さらば月刊少年ジャンプ！～休刊雑誌の記憶

発表されたニュースによると、あの「月刊少年ジャンプ」が休刊する事になったそうです。
自分はと言うと、あの「ガッツ乱平」や「白い戦士ヤマト」の頃から買い続けている訳で、かれこれ２０年以上の付き合いになりますから、今回の発表に動揺せざるを得ません。
伝え聞くニュースによると、一時は１５０万部もあった部数が４０万部を切るまでに落ち込んでしまったとか。
実際の話、それ以下の部数の雑誌がいくらでもありそうなのに休刊の決断をしてしまうのは少々気が早い様な気もしなくはありません。
ですが、集英社としては恐らくジャンプブランドのイメージ低下を恐れたのかも知れません。

ここで気になるのが、秋に出る新雑誌です。
「基本的に全連載の終了を予定」しているそうなのですが、さすがにそれはないんじゃないでしょうか？
休載している「冒険王ビィト」やアニメになる「クレイモア」、「ギャグまんが日和」、「一斗」、「テガミバチ」、「黒姫」、「ロザリオとバンパイア」など、人気作も決して少なくなく、新雑誌をスタートするにしても、この中からいくつかは引き継いだ方が販売に有利に働くと思うのです。
過去に休刊になった雑誌はそれこそ沢山ありますが、大抵は「優良コンテンツの移籍」が行われました。
果たして新雑誌に移籍して連載を再開する作品はあるのか？
自分の所有する過去の休刊雑誌をいくつか見て、検証してみたいと思います。

ＥＮＤ－１　『月刊少年ブラッド』
（０６年１１月号で休刊）
まだ記憶に新しい「月刊少年ブラッド」です。
結局１年ともたずに休刊してしまいました。
休刊後の措置として、「続きはwebｗで」というのは正に新時代のやり方かも知れませんが、雑誌創刊時にそんな事を考えているはずもなく、ヤフーで再スタートする事になったのも「結果としてそうなった」感は否めません。
ただとりあえず、連載作品は守られたので良かったとは思います。
後は「web連載」という形が、どれだけの成功を収めるかですね。

休刊号で巻頭カラーになったのは連載３回目の「デルタサーガ」でした。
当然コミックスになるだけのページ数に至ってはいない訳で、まだ何も始まらないウチの休載になった格好です。
今後に期待しましょう。

月刊少年ブラッド5月号+表紙テレカセット

ＥＮＤ－２　『コミック電撃帝王』
（１１号で休刊）
月刊コミック電撃大王の増刊号という形でリリースされていた、「コミック電撃帝王」です。
当初は結構厚い雑誌たせったのですが、どんどん薄くなっていったのが印象深いですね（苦笑）。
本誌連載の「かしまし」の番外編などを掲載する事もありましたが、部数が伸びなかったのか休刊する事に。
連載陣の中では、「シャイナダルク」が本誌「コミック電撃大王」に移籍、「こはるびより」は「電撃萌王」でも連載、「戦え萌えファイト」は他の電撃系への移籍を示唆していました。
それ以外の作品は全て終了しています。

「それいけ！ポストちゃん」より。
休刊をネタにするのはこういう時くらいなので、貴重だとは思います（苦笑）。

電撃帝王 2007年 01月号 [雑誌]

ＥＮＤ－３　『ヤングマガジンアッパーズ』
（０４年２１号で休刊）
隔週刊の雑誌「アッパーズ」です。結構気に入っていたので休刊の時はショックでしたね。
優良コンテンツも多く、いくつかの作品が移籍しています。
「ＲＥＤ」「Ｒ－１６」「ＳＵＧＡＲ」が「週刊ヤングマガジン」に、「餓狼伝」が「イブニング」に移籍しました。
この最終号の特集は面白く、「各作家が別の作者の作品を描く」という企画をやっていました。
そもそも表紙が池上遼一先生の「大市民」ですし、はっとりみつる先生の「バジリスク」や、堂高しげる先生の「Ｒ－１６」など、見所も多い企画でした。

アッパーズは好きな作品も多かったのですが、特にネタ漫画「全日本妹選手権」は好きでしたね（苦笑）。

で、終了間際で一番好きだったのは「ジョバレ」でした。
バレーボールのスーパースターの彼氏が死に、その足の筋肉を移植された少女が女子バレーで輝き始める…というところでの連載終了はさすがにガッカリしました。
現在、月刊少年シリウスで「西遊記」を連載していますが、主人公が三蔵法師の妹という設定に心躍っています（笑）。

ジョバレ 1 (1) 白井 三二朗

危ないものでもネタにする「全日本妹選手権」。
最終回の「男坂ネタ」は知っている人なら爆笑必至です（笑）。

全日本妹選手権　Vol.1 アッパーズKC 堂高 しげる

ＥＮＤ－４　『月刊コミックＧＡＴＴＡ』
（０１年７月号で休刊）
結局１年半しか続かなかった「コミックＧＡＴＴＡ」です。
一番の目玉作品は「新宇宙戦艦ヤマト」。
スタート当初はアニメ化の話もありましたが、いつの間にか何処かに行ってしまいました（苦笑）。
最終号の巻頭カラーは麻宮騎亜先生の「えびるクン」。
この後で「焼きたて！！ジャぱん」で有名になる橋口たかし先生の「シザース」の他、西条真二、瀬上あきら、塩崎雄二、ロドリゲス井之介、あおやぎ孝夫先生等、それなりにメンツは揃っていたとは思うのですが、思う通りにはいかなかった様です。
結局、全連載が終了しております。
目玉の「ヤマト」も結局頓挫してしまいました。
古代進の子孫が主人公なのはいいのですが、ヒロインが森雪の子孫って事は結局「初代ヤマト」でふたりは結ばれなかったのでしょうか？（苦笑）

新宇宙戦艦ヤマト (1)
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ＥＮＤ－５　『エース特濃』
（０４年８月号増刊で休刊）
月刊少年エース増刊号として発行されていた「エース特濃」です。
全体的に重い印象の雑誌でしたが、「黒鷺死体宅配便」「探偵儀式」など一部の作品は本誌に移籍しました。
一方で、現在ヤングガンガンで活躍中のくぼたまこと先生の「指輪物語」や、葉月京先生「イヌネコ」など色っぽい作品もあり、結構楽しみにしていたのですが…。
巻末では新雑誌「コミック新現実」が発表になっていました。

comic新現実―大塚英志プロデュース (Vol.1)

ＥＮＤ－６　『ビッグゴールド』
（９９年３月号で休刊）
通向けといったニュアンスのあった「ビッグゴールド」です。
目玉は「銀河鉄道９９９」の新シリーズ。
他にも水島新司、高井研一郎、横山光輝、水木しげる、ジョージ秋山先生など、名前を聞くだけで唸ってしまうラインナップ。
当時、この雑誌が休刊になった時は本当にガッカリしましたね。
水木しげる先生の新作なんて、中々読む機会なんてないですからね。
最終号も当然ながら、「９９９」 が巻頭カラーでした。
この後、インタビュー記事があり、「９９９はインターネット連載へ」と謳っています。
事実、雑誌連載分は２０巻までであり、その後も何冊か発売されています。
ただ…ちきんと完結するのかは少々疑問ではあるのですが（苦笑）。

銀河鉄道999 (20) 松本 零士

ＥＮＤ－７　『ヤングクラブ』
（９１年８月増刊号で休刊）
「まんがくらぶ」の増刊号として発売された「ヤングクラブ」です。
といってもこの雑誌…わずか３号しか出ていません！（苦笑）

何故こんなマイナーな雑誌を買っていたかというと、当時島本和彦先生に夢中になっていた時期でして、現在「サンデーＧＸ」で連載している「吼えろペン」の前作に当たる「燃えよペン」が連載されていたからです。
ですが、１巻が出たばかりなのにいきなり休刊になってしまい、この号に掲載されている話は結局コミックス未掲載になってしまいました。
（後日完全版としてフォロー）
他の連載作家はほりのぶゆき、唐沢なをき、土田世紀、内田春菊、鈴木あつむ先生など。
当然ながら、全作品打ち切りです（苦笑）。
この最終号の目玉が島本和彦先生と高橋留美子先生の対談でした。
何と６ページに及びます。
やるなあ竹書房～！（笑）

燃えよペン 島本 和彦 関連商品 吼えろペン 1 (1) 吼えろペン 2 (2) 吼えろペン 3 (3) 吼えろペン 4 (4) 吼えろペン 5 (5)

ＥＮＤ－８　『ヤングキャプテン』
（８８年３号で休刊）
この「ヤングキャプテン」という雑誌は、「月刊少年キャプテン」の増刊号という位置付けで、隔月刊として発売されました。
が、これもまた３号で休刊する事に。
この雑誌がちょっと普通と違うのは、この号で終わる事を告知していない事です。
「結果として４号目が出なかった」という訳で、全部の連載がまだ途中といった状態のまま終わっています。
この最終号の表紙は島本和彦先生の「仮面ボクサー」。
というよりも３号全てが「仮面ボクサー」です（苦笑）。
コミックスは、連載の３話分に追加する形で発売されています。
尚、他の連載作家はあろひろし、星里もちる、宮原ナオ、唐沢なをき先生など。

この雑誌で連載していたあろひろし先生の「若奥さまのア・ブ・ナ・イ趣味」は、３話以降は本誌少年キャプテンで掲載されたと思いますが、コミックスでは上の様に説明がされていました。
星里もちる先生の「いきばた主夫ランブル」もエピソード追加でコミックスになっていますね。

仮面ボクサー
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若奥さまのアブナイ趣味
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ＥＮＤ－９　『ミスターマガジン』
（００年３号で休刊）
創刊号からずっと買っていた「ミスターマガジン」も休刊しました。
この雑誌については色々とありますが、後期になってお色気がやたらとパワーアップしていましたね（笑）。
八神ひろき「Ｇ－ｔａｓｔｅ」と唯登詩樹「ＹＵＩ ＳＨＯＰ」は時々度が過ぎた印象も。
最も、このふたつは他誌で生き残った訳ですけどね（苦笑）。
最終号の巻頭カラーは「野球狂の詩平成編」でした。
一応この回で最終回になってはいるのですが、「新野球狂の詩」として「週刊モーニング」で再スタートしています。
他の連載作家では「ガンダム」の安彦良和、倉上淳士、もとはしまさひで、山口譲司、郷田マモラ先生など。

そして、忘れちゃいけないこのお人です（笑）。
あの野中英次先生の出世作「課長バカ一代」もこの回で最終回になってしまいました。
かなり楽しみにしていただけに、休刊は本当にショックでしたね。
作者のコメント「べつにいいや」って、今と何も変わってませんね（苦笑）。
コミックスではカットされていますが、当然ながら担当のツッコミがハシラ部分に書かれています。
「クロ高」で掲載されて始めてツッコミの重要性に気がついた訳ですが、「未来町内会」ではカットされているあたり、昔に戻ったという事なのでしょうか？（苦笑）

課長バカ一代 1 (1) 野中 英次

さて、次はＥＮＤ－１０…と行きたいところなのですが、すみません…これ以上部屋から見つかりませんでした（苦笑）。
自分の記憶では「ドラゴンジュニア」「コミックバーガー」「少年ビッグコミック」の休刊号は残っているはずなのですが、いかんせん、古すぎて押入れの何処にしまったのか全く分からなくなってしまいました。
逆に創刊号は色々と見つかったのですけどね（苦笑）。
「少年王」「別冊コロコロコミック」「スーパージャンプ」「ヤングサンデー」「ウルトラジャンプ」など、この辺は創刊号がちゃんと残っているのを確認しました。
本当は「コロコロコミック」も創刊号から５０号あたりまで買っていたのですが、中学の頃に全部処分してしまったのですよ…（涙）。
創刊号のドラえもん２００ページというのが印象的でしたね。

さて、そんな創刊号からこれをちょっと紹介します。
「週刊ヤングサンデー」です。
何故これを紹介するかというと、この雑誌はちょっと他の雑誌とは誕生のいきさつが異なるからです。
前身となる雑誌は隔週刊の「少年ビッグコミック」というまぎれもない少年誌。
それが週刊で青年誌に変わるというのですから、連載陣にもかなりの影響があったと見るべきでしょう。
「少年ビッグ」から引き継いだのは、小山ゆう「お～い！竜馬」原秀則「冬物語」六田登「ＴＷＩＮ」野部利雄「ミュウの伝説」細野不二彦「東京探偵団」の５本。
どれもそうそうたる作品です。
これに加わった新連載陣は喜国雅彦、内田春菊、あろひろし、北崎拓先生など、ちょっとＨな作風のある作家さんたちで、明らかに雑誌のカラーが変わりました。

さて、ここまで長く語りましたが、結局のところ集英社の新雑誌がどういうものかである程度移籍漫画が決まる気がしています。
すなわち、あくまで少年誌なのか？それともやや年齢層を上げるのか？

８０年代末の頃は今の月刊少年ジャンプよりも、年齢層が高く感じます。
弓月光先生やみやすのんき先生など、明らかに読者年齢を上げていましたからね。
現在の月刊少年ジャンプはというと、カードゲームであるとか、明らかに低年齢化している気がするのです。

新雑誌がどうなるのかは分かりませんが、出来ればやや年齢層を上げてみたらどうかと思うのですが…まあ、余計なお節介かも知れませんね（苦笑）。
ちょっと思いましたが、新雑誌は「ＨＵＮＴＥＲ×ＨＵＮＴＥＲ」の復活連載とか目玉にしたらいいんじゃないでしょうか？