「アオイホノオ」～学園もののハードル！立ちふさがるゼットンと新人漫画家の卵を救う者！！

ゲッサンにて連載中の島本和彦「アオイホノオ」通算４３回目です。
今回はセンターカラーで登場しました。

あっと驚くピンク色の扉絵で登場した今回。
前回のメーテルなトンコさんを引っ張ってのイラストですけど、何気にマクラがふたつあります。
何か少年誌では描かれない方向に行ってしまうのか不安になるのですが…さすがに作者の自伝的作品でそれはないかな？（笑）
すでにコミックス７巻も発売しており、ちょうど先月号までの内容が収録されていました。
７巻といえば原秀則と岡田斗司夫が登場する巻ですけど、当時のサンデーを知っている者としては原秀則のいじられ方が何ともたまらないですね。

今月号はそんな７巻の続きがすぐに読めるからなのか？
再び強烈な原秀則氏へのツッコミが…！！

矢野健太郎がヤングジャンプでデビューし、その内容にショックを受けた焔。
その事をトンコさんに報告する焔だったが、彼女もいよいよ四回生になる為、課題や就職活動などで大学にはなかなか来られなくなるのだという。
「今度は…あたしの下宿に来えへん？」
そんな言葉にメーテルに誘われる鉄郎の気分を味わう焔だったのだが…！？

トンコさんの言葉が頭から離れない焔。
だが、同時に女の子の部屋がどうなっているのか考えるのだが、全く想像がつかないらしい。
そんな焔が考える女の子の部屋とは部屋中がピンクでヒラヒラのレースで構成されていて石けんのようなほのかな香りに満ち溢れていてムフって感じの部屋なんだとか。
って、何だか色々と毒されてるなあ（笑）。

昔のアニメとかでお嬢様とか出てくると確かにそんな感じだった様な気はします。
でも一般的な女性からすればあまり現実的じゃないし、夢の世界というか、すごく作り物の感じがしますね。

そんな想像に自分でも間違っていると感じる焔。
しかし、何処が間違っているのか見当もつかないらしい。

もうひとりのヒロイン津田さんと会う焔。
ＳＡ社から電話をもらったと言う焔に対し出世頭なんて言うあたりマンガの事はよく分かっていない様子。
そんな彼女に学園ものを描く苦悩を語る焔だったのだが…。
何と、肝心の学校を描く事が出来ないと言い出したのだ！！

これまでは宇宙やら惑星やらテキトーに描いた架空の街並みばかり描いてきた焔。
しかし、現実にある建物を描くとなるとウソをつく訳にはいかなくなってしまう！？
机ひとつ描くだけでも大変なのに教室を描くとなったら死ぬ気で描かなければならい。
「そんな無駄な努力…どう描いていいか全然わからないんだよ…！」
学園漫画を描こうとするとウルトラマンに対するゼットンの様に、校舎が立ちふさがって来るという焔だったのだが…！？

思えばこれまでこういった背景に対する苦労話はありませんでした。
それが悩みとして登場するというのは、それだけ作品を本格的に描き始めたという事なのか？
「ホノオくんの漫画って…ウソばっかりやもんね…」
そんな津田さんの言葉に「おもしろさ優先で描いて来たからウソが多くなった」と言う焔。
しかし、そんな事を言っても学園漫画を描くと決めた以上、背景だけはウソをつく訳には行きません。

「大体…どうやって…定規使って…どうやって…窓の幅とか…遠近感とか…測るんだ…」
基本的な技術の事で悩む焔。
こういう透視図法の話も初めて出てきましたけど、確かにこういうのは素人が漫画に挑戦する際の最初のハードルかも知れません。
なかには描き方講座みたいなのを載せている雑誌もありますが、その中でも二点透視図法や三点透視図法の話はよく見かける気がします。
そういう意味では基本中の基本であり、誤魔化す訳にはいかない要素。
初期の島本漫画が集中線の嵐だったのも、背景に苦労している当時の状況を物語っているのかも知れません。

学校がどうなっていたか思い出せない焔は他の人が描いた漫画の学校を参考にする事に。
何と、ここでまた原秀則「さよなら三角」が登場するとは！！

「こいつ、やっぱりちゃんと描いてない！！！」
学校の一部だけを描いて上手く誤魔化しているのを見る焔。
しかもこれが載っているという事は小学館がこれを認めているという事になる？
「なんだろう…この体中に湧き上がってくるパワーはっ！！？」
「原秀則！！俺にまた…勇気と希望を与えてくれてありがとう！！！」
何やらやたら失礼な感謝の仕方をする焔（笑）。

しかし、考えてみればキャラと背景のバランスの話で、建物の一部だけを描いて居場所を表現するというのを何かで読んだ気がするんだよなあ。
何回も登場する学校ならなおさらで、一部だけ描かれてあればでいつも読んでる読者ならある程度想像出来るというものです。
背景が話のスムーズな流れを止めても仕方ないですし…。

近年、やたら写真的な背景をとことん描いた漫画が出てますけど、そういう漫画に限って背景にキャラが埋没して印象に残らなかったりするんですよね。
まあ、そういう作品は背景以上にキャラやストーリーがしっかりする必要があるんじゃないかと個人的には思っていますし、それで成功している作品も多くある訳ですけどね。

今回の焔のツッコミは原先生のブログでも言及されていました。
こういうのを見るとホント仲がいいですし、これからも行き過ぎてケンカにならない様に気を付けつつ、ツッコミを続けて欲しいですね。
「さよなら三角」は当時好きで集めていた作品だったので、裏話が聞けると尚いいんだけど…それはやはり本人と出会ってからになるのでしょうか？

デビューに向けて精進を続ける焔燃。
ホント、こうなってくると焔がデビューして原先生と対面する日が楽しみですね（笑）。

公式サイト：俺は燃えてなどいない！～漫画家島本かず彦のブログ～／原秀則オフィシャルブログ「そぉ～っとブログ始めました。」

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