。
彼女を主人公とした「玄武開伝」は大正時代の物語です。

物語は終盤、現実の世界へ舞台を移す。
ついに東京に出現する鬼宿（たまほめ）！
彼は自分が本の中の人間である事を知りショックを受けるのだが…？

アニメでも大きく盛り上がった東京決戦！
呼び出された朱雀と青龍が現実にバトルする。
以下、ウィキペディアより。
＞最終話では最後の決戦ともいえる場面が展開されるが「四神天地書」の世界で起こるのではなく舞台を一気に現実世界へと移し、本から出てきた心宿と鬼宿の壮絶なバトルが当時の新宿新都心で一般市民巻き添えで繰り広げられた。アニメにおけるこのシーンは異世界格闘シーンと現実世界のギャップが相俟ってリアルロボットアニメにおける市街地戦の要素も含むリアリティがあった。

今回久しぶりに読んでひとつ感じたのは、やたらと美朱が“脱げる”事ですね。
風呂に入るのは勿論、攻撃されて服がボロボロになったり、ついには濡れ場もある訳で、少女マンガのお色気が取り立たされるのも分かる気がします。
少年誌だと何処まで出来るのでしょうか？（笑）

さて、ここまでで全１８巻のうち１３巻までになります。
実はここで第１部が終わり、残りは第２部になるのですが、ＴＶアニメは第１部のみを５２話で描いていました。
後にＯＶＡで続編が出ましたが、最期はノベルの方までアニメになるというロングラン展開になってしまいました。

「アラタカンガタリ」がこれからどうなるのかは分かりませんが、予備知識として「ふしぎ遊戯」を読んでおいて損はないと思いますね。

ウィキペディア：渡瀬悠宇
作者ブログ：日月の聲

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