青春ストーリーの旗手・原秀則デビュー作「春よ恋」 

春よ恋


さて、デビュー作シリーズも今回は原秀則先生です。
原先生といえば、現在も週刊ヤングサンデーで連載を持っている人気作家で、特に青春ものを得意とする作家さんです。
昭和55年という事は、前に紹介した細野不二彦さんと同じ年のデビューですね。


昔、これを読んだ際、別の意味でちょっとショックを受けてしまいました。

大丈夫


空き地で草野球をしている進・青年と子供達ち。
土手で読書をしていたひとみさんにフライを追って行った進と激突してしまいます。
気を失ったひとみをおぶって家まで送っていこうとしますが、途中で気がつき、進は挨拶も半端なまま逃げてしまいます。

夜


銭湯の帰り道、足をくじいた彼女の姿を見つける進。
うまく歩けない彼女をおぶってアパートまで送るのでした。
そんな彼に、どうやら好感を抱いた様子のひとみさん。
草野球をする子供達に聞くと、進は日曜にしか一緒に野球をしないのだそうです。

行ってみよう


かくして、日曜に再び彼に会う為にやって来たひとみさん。
小雨が降る中、ふたりの雰囲気を察した子供達は、あるイタズラをします。

毛虫


毛虫に驚いたひとみは、大方の予想通り進に抱きついて来たのです。
「大成功!!」
「いつまでくっついてんの?おふたりさん!!」
「オレたちオジャマみたいねー!!」

完


かくして、ゆるい時間は過ぎて行くのでした…。

といった作品です。
シンプルな中に、青春の一ページとでもいう様なミニストーリーといった印象の作品で、現在の作風の原点の様なものが垣間見えます。
しかし、それ以上に驚きなのが、スクリーントーン等を一切使わず、全てを手書きの点描等ですませている点です。
故に、当時思ったのは、「マンガは道具じゃない!」という事でした。

原秀則


高校の時に投稿したのがキッカケで編集の人に「上京しないか」と誘われ、はしもとみつお先生のアシスタントになったそうなのですが、そこで初めてマンガの本当の描き方を知り驚いたのだそうです。
スクリーントーンなんて全く知らず、応募作は必死に点描したとか。
画用紙の表裏があるのも知らず、Gペンなんてのもアシになって初めて知ったそうです。
切り張りなんてのも初めて知り、定規の使い方にしてもそれまでじわ〜〜っと定規の下でインクが流れてしまったそうです。


そんな状態でアシスタントを始めたというのも驚きですが、そんな原石を見出した編集の人もすごいと思いますね。
デビュー作は、アシスタントをしばらくしてから描いたそうなのですが、やっぱりスクリーントーン等は使っていない様ですし、その辺りはどうなっているのか気になります。

さて、次は誰のデビュー作を引っ張り出してみますかね?(苦笑)

ウィキペディア:原秀則

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