“ヤンメガ”吉河美希がマガジンに復帰！“心と体の入れ替わり”「山田くんと７人の魔女」連載開始！！

以前、少年マガジンで「ヤンキー君とメガネちゃん」を連載していた吉河美希が待望の新連載「山田くんと７人の魔女」をマガジン１２号からスタートさせました。
前作も好きで買っていた身としてはそれだけでも注目していたのですが、何と内容が優等生女子とアウトロー男子の入れ替わりものだというのですから性転換コミック特集を続けている者として黙っている訳にもいきません。
実際、入れ替わりがテーマになっている作品はこれまでも数多くありますが、週刊少年誌となるとそう多くはない気がします。
それにそのほとんどはそういうエピソードもあるといった程度であり、作品のテーマそのものが入れ替わりになっている連載作品となると数が限られて来るでしょうね。

そんな気になる少年誌連載となった「山田くんと７人の魔女」。
その７人とはこのカラー扉の７人の事なのか？
そんな注目の新連載・第１回のレビューです！


私立朱雀高校に通う２年Ａ組・山田竜は毎日遅刻をして授業中はいねむりばかりの問題児。
それでも私立の進学校に進んだという事は、元々の頭は悪くはないのか？
そんな彼の成績は赤点ばかり。
「つまんねぇ」
高校に入学して１年でそういう感想を持つ様になったらしい。

私立朱雀高校に通う２年Ａ組・白石うららは成績がずっと学年１位の才女。
席は竜の隣で、竜が散々だった中間テストもやはり１位で騒がれたらしい。
そんな優等生の彼女の姿を階段で見かけ、胸くそ悪くなる竜。
わざと大きな足音を立て、彼女の横を通り抜けた竜だったのだが…！？

いきなりうららににらまれる竜。
それに驚いたからなのか？
いきなり足を滑らせて背後にいた白石うららと一緒に転落してしまったのだ！！

そんな竜が次に気がついたのは保健室だった。
下に目線を送り、見慣れない胸がある事を不思議がる竜だったのだが…！？

何と、気がついたら白石うららになっていた！？
どうやらぶつかったショックで入れ替わってしまったらしい。

ＣＡＳＥ－10XX　『山田くんと７人の魔女』　作／吉河美希
ＴＹＰＥ：入れ替わり
詳細：ぶつかった時の衝撃で山田竜と白石うららが入れ替わった。

ＴＳネタとしては王道ともいえる激突入れ替わりとなった竜とうらら。
しかも男になった女性キャラをひとまず横に置いて竜の視点で展開するのが何ともいいですね。
この手のネタの場合、男になったヒロインが横にいると「アレしちゃダメ」「コレしちゃダメ」の連発で、大した事が出来ないまま元に戻ってしまうケースも少なくありません。
特に少女マンガの入れ替わりネタはそれが顕著で、女性視点のせいもありますけど女になった男子の表現がおざなりになって、何やら聖人君子みたいになってしまう事が多い気がします。
作者が女性となると少年漫画とはいえそのあたりがどうしても気になる訳ですが、あるいは担当の入れ知恵もあるのか？
それとも「ヤンメガ」のヒットで少年漫画のノウハウを身に着けたのかは分かりませんが、いきなり股間に触ったりなど、少年心をくすぐる演出をしているのは嬉しいですね。

そんな主人公そっちのけで先に教室に戻ったという“竜になったうらら”。
この状況で教室に戻った白石うららの神経を疑いつつ、慌ててクラスに戻った竜だったのだが…。
何と、彼女は何もなかったかの様にマジメに勉強していたのだ！！

内股座りの表現に女性作家ならではの視点を感じますが、それ以上に驚きなのは男になった事にあまり関心がない事か？
普通はここで自分の体に何をされるのか不安で早く元に戻りたいと考えるはずです。
そんなうららを教室から連れ出し、相談する竜。
だが、もう一度階段から落ちれば元に戻れるはずだと言い、だからといってまた気絶したのでは授業に遅れる事から放課後まで待って欲しいと言い出したのだ！！

まさかの反応に驚く竜。
つまりそれは暗黙の了解で放課後まで自分の体を自由にしていいという事になる！？
男になってギャーギャー騒がれた場合、良心が邪魔をして何も出来なくなる事も少なくありません。
しかし、関心がない上にすでに股間のモノを見たというのであれば、彼女の裸を見る事に何の遠慮もいらなくなってしまうのだ！！

かくしてチャンスとばかりに体を確認する竜。
トイレの中ではさらにブラの下も確認した様ですけど、このあたりは今後に期待というところでしょうか？（笑）
その一方で、罪悪感も感じたらしい竜。
「まあいいか！あいつだって俺の見たんだし」
すでに見られたという事実が、そんな罪悪感を薄める事になったらしい。

そんな男性読者に優しい入れ替わりネタでスタートしたこの作品。
だが、後半はそんな竜に思わぬ事態が！？

数学科に集めたノートを運んできた竜。
だが、そんな竜にセクハラな教師の視線が？
「もォ先生！やめて下さい」
可愛く振る舞い、その場を乗り切った竜。
一方、普段はにらみつけて「セクハラです」と言っているそうで、本当にセクハラしているみたいだと頭を抱える教師だったのだが…！？

この教師も扉絵にいる様で、どうやら重要キャラの様子。
つーか、品川じゃないのコレ？（笑）
もしかすると足立花もどこかで出て来るのかな？
思わぬ展開に別の楽しみまで出てきてしまいました（笑）。

そんな中、一緒にお弁当を食べようと誘って来た２年Ｂ組の佐々木凜。
「こいつはたしか同じクラスの…」
って、Ａ組じゃなかったのかよ！（笑）
いきなりどっちのクラスが正解なのかよく分からない竜たち。
１話目からこういうのはちょっとカンベンして欲しいんだけど…。

白石うららがバカそうな連中と付き合っていた事に驚く竜。
仕方なく、彼女の弁当を食べる事にした竜だったのだが…何故かグチャグチャに！？
味が上手い事から気にせず食べた竜。
だが、そんな竜でもいつまでも分からないままのはずがありません。

次の古典の授業は小テストだからと、予習を促す佐々木凜。
そんな彼女の教科書を見たら、書き込みがハンパじゃなかった！？
さらにロッカーがグチャグチャになっているのを目撃する竜。
何のことは無い。
佐々木凜たちは優等生の白石うららを陰湿なやり方でイジメていたのだ！

そんな事実を知り、ガマン出来なくなったらしい竜。
「放課後元に戻ったらもう二度とあいつらが手出しできねえようにしてやるよ！！」
彼女のために一肌脱ごうと考えたらしい。
だが、うららは男子に余計な手出しをされるのは迷惑だとして、首を突っ込まない様にと突っぱねて来たのです！

一方、２人が一緒にいるのを目撃して面白くないらしい佐々木凜。
どうやら白石が竜に相談を持ちかけて手を組んだと勘違いしたらしい。

「だいたい山田に何ができるって言うの？」
「あんな学校のゴミ！」
「不良で低脳でクラスののけ者にされているようなクズ野郎に！」
思わずカチンと来る竜。
そもそも女の自分に手を出したらいくらバカでもどうなるかわかっているはずだと佐々木凜は言うのだが…。
その竜も今は女なのだ！！

「こんな奴一度おっかねえ思いさせとけばすぐ大人しくなるんだよ！！！」
いきなりパンチを食らわせようとした竜。
だが、そこにうららが現れ、間に割り込んでしまった！？
まさかのヒットで吹き飛ばされるうらら。
思わず泣き顔になってしまい、現場にいた佐々木凜は優等生が不良をぶっ飛ばして泣かせてしまったと思ったらしい。

そんなややこしい状況を作り出してしまったものの、結果として佐々木凜が逃げ出した姿にうららは「ざまあみろ」と思ったのだという。
「どうもありがとう」
思わぬ素直な一面に触れ、調子が狂う竜だったのだが…！？

放課後になり元に戻るべく落下を試す竜とうらら。
だが、何度やっても元に戻らない！？
一生元に戻れないのかと悔しさをにじませる竜だったのだが…。
「ひとつだけまだ試してないことがあるの」
何と、階段から落ちた際、２人はもつれてキスをしており、またすれば元に戻れるかも知れない事から「ためしにしてみましょう」と言い出したのだ！！

かくして連載一話目から衝撃のシーンが展開。
つーか、自分とキスをするという事で、この手の話にありがちな嫌悪感はないのかな？（笑）

結果、元に戻る事が出来た竜とうらら。
そのまま何事もなかったかの様に帰って行ったうららだったのだが…。
翌日からうららは山田をぶっ飛ばしたと評判になり、ビビられる事になったらしい。
一方で、その山田竜は佐々木凜を身を呈して助けた事で熱い視線を浴びる事になった様です。

その一方で、まさかのキス体験が忘れられないらしい竜。
「なんつーかオマエって…優等生のクセしてとんだハレンチ女だよな…！！」
そんな山田竜に冷たい目線を送る白石うららだったのだが…。

結局、この入れ替わりは今後も続くのかな？
連載１話目ではまだ肝心の「７人の魔女」の部分が何も描かれていません。
単に今回だけのイベントだったらちょっと残念なのですが…あるいは扉絵にあるメンバー全員と入れ替わる展開もあるのでしょうか！？

その一方で、扉絵の面子が水晶玉やカードみたいなのを持っているのが気になりますね。
白石うららの帽子といい、まるで魔法学校に通うかの様な７人のイラストなのだが…。

あるいは「魔法先生ネギま！」が近く最終回を迎える事で、マガジンが魔法学校的な連載を新しく始める事にでもなったのでしょうか…！？

と言うことで、状況によっては来週以降も記事にしたいと思います。

ヤンキー君とメガネちゃん（1） (少年マガジンコミックス) 吉河 美希